2019/04/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にナインさんが現れました。
ナイン > (日々続く宴は、様変わりの態を見せつつある。
有り体に言って。真っ当な歓迎の場であった物が…此の国に相応しい頽廃の場へと堕しつつあった。
――理由は明白。先ず…公主は女。伴侶たり得る男と巡り逢ったなら、必然、其処に男女の関わりが発生するからだ。
もう一つは。王国の者達に、早い内から見初められる事無く。この時期迄残ってしまった公主は。
即ち利用価値が低かったという事であり――付加価値を認められなかったのならば。此亦必然、女としてしか。
否、牝としてしか、扱われぬようになるからだ。

力有る者が無き者を。此方の者が彼の地の者を。牡が牝を。
自然の摂理だと言わんばかりの傲岸で、陵辱し隷属させていく、頽廃の宴。
城の彼方此方、連日連夜、行われる宴の何割が。そんな狂宴へと置き換わりつつあるだろう。
日増しに増えていくであろうそれ等から、女である事を口実に辞して。
適当な休憩室に腰を饐えた。)

 ――――――――  ――っ、 ぁ あー……

(途端。今にも力尽きそうだと言わんばかりの。深い深い溜息を吐き出して。
城仕えの侍女が、茶を用意する合間。ずるずると力を抜いて座り込んだ侭だった。
…何せ。こうやって意図的に意識を拡散させていなければ。内側から焼き切れてしまいそうだった――苛立って。腹が立って。)

ナイン >  …兎角。世の中、上手く行かない事ばかり、だ――

(以前から、己が進めていたのは。
数多乱立する王族、貴族達の間に。確信犯的な派閥関係を造り出し。
同時に、かねてより対立的な貴族と軍隊、双方の力関係も調節し。
…適度な拮抗と緩衝、誰かの一人勝ちが起こり得ない横並びの状態を意図的に長引かせて。
――来るべき、万人の認める王の側位迄。
そうでなくとも此の国が、数多の外患に囲まれている今。せめて内憂に朽ち倒れる危険が失せる迄だけでも。
時間を、年月を、稼ぐ事だった。

それが。今は、どうだ。
逆に外側からの干渉によって。拮抗状態、膠着状態、どころか。此の国の中枢は、完全な混沌状態に陥っているではないか。
仮想敵として論った帝国が。どうにか纏まりつつあった辺境貴族達が。…そして今度は国を支えて然るべき国教が。
芯として在らねばならない王侯貴族が、彼等に引き摺られ、振り回されている。

それに対して。腹を立てるな、という方が無理だろう。
…尤も。何より苛立ちが募るとすれば。
この混沌をどうする事も出来無い、一介の貴族程度に墜ちてしまった…己自身とその家名と、かもしれないが。

ちろり。折から、正面へとティーカップを供する侍女に目を向ける。
幼さを残す、少女然とした侍女の面持ちを見上げ。指の隙間から覗く瞳に、一瞬ちろつく剣呑な光。
――打算の上ではない。募る淫欲故でもない。苛立ちだけで、誰かを嬲ってやろうか、等と考えてしまうのは…
己としては。酷く、珍しい事だったか。)

ナイン > (そう、だ。
一度その気になってしまったのなら。立ち止まる必要など有りはすまい。
伸ばした手が、侍女の手首を捕まえた。
漠然と察する所も有ったのだろう。ぎくりと肩を震わす、その少女へ。
牙向くにも似た笑みを向け。)

 …あぁ。理解が早くて何よりだ。…時間は有るだろう?
 此処暫く。大概の男達は、公主の方にご執心なのだから――――

(だから。彼等の代わり、己に身を捧げろと。
…程無く。軽いティータイムさえ終えてしまえば。
二人の少女が、城の何処かへ。誰にも邪魔される事のない、適当な部屋にでも。姿を消す事となるだろう。)

ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」からナインさんが去りました。