2020/05/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にロックアインさんが現れました。
■ロックアイン > (貴族としての集まり、と言うより負担を受け入れるかどうするかの非公式な会合が王城の傍ら、大会議室にて行われていた。
集められている貴族の面子は、少数と言える。
だが、其処には一定の偏りが見受けられなかった。
貴族として責務を果たそうとするもの、貴族としての地位を持ち続けたい者。
或いは自分の様に金と物資を出し惜しみ、蓄財を画策する者まで。
開かれた戦端の報告を聞きながら、貴族側への追加の支援。援助の要請がされていた。
手元に回されている紙の束には、今回の戦勝に携わった人員の士気向上と記されている。
概ね大本営発表の為、どこまでが真実なのか定かではないが無事脅威を退ける事も出来たらしい。
これにより戦勝パーティーと共に、タナール方面の騎士団への支援や援助、といったものも追加で記載されている。
領地の収支状況、税の額から割当方式で追加の支援をする方向で会議が続いている。)
「……傷を負った貴族側にこれ以上の負担をしろと?
馬車による物資の輸送等が襲撃され、少なくない被害を負っている貴族もいる筈だが。」
(自分の発言番になり、疑問を呈する一言。実際にはそれほど大した額ではない被害だが、それでも被害は被害。
わざと大げさに言って見せる。騎士団であろうと、貴族であろうと正確な被害は把握していないだろう、という甘い予測もある。
腕組みをしている自分の発言――苦味を殺したような声で出した意見に、少ないながら頷く、同調する貴族もいる。
見れば大体が知った顔。まぁ、腹黒い連中からすればこの手の負担は受け入れたくはない。
強く押せば如何様にも流れるが、結局強権がされたり強い誘導等が無ければ利益優先に流れるのが貴族のありようでもあった)
「騎士団側にも、貴族側、特に地方貴族から、被害を受けている旨は伝令を出している。
その後も被害を受けていて、さらに追加支援をしろと言うのは……。」
■ロックアイン > 「一律、よりも寄付方式で支援を出してはどうだろうか?
出せる余裕のある貴族が自由に支援を、寄付を行う。出せない側は何かしら別の手段で補えば良い。」
(強い意見さえなければ、同調する貴族の数で多数決は押し込めるだろう。
あくまでこの会議の場にいる貴族の総意ではなく、賛成多数での意見の封じ込め。
それが上手く運べば、他の貴族にそれとなくリークする。
数度ある会議の場で、それぞれこの方式が賛成多数で拾われていけば、負担はせずに済む。
石を投じた後はゆっくりと傍観を決め込む。
余り強硬な意見を出して目立ちたくもない。あくまで、被害を負った弱い側に寄り添うような意見を出しただけ。
椅子に座り直し、首筋を軽く回す。意見が一巡するまでもう少し時間もかかるだろう。)
■ロックアイン > (やがて。流れを変えるような強硬的な意見が出ることも無く。
この場の集まりでは自主的な寄付、支援を推奨する形にまとまった。
他の会議がどうなるかは判らない。賛成多数で通したので、他での会議の結果により覆るかもしれない。
どちらにしろ損は少なくしておきたい。ただそれだけの目的での発言と、立ち位置。
会議が終わった後、数名の貴族とは目配せのみで各々のやるべきことを確認し合い。
三々五々散っていく。まったく寄付しないのも問題はある為、馬車1台分位の食料と武具などの手配だけを黒服に。
自分は王城を出て、護衛と共に街の中に消えていった。)
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」からロックアインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城/通路」にルシュ・アシドさんが現れました。
■ルシュ・アシド > さる貴族からの用命で城を訪れ、持参した商品を気に入られたところまでは良かったが、
仕事柄、近づいておきたい相手が山ほど居るこの場所から直ぐに離れては勿体ない、
散策のついでに少しばかり顔を売っても罰は当たらないだろう――と、
そんな風に欲を出したのは失敗だった。
増築を繰り返し、道々が複雑に絡み合ったこの王城は、
通路を行けど曲がれど、男を見知った場所に連れて行ってはくれない。
それどころか進むほどに闇は色を広げ、奥へ奥へと引き込まれているような気さえする。
兵士の一人でもすれ違えば、出口まで案内を頼むのだが――。
「はて……これはどうしたものか」
困っているには違いないが、同じくらい好奇心もあった。
ステッキとトランクを軽く持ち直すと、男は口元の笑みを崩さぬまま、
燭台の明かりを頼りにほの暗い通路を進んだ。
■ルシュ・アシド > 窓の少ない通路だからか、じっとりと肌にまとわりつくような蒸し暑さが不快だ。
頬に張り付く艶やかな黒髪を、男はステッキを持った手で軽くかき上げる。
少し広い通路に出ると、おあつらえ向きに二人掛けのソファが見えた。
先に荷物を置き、ベロアの座面に腰掛ける。
手袋をしたまま革張りのトランクを優しく撫でつけると、
薄くインクを滲ませたようなアクアマリンの瞳を細めた。
「ふふ……ここで私が息絶えれば、お前たちは呪いの貴石とでも呼ばれるのでしょうね」
お前たち、とはトランクの中に収まるいくつかの宝飾類のことだ。
いわくつきの品物は意外にも愛好家が多い。己とて、物語を感じて嫌いではなかった。
自分が死んでしまっては扱えないのが残念だ、と胸の内で意味もなく嘯くと、
人目がないのをいいことに、取り出した紙巻きタバコに静かに火をつけた。
■ルシュ・アシド > 吸い切ったタバコを蓋付きの灰皿に押し込むと、不意に自分を呼ぶ声が聞こえた。
燭台を手にこちらへ駆け寄ってきたのは、この城でよく見かける若いメイドだった。
馬車で待たせている部下たちから頼まれ、自分を探しに来てくれたらしい。
「ああ……助かりました、お嬢さん。ありがとうございます」
男は立ち上がり荷物を一纏めに持つと、空いた片手をメイドの腰にそっと添えた。
「命の恩人であるあなたに、何かお礼をしなくてはなりませんね」
滅相もない、と慌てる彼女をからかうように笑い、共に出口へと歩を進めた。
ご案内:「王都マグメール 王城/通路」からルシュ・アシドさんが去りました。