2018/11/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 中庭」にジンライさんが現れました。
ジンライ > 少し木枯らしが吹くが、良く晴れた日。よく手入れされた、背の高い植え込みに囲まれた小さな噴水。その近くに設えられた装飾たっぷりのベンチに、場違いな人相の悪い男がひとり。

「――遅ェ…」

腕組みをし、雪駄を履いた爪先がややいらいらと路を叩いている。

ジンライ > 首尾よく依頼は果たした。が、脱出できないのであれば詰みだ。手引きする奴は遅れているだけなのか、それとも嵌められたのか…

(まァ、前金で貰ってっから良いけどよ…)
煙草を取り出そうと腰の後ろを探って、流石に諦める。
その目の前を季節外れの蝶が飛んでいく…

「…辛ェー………」
思わず眉間を揉む。

ジンライ > 目の前には秋の花々が咲き乱れ、噴水からは上品にさらさらを音を立てながら清水が溢れ出ている。
陽の光をきらきら跳ね返したりなんかして…

「………」
眉間を揉む手を離すと、ダルそうに再度煙草を探って取り出し、マッチを擦って深く吸い付ける。細く煙を吐き出して、天を仰いでその煙の行方を追ってみる。

ジンライ > 最後まで吸いきると、路に押し付けて火を消す。

(前回も、なンとかなったしな…)

大儀そうに立ち上がって、植え込みから延びる路を見遣る。どれが『外』に近いか…
「…まァ、どうにかなンだろ…」
口に出して言いながら、長身痩躯の男はその路の一つへと姿を消す。

煙草の吸い殻は次の日、庭師連中の内部闘争の良いダシに使われたという………

ご案内:「王都マグメール 王城 中庭」からジンライさんが去りました。