2019/03/25 のログ
ミリーディア > 「さっき儂の暇だろう時間は伝えたし後は大丈夫だろう。
相手を知り得る事も才能の一つか、儂としては助かる。

そうだね、其れなりに嗜んではいるよ。
好みは儂の味覚から考えれば、君ならすぐ解るだろうけどね」

土産はデスクの直ぐ横へと置いておく。
簡単に手の届く位置へと置いた処を見れば、後の楽しみにしている事も解るだろう。
次いで聞かれた酒に関しては、少しばかり考える間が在るもののそう答えて。

「そうか、全てとは云わなくも理解出来る部分も在る訳か。
予想としては身体能力の向上と竜との共感能力だろう。
どちらも竜が基本的に備えているものだね。

となると、後は君と云う存在として持つ能力。
君以外の竜達が、各々個別で持つ様なものと云った感じだ。
後々やっていこう、やるには場所を変えないといけないからね」

彼女の言葉の後に、考える仕草をした侭に答えた。
此処は何時誰が来るか分からない、流石に此処でやるのは彼女も困るだろうと。

養子の件の話を聞き終えれば、呆れた様な溜息を吐く。
本当に色々と欠けた部分の多い存在だ、と。
一度立場や状況、常識を確りと叩き込まなければ為らないか。
そんな事を考え乍。

「困ったものだな、小山の大将と云うものは。
アッシェ君には一度、自分より強い存在と云うものを教えなければ為らないかもしれないね。

構わんさ、寧ろ、そうでない方が不思議と云える。
何事も理解する事が大切なんだ、其れを分からん連中が多過ぎてね。
君みたいな確りと理解や認識をしてくれる者が居てくれてほっとするものさ。

頑張り給え、君には幸運にも恵まれた環境が揃っているからね」

そして、試しに提示した提案の回答に一つ頷く。
恐怖する様子は安易に見て取れる。
然し、其れでも彼女は努力を惜しまぬとの様子も。

「勿論、そうでなければ勧める事なんて出来やしないよ。
……寧ろ、君依りも彼女の方が心配でもあるがね、ある意味で」

あの商会の中で、一番纏める上での頼れるだろう存在なのだ。
彼女が上手く回してくれれば自分の負担も減る。
此れは彼女の為でも在り、自分の為でも在る。
そう考えれば最善を尽くそうとするのは当然だろう。
恐怖と緊張に気張ろうとする彼女、其れを和らげる様に冗談めかす風に肩を竦めてみせた。

リス > 「ええ、大丈夫です、今後はもう少し上手く……念話や。
 お手紙を置いておいたりさせてもらいますわ。

 商人としてのスキルはそれなりに習得してるつもりですから。

 そうですわね、お酒は甘めのもの、とか、スッキリ飲みやすいのが良さそうとおもいますわ。
 甘いお菓子に合うような……モノ、とかも。」

 彼女の酒の好み、多分これでいいとは思うのだけれども。
 実際にお酒は飲んでみないと判らないところもあるし、意外な好みも発生することもありそうだ、と。

「恐らく、本能に基づいたモノ、というものであれば、ですわ。
 はい、ミリーディア様のおっしゃるとおりのところですわね。

 私だけの……力ですか。
 はい、分かりましたわ。……私の能力とはいえ、怖いですけれど。」

 彼女の言葉に、少女は苦笑を。
 なぜなら、チンピラさんに凄まれて泣くような、箱入り娘だ。
 性格的に、戦闘とかそういった荒事には向いていないから。

「実の娘から聞いたところ、酒造……元魔王城らしいのですが、そこから発掘した、とも。

 ……あまり、酷いことはなしで、お願いしますね?
 
