2019/07/13 のログ
ご案内:「王城 迎賓区画の一室」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 王城の奥深く。一つ一つが随分な値段のつく魔法の照明具が照らす長い廊下の奥に、屈強な騎士が入り口を守る一室が存在する。
少し広い大広間。或いは、やや手狭なダンスホールといった広さのその部屋には、王国において栄華を貪る貴族、豪商、政治家、将軍達が賓客として招かれていた。

開かれているのは、怠惰と享楽を煮詰めた様な宴。参加者達は高価な酒を呷り、丁寧に盛り付けられた料理を貪り、宛てがわれた女達を侍らせる。
正しく"下品"を体現した様な宴の中で、貴族の輪の中からするりと抜け出した少年の姿があった。

「……いやはや。如何に粗雑に料理を食べられるか、という品評会があるならば、此処の連中は皆表彰台に立つだろうな。ナイフとフォークの使い方は部屋の外に忘れてきたと見える…」

社交界の中でも若輩者の部類である己にかけられた誘いの言葉を断れる程の厚顔無恥さは無く。知古の貴族の顔を立てる為に参加した宴の中で、既に何度目か分からない後悔の溜息を吐き出していた。

幸い、酒と料理の質自体は最高級であるのが救い。ついでに言えば、部屋の中で嬲られる女達の質も上質。
権力を手にした者の行きつく先は皆こんなものか、と手に持ったグラスを傾けながら僅かに苦笑いを零した。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 既に室内のそこかしこからくぐもった様な嬌声が響き始め、豪奢なカーペットの上には脱ぎ散らかされた衣服が散逸している。

「…個室も準備してあるだろうに。其処まで待てぬとは、普段余程禁欲的な生活をしているのだろうな」

と、聞こえぬ様に皮肉を零しながらグラスを呷り喉を潤す。
爽やかな葡萄の香りが口内に満ちて、僅かに満足げな溜息を零した。
尤も、そろそろと此方を伺う様な貴族や女達の視線に気付けば、再び溜息を吐き出す事になるのだが。