2019/03/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 休憩室」にナインさんが現れました。
■ナイン > ったく――手間取らせてくれた…
(運良く、他の利用者が居なかったその部屋で。珈琲が淹れられるのを待つ間。
すっかり脱力加減で脚を投げ出し、半ばずり落ちかねない形で、椅子の上にしなだれて。
疲労感が終始抜けない目元を押さえ込んでいた。
深い、深い吐息。嘆息その物めいてもいるが、半分位は、安堵の色も含む物。
――――第七師団、遠征先よりタナール迄帰参。
その一報をつい先程聞かされて。半分停滞しかかっていた此処最近の活動を、漸く再動させる事が出来そうだ…と。
安心を覚えた途端、無自覚だった疲れがのし掛かってくる――往々にして多々有る事だ。
今の少女も、正しくそういう状態なのだろう。)
■ナイン > (第三師団。正確には、その後ろ盾たる大公殿とその一派――彼等によって、国の全てを独占されては堪らないのだ。
思惑を同じくする諸侯を執り成し、彼等から集めた資金だの…それを転じた糧食だの軍備だの。
現状、幾つかの師団へと、既に提供済みだが。
矢張り第三師団周囲の逆を張るのなら、第七師団に勝って貰うのが必要事項。
…―否、潰し合い、駆逐しろ、と迄は言わないから。寧ろ、仮にも国防を担う者達、どちらが潰れても困るから。
互い相手に呑まれる事の無いよう、力で拮抗して貰わなければ困る。
…序でに。大公派に添わない地方の諸侯や、一部の議員貴族――それこそ少女のような――が。
必ずしも、軍側と敵対する訳ではないのだと。嫌われ者の貴族達も、決して一枚岩ではないのだという事を。
例え今は表沙汰に出来ない、裏取引めいているのだとしても。
こうして支援を形にするなら、理解して貰う一助とはなるだろうから。)
…嫌われ者。あぁ、全く。解っているが…無駄に増やす事はないのだし。
(取り分け、第十二師団などには。どうしても…貴族の、悪い方面ばかりを見せてしまっている。
…少女は。願わくば、己は国にとって必要悪たるべし。そう考えている。
嫌わば嫌え、だが、愚劣なだけの手合いと同列扱いは勘弁願いたい。
団長たる彼女とは、何れ直接会いたい物だ。…第十三師団の彼のように。話が通じる相手なら良いのだが。)
■ナイン > (ともあれ。表裏は真逆にして一体だ。
軍人達の戦いが、外へと向けた戦場で行われるのなら。己等貴族が戦う場所は、内へと向かう政の中。
武力。財力。権力。その他。振るう物は異なれど…何れも、力である事には変わりない。
そして、此の国の為たるべしという事も。本来ならば同じ筈。)
何にせよ、やっとこさだ。
早い所資金提供と軍備増強。手筈を整えて、渡りを付けて。
バラバラではどうしようもない。出来得る限り、勢力を半々程度に…拮抗、出来る所に。持っていかないと。
(だからこそ、今の第七師団には。旗印になって貰いたい。
彼女等が魔族にも、諸国にも…何より大公一派にも。決して屈さぬとなったなら。
必然、第三師団再編時の粛清に、すっかり萎縮した者達を、再度立ち上がらせる事が出来る。
――千々に乱れる現状を。大公派と反大公派の拮抗状態に持って行ける。
だから。第七から第十三迄、それぞれの師団に。物を、人を、金を送る。
送ったそれ等が…各師団が求められている第三師団への様々な提供。その肩代わりにされても良いし。
素直に、その侭必要な物資として使って貰っても構わない。
後は。各支援者の代表格として。己の、グリューブルム家の名が売れたなら、現状では充分だ。)
■ナイン > (そうして。既に幾つかの師団へは支援を行った。
今回やっと戻って来た第七師団にも。遅ればせだが、早速届けるとしよう。
物資搬送に必要な手続き。その為には…さて。)
――――これさえ無ければ。本当に、素直に喜べたんだがな、ぁ……
(視線を、テーブルの上へと戻した。
首都を出る、港湾都市から届ける、街道を通る、砦に入る…その他諸々。
何をするにせよ、手続きとして必要な書類達が。ちょっとした山を形作っていた。
此奴等を全滅させる事が、今は、己の成すべき事だ。
…メイドが熱い珈琲を届けてくれたなら、作業を再開するとしよう。
これが。貴族の、己の、戦い方なのだから。)
ご案内:「王都マグメール 王城 休憩室」からナインさんが去りました。