 一応、アッシェの伴侶ということで、私たちの竜たちは、尊重してくださってます。
 商会に居る子であれば、私の言うことを聞いてくださいますわ。
 シュロスの方は……分かりませんが。

 はい、色々な方の協力、ありがたく思ってます。」

 一応、商会に付いている竜はリスが契約したものであり、少女が制御できる。
 シュロスに関しては、アッシェの部下なので、敬意は払ってくれるがそこまでではない。
 とはいえ、ミリーディア等、力を貸してくれる人が多いので、そこはすごく助かるのだ。
 彼女の言うとおりに、幸運を喜ぼう。

「私よりも……?」

 彼女のほうが心配という言葉、そのセリフが気になり、首を傾いだ。
 なぜなのだろう、自分はそんなに怖い存在ではないはず。
 竜なのはともかく、だ。
 肩をすくめておどける様子に、幾分、落ち着いたとも言える。

ミリーディア > 「因みに念話の有効範囲はかなり広いだろう。
互いの力を繋ぎ結んでいるからね、力が大きい程に広がる。
今の君の能力なら王都内で在れば苦も無く届く事だろう。

知っている、でなければあれだけの店を構えられんよ。
周りの協力もあってと云うだろうが、其の協力を得られるのも君の力だ。

御名答、大体の酒は飲めはするんだがね」

彼女の回答に満足そうに頷いてみせる。
飲んだ事のない酒は無い、だからこそそう答えてみせて。

「そう不安そうな顔をしなくてもいいさ。
力とは云っても戦う事に特化した力ばかりではないんだ。
上手く扱える様に為れば日常でも使えるものもあるからね」

自分が扱う魔法程に万能と云う訳でもない。
其れでも考え様で色んな事に使えるのは事実。
彼女が荒事に向いてない事も含めて考え教えるつもりだ。
尤も、最低限度の護身の為の力は教えるだろうが。

「そうだね…第三者介入で人間と魔族に無駄に余計な溝は作りたくない。
変に影響を与える真似をしてくれなければ静観に留めるよ。

君達の事情は知ってはいるが…正直に云えば、其れも控えて欲しいものなんだ。
今の君為らば周囲が向ける畏怖感と云うものが理解出来るだろう。
人間は竜に恐怖する存在だからね。
まあ、儂との契約も交わしているから現状維持で頼むよ」

彼女達が竜を制御出来る能力は知っている。
だが、一部の人間からすれば彼女自身が竜として操られている可能性も考えてしまうだろう。
其れが自分の考える今現在唯一の懸念材料か。

尤も其の点は自分が其れはないと証明している。
何か在っても抑える事が出来るのも含めて、だから表立たないのだ。
そう云った意味では御互いの協力は必須だろうか。

「……君の噂は聞いているからね、竜としてではない方の」

小さく笑い、意味有り気に其の言葉を付け足した。
細かくは云いはしない、彼女が其れを理解出来るか如何かは彼女次第だろう。

リス > 「王都内……ということは、家からでも、ミリーディア様の所に届いちゃうのですね。
 うちの子達であれば、どこにいても届くのですけれど、それは……絆の差と言う奴なのでしょうか。

 構えたのは父であり、私はそれを切り盛りしてるだけ、ですわ。
 
 確かに、アッシェ達が協力してくださってるから、お酒も、急便も使えるのですし、ね。

 飲めるのと、好むのは違いますし。
 では、今度は、お酒、ですかね。」

 同じものばかりでは、飽きられてしまいますし、目先を変えておきましょう、と笑う少女。
 デザートワイン系のは、あったかしら、と、目録を思い出していて。

「はい……。頑張ってみます。」

 確かに、物は考えようなのである。
 わかりやすく言えば、包丁は料理の道具だが、その鋭さは武器になる。
 逆もまたありえるので、そういうふうに考えればいいのだろう、と。
 思考が庶民過ぎるのだが。

「とはいえ、アッシェは、私でも予想のつかないことをすることもありますし。
 事後報告で止めようがない事とかばかりなのですわ。

 正直、私が竜になったのも、事後報告、ですし。
 分かっております、掲示板に宣伝したのは、そのほうが、恐怖を低減させられると思ってのことですし。
 ビックリさせないように成るべくの手配はとっておりますわ。
 私としても、退治されたくはありませんし。

