2018/09/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2」にイヴリールさんが現れました。
■イヴリール >
「少し、本を返しに行ってきます…」
借りた本を返しに行く
今日の、部屋を出る口実はそんなところ
護衛をつけましょうか、という言葉には首を横に振る
「お城の中ですし、大丈夫ですよ」
胸元に分厚い本を抱えて、回廊へと踏み出してゆく
■イヴリール >
「~♪」
少しだけ浮足立つ
本を貸してくれたのは、年の近いミレーの従者
他にもいろんな本を持っているので、いつでも貸してくれるという
王女が従者の部屋を訪れるだけ、
なんの不都合も、誤解もなくこうやってプライベートの時間を作ることができる
足取り軽く、やがてホールの見える大階段へと
■イヴリール >
見下ろすホールを抜けた先にはまた回廊があり、その先は城門へと繋がっている
なんどか馬車でヤルダバオートへ訪れる際に、そこを抜けた気がする
なんとなく立ち止まって、階段の手摺りに身を預け、ホールを見下ろす
また昼中、王城を訪れる色んな人達の姿が見える
「(外の世界かぁ…)」
ぎゅ、と本を強く抱きかかえた
この本に描かれていたような外の世界とは違うもの
憧憬を抱くだけの、幸せなだけの世界ではない
今一歩の勇気を踏み出せないのは、未知への恐怖──
「…いけないいけない」
ぶんぶん、と頭を振って、目的を果たすために廊下を少しだけ早足に歩き始めた
■イヴリール >
目的の部屋について、小さくドアをノックする
迎えきれてくれるのはきちんとした格好に整ったミレーの少女
迎え入れられ、イヴリールはしばしその姿を部屋の中へとくらませる
───ほんの、一刻も立たずに
「はぁ……」
ドアの外に、溜息をつく少女の姿があった
借りた本のことでもっと色々お話したかったのだけれど
──あまり長居してはいけません
自分もこれから、仕事があります──
ほんの僅かな時間で部屋から出されてしまった
もちろん、彼女の仕事の邪魔をするわけにはいかない
同じ年の頃の友達ができたようで、楽しかったのだけれど
「…かえろう」
部屋へ向けられた歩みとは正反対に足取りは重く、帰路へつく
ご案内:「王都マグメール 王城2」からイヴリールさんが去りました。