2019/04/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】修錬場」にホアジャオさんが現れました。
■ホアジャオ > ガラス張りの天窓から星の瞬きと、まだ半ば以下の月の光が床へと差し込んでいる深夜の修練場。
暗闇に壁に掛けられた修練用の武具が藍色に浮かぶそこは、当然の如くしんと静まり返って
――――遠くからはごく薄く、シェンヤン風の音曲が聞こえて来る。
その場所へ、扉を開けて――そっと忍び込む人影ひとつ。
天窓の頼りない明かりの下へ踏み出せば、朱のロングチャイナ姿の女だと解る。
女はゆるりと暗闇を見回して…その特徴的な細い目を更に細くして、紅い唇をにんまりと三日月にして笑った。
「中奖(当たり)…」
そうして…手にしていた剣の鞘を払って、白刃を晒す…暗闇でも、それはぬるりとした白い光を一瞬、纏う。
女が鞘を隅の方へと放り投げると、がらんどうの室内に乾いた音が響いた。
■ホアジャオ > 女は白刃を前に掲げ、瞳を閉じる―――遠くからかすかに聞こえる音曲。
「……――♪」
やがて、その音曲を口の奥で微かに口ずさむ。
そうして瞳を上げて――音もなくくるりと身を翻した。
白刃が闇に踊る。
そのまま、くるり、くるりと舞って、とんと跳んですとんと落ちると同時、またくるりと身を翻して、白刃を構える。
■ホアジャオ > 「―♪♪……―――ッと♪」
今度はとんと高く――遠くに飛んで
片足で音もなく着地すると、その脚でバランスを取る様にくるんと白刃で弧を描く。
そのまま、身体を丸めて跳んで、またすとんと軽い着地音。
白刃が更にくるりと下から翻って弧を描く。
■ホアジャオ > その白刃の弧を描く動きは止まらない――まるで白刃のほうが、女の方を誘導するように。
くるん、とん、くるん、とん――と端まで弧を描くと、すと、と膝を深く落として最後の弧を描いて止まる。
――ぱし、と弧の勢いのままの手首を反対で押しとどめて、逆回転に弧を描くと足元にとん、と突いた。
「―♪――……ッ
♪♪ああ、亲爱(懐かしい)――」
そうして鼻歌をひとくさり。
満足げに頷くと、ひょいと肩に白刃を載せて、払った鞘へと弾む足を運ぶ。
■ホアジャオ > 拾い上げた鞘に白刃を収める。
うふふ、と満足げなため息を付くと、また鼻歌を歌いながら、弾む足取りで修練場の出口へと―――
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】修錬場」からホアジャオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にイズナさんが現れました。
■イズナ > 王城のとあるホール
今宵も降嫁してきた公主たちを出迎えるお披露目を兼ねたパーティーが開かれておりました
「公主様、よろしいですか?重ね重ねになりますが、マグメールの王侯貴族様方がお揃いになるパーティーです
あまり、羽目を外されにならぬようお願いいたします。ここはシェンヤンの離宮ではございません
唯でさえ、公主様はどなた様からもお声掛りがなく、公主としての役目を全うされていないのです
それを肝に銘じてシェンヤンの公主として節度あるお振舞いをなさるよう、執事からも言われておりますからね?」
未だ執事服に着られているような小さな執事が黒髪の公主に言い募る
それを聞いた公主は判った、と繰り返しては纏め上げられた艷やかな黒髪を揺らし宴席の輪の中に消えていく
そんな後ろ姿を、ため息をつき見送れば、邪魔にならぬようホールの壁沿いに下がり、パーティーを見守る姿勢を取った
周りには自分と同じような衣服に身を包んだ付添人の他にも、シェンヤンで見られた朝服に着た
自分と似たような役目の従者が控えており、宴席の成り行きを見守っている
自分の仕える公主の姿は大勢集まった王侯貴族や騎士、公主達に紛れて見えなくなったが、
万が一の為、主人には無断で使い魔を付けてあるから何かあればすぐに飛び出すことが出来る
今夜こそ、良きお相手が見つかれば良いのですが、と思いながらもう一度、深くため息を付いた
■イズナ > 壁沿いに控えながら知己のある他の介添人たちと簡単な挨拶を交わし終えれば、再びその場に静かに立つ
王国にやってきてから公主の気まぐれで誂えた執事服には慣れず、シェンヤンにいた頃と同じ、朝服でよいではないか
と進言したのだが、
『王国に嫁ぎ、王国の一員になるのですから』
と言って聞かず、女官たちまでもが王国仕様のメイド服と成り変わった
女官たちも戸惑うばかりで、唯一災禍を免れたのは新しいものは肌に馴染まないと申し出た老執事のみであった
王国について早々散財し従者の衣服を揃えるべく、慣れない王都を右往左往するのは自分の役目であった
これで、公主に相手が見つからぬようではとんだ笑いものになるな、と呆れながらも表情は崩さず
じっ、とパーティーが無事、トラブル無く終わるのを待ち続ける
唯でさえ、惚れっぽく奔放な公主である。何かトラブルでも起こすまいか、と思うと胃の辺りがグッ、と重くなるのを感じた