2019/04/12 のログ
■イズナ > それから数刻…未だ宴もたけなわ、という頃であったが大勢の王侯貴族の中より主人が此方へ歩み寄ってくる
それに気がつけば、何事かと首を傾げつつ主人の元へ向かい、如何されましたか?と公主に尋ねた
公主が言うには会場を歓談しつつぐるりと巡って見はしたものの、ピンとくる殿方がいなかったと耳元で囁く
「公主様、今更、お相手を選べる立場だとお思いです?
他の公主様方は次々とお声掛りがあり、嫁いでいかれますのに、公主様は未だそんな事を仰って…」
小さな従僕は金色の髪をふるふると揺らすとこめかみ辺りを抑えて呆れ返ってしまった
容姿は他の公主達と遜色なく見目麗しいと言って良い、こうしている今だって周囲の王族、貴族たちから
熱視線を向けられているように思うのだが、それら全てに気がついていない素振りである
「…馬には乗ってみよ、人には添うてみよという言葉がございます
公主様のお眼鏡に叶わずとも会場には公主様に見合った殿方がいらっしゃると思うのですが…」
そうして顔を上げれば傍から熱視線を公主へと送るお歴々の顔を見渡してみる
なるほど、確かにいくらか年齢層は高いようだが、この従僕には誰も彼もそれなりに立派な人物に見えた
「公主様…確かに薹が立った殿方が多いように私もお見受けしましたが
何に関しましても若い殿方が良いとは限らないというのは、私より公主様のほうがお詳しいと思うのですけれども…」
若干の火遊び癖のある主人に対して皮肉を込めて進言してみたが、主人は「今宵はもう良いのです」と返すと、
カツカツ、とホールの出口の方へと歩いていってしまう
言い返したい事は山程もあるが、ここには衆目がある。周辺に集まっていた王侯貴族に頭を下げて
「公主様はお疲れのようですので今宵はこれにて失礼を」
と告げれば、はぁ、と嘆息をし先立った公主を追いかけるようにしてホールを後にするのでありました
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」からイズナさんが去りました。