2019/05/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にルドミラさんが現れました。
■ルドミラ > 「まあ、……お戯れを。
力がお強いのね、とても逞しくていらっしゃるわ。
でも、そのように荒々しく掴まれては──あッ……⁉︎」
連日の夜会が催される城内。とある公爵家への公主降嫁を祝う宴の会場からほど近い廊下で、押し殺した女の声がした。
が、人の姿は廊下のどこにもなく。かわりに豪奢な刺繍のカーテンが揺れて、蠢いている。揉み合う気配。衣擦れの音。うわずって何事かを言い連ねる男の声と、たしなめるような女の声、とくれば、布地の向こう側で何が行われようとしているかは、明白であろう。
■ルドミラ > しかし。
薄暗い廊下の片隅で人知れず起こったささやかな騒動は、長くは続かなかった。
「言うことが聞けないのかしら?」
静かな、けれど鞭のひとふりのごとき鋭さを呑んだ女の声を合図に、カーテンの向こうが静かになる。
ふたりの動きが止まり、やがて──
ずるずると、窓伝いに崩れ落ちた男の体。布地の間から中途半端にはみ出した盛装姿はいずれの貴族か、大臣か。ごろりと床に転がされて、寝息を立て始めた。
中から、ふう、と息をつく気配。軽く、律動的なヒールの音。カーテンに漣が立ち、少し離れた場所から、ひとりの黒髪の女が姿を現した。
床で眠る、先程までの襲撃者を肩越しに振り返って、
「ごめんあそばせ」
と、軽く膝を折る。