 ええ、現状維持、判っておりますわ、言い含めてあります。」

 一応、人々に溶け込むために、基本は人の姿を取る少女。
 操られているかどうか、そればかりは自分では自信がない。
 アッシェは、そもそもそんなことは考えないタイプだし、加護で守られているはずだ。
 絶対はないのだけれども、大丈夫だと信じたい。

「………あら。」

 最後の意味深な一言に、少女はくすり、と笑ってみせた。
 何を言いたいのかがわかってしまったから、である。

「不敬でしょうけれど、ミリーディア様にも、少なからず興味はありますわ?」

 言わなくてもわかってるであろうけれど。
 敢えて言うのが少女の流儀である。
 じい、と彼女の目を見て。

ミリーディア > 「簡易的に結んだ力だからね、其れでも十分なものだ。
確りと繋げれば同程度には届くだろうが、其処まで届かせるのが必要かと云われるとね。

そこ等に巣食う、親の財を食い潰すしか能が無い連中依りも十二分にマシだ。
少なくとも儂はそう思っている。

其れ為らば、次は其れを楽しみにしていよう」

そこ等とは何処なのか、其れを示す様に王城へと指を向ける。
少女の性格だ、若し其の本人達が目の前に居ても同じ事をするだろう。

「ああ、難しく考える必要は無いからな。
感覚的には其の辺りの道具を扱う程度のもので良い」

彼女の頭の中迄見る事は出来ないが、考え方としては正解だ。
如何やら無駄な心配は不要そうだと思える様で。

「異界の住人と云うのは誰もがそんな感じなのだろうか…」

深い溜息を吐き乍、聞き取るには小さく思える呟きを。
意識を彼女へと戻す様に軽く咳払いをして。

「そうだな、君は色々と考えて行動をしてくれている。
その点は評価すべき処では在るさ。
アッシェ君に関しては、問題を起こさない様に常々見ててくれると助かるものだ。
儂からも気を付けろと云っていた様に伝えて貰おうか」

彼女に対しては現状何ら問題は無いと考えて良いだろう。
考えれば考える程に、彼女の苦労人振りが浮かんでしまうものだ。
其れは解ってはいるも、必要な言伝は頼む訳ではあるが。

後の言葉に其の意味は察してくれたらしい。
笑みを零す彼女に再度肩を竦めてみせる。

「だろうね。
云ってしまえば儂としても君達に対する興味は尽きない。
君と同じ意味でも、其れとは別の意味でもね。
だから御互い様なのさ」

当然解っている、細かく説明される迄も無く。
なので返す様に此方も伝えておくのだ。
二重の意味で彼女等に興味が在る事を。
深い意味迄は流石に説明は出来ないが。

リス > 「確かに、必要はありませんわね。

 ……ふふ、そういう方も、大事なお客様、ですから。
 その評価を無くさないよう、頑張りますわ。

 お任せくださいまし。」

 彼女が向けた視線の先を眺め、少女は小さく笑う。
 彼女の言いたいことはすぐに分かったから、で。

「え?あ、判りました。」

 自分の考え方を見透かしたような言葉に、目を丸くしてから少女はそれでもそれで良いんだ、と頷いた。
 すごい人だなぁ、と尊敬の念を浮かべてしまう少女だった。

「異国の……では? あ、でも、そっか。」

 異界のという言葉に、違うのでは、と思ったが、竜神となったアッシェは、一度天界に登ったとの事。
 天界は異界だし、そのことを言ったのだろうか、少女はすぐに納得をしたのだ。

「ええ、判りました。
 アッシェには今一度伝え置いておきますわ。
 あと、何かありましたら相談致しますし、お伝えいただければ計らいますわ。

 軍に同行してくれというのだけは、ご容赦願いますが。」

 少なくとも自分の支配下にある竜には、急便や日常以外での過度な干渉は控えさせている。
 軍に従い、戦闘させる、ということに関しても、である。
 非協力的と、言われてしまいそうだけれど、異種族ゆえの線引きと捉えて居るのだ。
 個人的に友誼を結ぶのは兎も角種族としてはいい事ではないはずだし。
 そもそも、その辺も釘を刺しているのだろうと、少女は弁えている。

