2019/04/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 華やかな宴にも、仄暗い一面は必ず存在する。
賓客として持て囃され、有力な貴族と豪奢な婚礼の儀を結ぶ公主も居れば、身売り同然に王国に放り出され、慰み者となる者達もまた存在する。

今宵、王城の一角。敢えて灯りを抑えられた大広間で行われているのは、そういった寄る辺の無い公主達を選別し、弄ぶ悪趣味な貴族達の宴。
性欲を煽る甘い香が漂い、宴の場に相応しくない寝台や道具が壁際に並び、気に入った公主を連れ込む為の別室には、広間から直接赴ける様な造りになっている。
訪れた貴族達は、既に居並ぶ公主達を品定めする様に群がり、くぐもった嬌声が僅かに耳に入るだろう。

「…思っていたよりも盛況だな。他国の姫君を好きな様に弄ぶというのは、うだつの上がらぬ貴族にとっては良い鬱憤晴らしにもなるのだろう」

そんな退廃の宴を睥睨する様に、上座に設けられたテーブルでグラスを煽る少年が一人。
今宵の宴は、ホーレルヴァッハ家が主催した貴族達への褒美。
特に、反シェンヤン派の貴族や軍人を敢えて招待する事で、鬱屈した反発心を直接公主達にぶつけさせるという陰湿な宴でもあった。

訪れた貴族達が次々と己へ謝意を伝えに現れるのを笑顔で応対しつつ、公主達を宛がい肉欲に溺れさせる。
時折、給仕の女にも手を出している連中がいるのには流石に溜息を吐き出したのだが。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 見目麗しい公主達と、それに群がる貴族達。
砂糖に群がる蟻の様だな、等と思いながら甘ったるい洋酒を流し込む。

「…とはいえ、私もあれらと大差ないか。寧ろ、砂糖を蟻の巣に放り込んだ分悪辣やも知れぬな」

視界の先では、既に狂乱の宴が幕を上げている。
故国に見捨てられた公主達を哀れとは思うが、此の国でもそれは珍しい光景ではない。
寧ろ、見慣れた光景が広がる様に、苦笑いと溜息が入り混じった吐息を小さく吐き出した。