2019/03/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2」にミリーディアさんが現れました。
ミリーディア > 王城内に在る大会議室がゆっくりと開く、其処から姿を現わしたのは一人の少女。
何かを思い出したかの様に足を止めれば会議室内に揃う面々へと振り返る。
王城内では名を知らぬ程の立場を持つ者ばかりなのが見て取れるか。

「何度も説明するのは面倒なんでね、詳しくは其の資料に確り目を通してくれ。
此のマグメールに住まう竜に関しては引き続き儂が監視をしておく。
何か問題点が在ったり、何らかの問題が起こったら儂に伝え給え、以上だ」

遅れ馳せ乍、王都に存在する竜との問題や契約の件に関しての情報提示を行ったのだ。
少女はそう伝えた後、さっさと扉を閉めてしまう。

「困った連中だ、次から次へと面倒事を…
当面は此れで少しは静かだろうが、又直ぐに問題が起こりそうだな。
竜は禁止したから吸血鬼か?もう少し考えて欲しいものだが…」

小さく溜息を零し、研究所へ戻ろうと廊下を歩き始めた。
新たな情報も手にしてはいるが、其れを伝えれば又問題と為ろう。
一度脅威を振るってしまった存在達だ、新たに何か在れば更なる情報提示を求められるだろう。
だからこそ、其の件に関しては今回黙っておく事にしておいたのだ。

ミリーディア > 「王都内処か王城内にまで活発な行動をする魔族達。
不老不死の霊薬を求めやって来るシェンヤンの者達。
彼女等だけでない、他の問題も多々起こっているな。
……人間達で対応し切れない問題は儂に回って来るのだ、いい加減にして欲しいね」

誰に云うでもなく愚痴を零し乍、気が付けば庭園へと足を踏み入れていた。
研究所迄には徒歩では結構距離が在るのだ、一休憩には丁度良かろうと。

今日集まって居た者達の中には、いっその事追い出してくれと願う者も居る。
確かに遠くない場所にそんな存在が居るだけでも十分な脅威と為るには間違いない。
彼等の望む様に追い出す事も、反抗するなら打ち倒す事も可能だろう。
然し、そう云った存在でも王都の中での必要とされている部分が在るのも確かなのだ。
無碍に行えば大きな損失を被る事も考えられる。

「……面倒だ…本当に面倒だ」

愚痴を続けつつも庭園に設置されたベンチに腰を下ろす。
背凭れに凭れ掛り、のんびりと夜空を見上げた。

ミリーディア > 「それにしても、だ。
君達も仕事の上だろうが…」

不意に少女は口を開く。
其れと同時に少女の周囲に幾つもの何かが音を立てて倒れた。
其れ等は黒装束に身を包んだ者達、格好から何を生業にしているのかは解るものだろう。
口と動きを封じられているだけか、僅かな身動ぎはするが其れ以上の動きは見せない…否、見せれないのか。
ゆっくりとした動きで少女は彼等へと顔を向ける。

「大変だね、確りとした正しい情報も無い相手の暗殺とは。
儂としては鬱陶しい相手を消す口実が出来るんだ、助かるがね?」

相手から大きな感情の変化は感じられない。
何者で在るかを考えれば当然の事かもしれないか。

其の侭、続けて緩やかな動きで立ち上がる少女。
彼等の前に迄近付けば足を止めて見下ろす。

ミリーディア > 彼等に向ける瞳に薄っすらとした魔法陣が浮かび上がる。

「……成る程、君達の依頼主は分かった、後程始末しておこう。
そして君達も此処で終わりだ。
どうせ仕事の失敗は死に直結しているんだろう?
其れと同時に君達の存在自体も抹消されるんだろう?
だったら、最後の最後は役に立って消え給え」

依頼主として、ある人物の名を彼等に出す。
王位継承権を持つ一人で在る人物の名を。
ほんの僅かに見える感情の変化に少女は小さく笑みを浮かべた。
言葉を続け乍、其の右手を彼等へと翳す。

「痛みは無い、一瞬で終わる」

其の手が一瞬だけ輝きを放ち、直ぐに消える。
輝きと共に黒装束達の姿も消え去っていた。