「では、今度、デート、いたしませんか?
 デート中であれば……、口調もお望みのそれにできますわ。」

 なんて、軽口を見せるように少女は尋ねる。
 興味があるといっても、乗ってくれるかどうかはまた別だし、乗ってくれたら嬉しいな、程度である。

ミリーディア > 理解が在るのは本当に説明要らずで助かるものだ。
其れならば此の話題は切り上げても良いだろう。
次の土産に期待を浮かべつつも、そう少女は考えた。

「魔法にしても、魔術機械にしても、他種の能力にしても。
どれも同じものだと儂は考えているからね。
君が其れに近い考え方を持っていてくれたのは偶然さ」

偶に魔法の教えを乞われた時の説明も似たような感じだ。
魔法とて扱い方一つで武器にも便利な道具にも為り得るのだから。
知識が必要なのも、技術が必要なのも変わらない。
其れを自慢するつもりも無いのでそう伝えて。

「ああ、そうしてくれ。

軍事に関しては、寧ろ関わらずにいてくれる方がな…
君達の事を考えれば人間か魔族かで傾きは出来ないだろう?
……そう云う事さ」

種族間の線引きも確かに必要と云うのも在る。
だが、争いに竜が参加すれば魔族の国での行動に差し支える。
其れをよく理解しているからだ。
勿論彼女が考える通り、個人的には認めるつもりではあるが。

「其れは其れで楽しめるだろう。
君の問題が解決し、気を張る必要もなくなったら受けよう。
儂依りも、先ず会うべき者も居る事だしね」

此方とて興味は在るのだ、機会が作れる様に為れば可能だと。
尤も、言葉に在る通りにやるべき事をやったらではあるが。

「さて、大体の事はこんなものだろうか?
彼女はさっきも云った通り真祖の吸血鬼だ、昔と比べて力はほぼ失っているがね。
だから活動時間も深夜帯が多い。
君の都合が確認次第に彼女に伝えておこう」

と、話はこんなもので良いだろうか?
そう云った感じに、柔らかな椅子に倒れる様に身を沈ませた。
背凭れは立たせてあるので彼女に向けられた視線は其の侭だが。

リス > 「物を扱う商人ですかラ、自然とそうなっていくのかと思いますわ。
 武器も道具も扱っていれば、結局は使い方、になりますので。」

 つまり、魔法も同じだということがわかった、これはひとつの経験値となる。
 あとは、正しい知識と技術を教えてもらい、それを習う必要があるのだろう。
 まだ、使ったことのないものゆえの恐怖はあるが、それは克服も早く出来よう。

「ええ、私は戦や、軍には関わり合いにはなりませんわ。
 とはいえ、近しいものの危機になれば、話は別になりますが……それでも、良くて娘や、竜を適度にという程度に。

 人とも言えませんし、魔族とも言えませんから、ね。」

 必要以外では、人と魔族の争いには関わらない。
 それでいいと少女は思うのだし、彼女もそれを肯定してくれている。
 ならば、それで行くべきなのであろう。
 というか、上の貴族はきっといい顔はしないだろうし。

「畏まりました。
 では、その際には改めてお誘い申し上げますわ。」

 今は、やるべきことがある。
 娘のために、真祖の吸血鬼とあい、話し合う必要があるのだ。
 でも、先程の懸念を聞いてしまうと、ちょっと悪い虫が浮かんでしまうのだ。
 すごく美人だったら、口説いちゃおうかしら、的な。

「かしこまりましたわ、夜出れそうな時、ミリーディア様にお伝え致しますわ。」

 それでいい、と頷いて見せてから、少女は立ち上がる。
 結構話し込んでしまったことを思い出したからだ。

「それでは、私はそろそろ失礼いたします。
 今宵は、相談に乗っていただき、どうもありがとうございます。
 ごきげんよう、ミリーディア様。」

 ぺこり、とお辞儀をしてから、少女は、彼女のいる部屋を辞する。
 そして、とことこ、と王城の中から出て、自分の家へと、戻っていくのだった――――。

ご案内:「王都マグメール 王城2」からミリーディアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城2」からリスさんが去りました。