2018/09/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城内研究所」にミリーディアさんが現れました。
ミリーディア > 此処は王城内の片隅に建つ研究施設に在る室長室。
何時もの様に柔らかな椅子に身を沈め寛ぐ少女が手にした資料へと目を通していた。

「密輸事件か…面白い事件も在ったものだね。
だが、そんなものは儂等には関係無い、そうだろう?
此処の物が持ち出される事は無いのだから、安心して研究を続け給え。
……皆にもそう伝えておいてくれ」

資料をテーブルに放り、目の前に佇む研究員へと目を向ける。
魔導機械に於いて此処は最先端の研究所、そんな話が上がれば心配の一つもするものだろう。
そんな心配を何処吹く風と涼しげな表情でそう伝え、戻る様に手を振って促す。
まだ少しばかり不安そうな様子は見せていた研究員だが、一礼して室長室を退室していった。

「面倒事が此方に回って来なければ良いのだがね…」

少女一人を残し誰も居なくなった室長室。
大きな溜息を一つ零すのであった。

ミリーディア > そもそも此の研究所には魔族の図書館と同じ結界が張られている。
害意を持って情報を持ち出そうと考える侵入者は遠慮無く弾き出されるのだ。
以前に研究所内部に入るにも少女の目を掻い潜らなければならない。
其れこそが一番の難関と為るだろう。

尤も、其の詳細を知る者は誰一人として居ないのだが。

「儂からすれば、其れ以上の問題は…まだ続く此の暑さだな。
いい加減に涼しくなって良い筈なのに、何故まだ暑いんだか」

密輸も結構重大な事件の筈なのだが、少女からすればそんなものであった。
少女にとって自身に対する実害の有無が何よりの問題だ。

「機会が在れば、もう一度は河川や海に遊びに行くのも…遠くて面倒か。
そう云えば、水遊場の建設には関わったが出来上がって一度も行ってなかったな。
お忍びで行ってみるのも良いかもしれん」

のんびりと天井を眺め乍、少女は呟きを洩らした。

ご案内:「王都マグメール 王城内研究所」からミリーディアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 執務室」にネームレスさんが現れました。
ネームレス > 「ええい、シェンヤンどもめ、やってくれるわ!」

精悍な髭の男は忌々しそうに声をあげる。
普段はそうと分からず極秘に活動している第九師団も、今回ばかりはそうも言ってられない。
各協力者を動員し、手当たり次第に魔導機械に関する情報を集め、そしてそれを封鎖していく。

「九頭竜山脈から出る物資は全て検問にかけろ! なに、手が足りないだと? なら各師団から調達しろ! タナールから引き抜いても構わん!」

怒号とも言える声を響かせる名無しの男

ネームレス > そもそもタナール方面も安定しているとは言い難い状況だ。
仮面の魔将による襲撃も散発しているし、第七師団の建て直しも終わっていない。

だが、それとこれとは話が別だ。
魔族の襲撃は王国にとって外傷だが、シェンヤンのこれは王国にとっては内臓疾患を引き起こされているに等しい。

「こちらに協力する意思がある連中は保護しろ、それと出入りの商人、特に導術の知識がある奴からは監視を怠るな!」

特に密輸事件による技術の流出は、他に原因があるとはいえ第九師団の失態である。
タナール方面に気をかけすぎて、情報戦で遅れをとった。それを挽回すべく、この男は陣頭指揮をとっている。

ネームレス > 更には機兵による襲撃の発生。これが続き王国の治安が揺るいだ場合――
最悪、第九師団の責任が追求される。
第七に続いて第九まで解体などという憂き目にあえば、どんな結末が待っている事やら。

「――証拠品は全て、シェンヤンの介入を示している」

分析をすれば、シェンヤンの仕業である事は一目瞭然。
だからこそ、露骨すぎるという意見が出る事も分かる、が。

「だからといって、無視できるものではない」

『露骨すぎる、別の黒幕が居るのではないか』というのは、あくまで推論に過ぎない。
情報を解析し、その積み重ねにより仮説を組み立てる。
証拠も無しに第九師団が動くわけにはいかない。

ネームレス > やがて全ての指示が終わると男は部屋の外へ出る。
やる事というのは、いつまでたっても減らないものだ

ご案内:「王都マグメール 王城 執務室」からネームレスさんが去りました。