2019/05/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にルドミラさんが現れました。
ルドミラ > 「まあ、……お戯れを。
力がお強いのね、とても逞しくていらっしゃるわ。
でも、そのように荒々しく掴まれては──あッ……⁉︎」

連日の夜会が催される城内。とある公爵家への公主降嫁を祝う宴の会場からほど近い廊下で、押し殺した女の声がした。

が、人の姿は廊下のどこにもなく。かわりに豪奢な刺繍のカーテンが揺れて、蠢いている。揉み合う気配。衣擦れの音。うわずって何事かを言い連ねる男の声と、たしなめるような女の声、とくれば、布地の向こう側で何が行われようとしているかは、明白であろう。

ルドミラ > しかし。
薄暗い廊下の片隅で人知れず起こったささやかな騒動は、長くは続かなかった。

「言うことが聞けないのかしら?」

静かな、けれど鞭のひとふりのごとき鋭さを呑んだ女の声を合図に、カーテンの向こうが静かになる。
ふたりの動きが止まり、やがて──

ずるずると、窓伝いに崩れ落ちた男の体。布地の間から中途半端にはみ出した盛装姿はいずれの貴族か、大臣か。ごろりと床に転がされて、寝息を立て始めた。

中から、ふう、と息をつく気配。軽く、律動的なヒールの音。カーテンに漣が立ち、少し離れた場所から、ひとりの黒髪の女が姿を現した。
床で眠る、先程までの襲撃者を肩越しに振り返って、

「ごめんあそばせ」

と、軽く膝を折る。