2018/09/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2」にレヴィアさんが現れました。
レヴィア > 高級な革張りの手帳、暑さ対策の薄着、髪は伸ばしっぱなしではなくポニーテールに結って、お洒落よりも動きやすさに重点を置いて、ビシっと何時も以上に愛らしく、可愛らしく、完璧な姿で――…現在執筆中の小説の取材である。

場所は王城。
騎士の身分の方や王族と知り合いになれたらラッキー、なれなくてもお城のつくりを調べたり、庶民よりランクの高い調度品や飾られている美術品を見るだけでも刺激になるかな、と思っての夜の散歩である。

決して缶詰になっている屋敷から出版の人間の目を盗んで自由を求めに来たわけではない、違う、絶対にそうじゃない、そうじゃない筈なのである。

貴族のお屋敷よりも自分の小さな屋敷よりもふわっふわの赤い絨毯を動きやすい靴で歩くのは心地良いのだが、王城なのに警備の方々もあまり見かけないし、何かあったのかな?と誰も見ていなくても可愛らしく、かく、と小首を傾げて、時々明かりが漏れている部屋などがあれば覗くようにして散策しているのだが、どうも明かりの漏れている部屋も無い。

執務室、図書室、謁見の間、客室に諸々部屋はあるけれど、流石に謁見の間とか執務室は覗きはしないけど、それ以外は粗方覗いたのにメイドの姿すら……見かけていない。

偶然なのだろう、コレだけ広い王城なのだすれ違わない事だってある筈で、ならそっかーと一人勝手に納得しながら、多少場違いな服装である事を誇らしげに軽く胸を張りながら、堂々と廊下を歩き続ける。

誰かと遭遇すればよし、無くても良し、何缶詰状態では吸血鬼だって好奇心が枯れて精神的に死んでしまうんだ。

「――…それとも何かあったのかしらネ?」

世は事も無し、闇も光も混沌と入り混じる王都なのだけど、若しかしたら?万が一にも?何か今だけ君だけアナタだけ、な出来事でも起きているのかなーとも歩き続ける中で誰も居ないからこそ、いろいろな可能性を妄想したりする。

レヴィア > 「誰かしら居れば……とは思うのだけど、それは贅沢な望みかしらネ……ねー?」

気配に敏感な筈なのに引っかかるものはなし、王城であるが故に「力」を使うことはしない、最低限の礼儀であり、身を守る術でもあるのだけども……ダメだとわかっているけども、とそんな疼きは妄想する事で上書きする、実は王都に危険が迫っていて皆こんな時間なのに出払っているとか……?

妄想=小説のネタである。
本当は実際に何か起きているかを城内にいる人間に問おうかと思ったが、今宵は不幸にも情報源に出会えそうもない。

王城を彷徨って結構な時間が経過したと思うのに誰とも遭遇できなかったので、コレは今日はハズレだって結論付ければ、さて酒場でお酒でも引っ掛けて帰ろうと為るわけで、足先は自然と出口の方に……

ごくり……

喉を鳴らして飲み込んだのは生唾。
帰りにキンキンに冷えたエールを飲もうと思っただけで生唾が止まらない、酔えない体質ではあるが構わん、私はカワイイ給仕さんのいる酒場でお酒を飲むぞー!と気持ちを切り換えて、軽い足取りで王城を去るのであった。

ご案内:「王都マグメール 王城2」からレヴィアさんが去りました。