2019/05/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にナインさんが現れました。
ナイン > (未だ続く、公主歓待を名目とした宴だが。
――流石に。今夜の此には、眉を顰めざるを得なかった。

遅れて広間に入った少女が。貴族としての頽廃を知る身であるにも関わらず、半歩程退きかねない程に。
堕落の極みを呈した有り様が繰り広げられている。
毛足の長い絨毯を幸いに。大半の男女が床の上、折り重なるように絡み合っている…唯、黙々と。
引き攣るような嬌声は散発的で、どちらかといえば呻き乍ら、啜り泣き乍ら。彼等が、彼女等が貪り合う姿は。
長い時間姦乱を極め、心身共に疲弊と怠惰を、快楽によって押し込まれた後の様。
未だに声を上げる者、立っている者も居るには居るが。
それはそれで、壁に押し付けられた女と、背後から苛む男だの。
正気の色を失った男に、その胎へと拳をねじ込まれた女があげる悲鳴だの。何れも真っ当とは言い難い。
――全ては。閉ざされてこの広間に、甘く燻る薬臭のせい。らしく。)

 嗚呼。…何と、言ったかな。彼の国の、これは、確か――

(…阿片、だっただろうか。その昔帝国の方で、一時期国を揺らがす程に流布した薬。
こんな物すら持ち込まれる宴席が。まともに見合いの様を呈している筈もなく。
既に堕落の限りを極めている惨状に。どう、踏み込むべきか。いっそ退散を決め込むか。
呆れ半分の頭は、結論を定めかねていた。

勿論。例え広間の入口とて、躊躇の時間が長引けば長引くだけ。己も淫香に左右されていくのだが。
…それも亦一興だと。脳内のもう半分が考えてしまうのだから。)

ナイン > (やがて、決めた。
は、と柔い呼気を吐いた口元は。些か歪んで笑んだ形に吊り上がる。
そして一歩は、前へ。…怠惰極まる宴の残滓へ、自ら踏み込んでいく物となる。
此処暫く、様々な意味でご無沙汰で。欲求不満。
そろそろ…頽廃どころでは済まされない、破滅的な慾に身を任せたい。
新たな気配に、生き返った骸の如き緩慢さで起き上がる牡達には…何処迄期待出来るか不安だが。
その辺り、爛れた香がどうにか補ってくれると考えようか。

――――次の朝を迎えるのは。どれだけ貪った、貪られた後になるだろう。
ともすれば朝日の巡りを知る事なく。更に次の夜へと到る迄、溺れ続けるのかもしれないが。)

ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」からナインさんが去りました。