2018/06/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城回廊」にマリアージュさんが現れました。
マリアージュ >  
ぱた、ぱた、と。
とても軽い足音がゆったりと回廊に響きます。
流れる風に、裾を軽く揺らしまして、片手を軽く握って胸元に。
もう片手の指は顎にちょこんと当てまして。
きょろ、きょろ、としながら歩きますマリアージュ。
今日はいい天気で少し暑く感じましたので、軽やかな服装ですけれど。
今日も心は騎士モード。

探し物をするために、王城を気軽に散策しております。

マリアージュ >  
足元をきちんと見て歩いた方が、と思うような頼りない足取り。
色々と危険もある王城なのに、警戒心の欠片もないような、
知らない人に付いていってはいけないと注意したほうがいいような隙だらけの雰囲気。

「ありませんかしら・・・」

そんなマリアージュが探す一つ目は、『壺』。
水が出るとよさそうな壺を探しているのです。
幾つか壺を見ましたが、大きすぎたり、重そうだったり、
形がぴんっとこなかったり。
心に触れるようなものがありません。
壺が沢山あるところというと、思いつくのが王城、というところが。
その知る世界の狭さでしょうか。

マリアージュ >  
扉を見つけますと、ぱあっと表情を明るくしまして。
とててっ、と。
大人の男性が歩くよりも遅い速度の小走りですが、
転ばないように、慌てないようにと注意したくなる小走り。

扉の取っ手を両手で、ん~っ!、と引くのですが。
鍵がかかっているようで開きません。
ちょっと唇を尖らして不満そうにしますが、すぐに気を取り直して歩きます。

――別に、鍵がかかっているのではなく、扉が重かっただけです。

そんな風に、気ままに王城にある部屋の扉を開けようとしているのは、
二つ目の探し物。
鶏さんと猫さんをダイナーからの食の手から避難させる場所探し。
王城だとお部屋もたくさんありますので、1部屋ぐらいお借りしてもいいですわね、と。
そんな考えなのです。

マリアージュ >  
開けた部屋の中には、まだ寝ておられる方が居られたり。
扉の前に兵隊さんが立っておられる部屋だと、
なんかお髭を付けた方などが話しあっておられましたり。
兵隊さんが居ない部屋でも、なんか小声で顔を寄せ合って話しておられましたり。
そんなお部屋もありましたけれど。
空いている部屋もありましたが・・・。
先にどなたかが住んでおられる感じや、
日当たりや調度品の感じがインスピレーションに合わない。
大きくて柔らかそうな椅子や、棚、机、箱などがないと居心地よく過ごせないとも思うのです。

「――誰がいいかしら・・・?」

そして探す三つめは、マカロン隊の隊員探し。
隊員を探して入れていいとのことで、人狩りなのです。
厳しい隊ですので、しっかりと選ぶ必要があるのです。

マリアージュ >  
少し歩き疲れましたので、途中にある小さな庭を、
柱を陰に覗き込む様にしまして、小庭チェック。
見たことがあるような、ないような。
以前にも休んだことがある場所かもしれません。
歩く範囲はそれほど広くありませんので。

休むためのベンチに、クッションがあるのをチェック。
小さな噴水もあり、涼し気です。
木々が青々とした葉を茂らせ、ほどよくベンチに木陰を作っております。
後ろの石壁にも蔦が茂り、雰囲気も静かそうなのです。

ちょっと休憩する、雑談するようなスペースとして作られた小庭。
お昼寝マイスターなマリアージュは良さそうだと判断します。
よかった探しをするマイスターの目だと、半分以上が「いい場所」になるのですけれど。

のんびりと小庭に出まして。
ゆっくりと庭をにこにこと楽しみながら、ベンチに。
そのクッションの上に、膝を揃え裾を整えながら。
浅くベンチに姿勢よく座ります。
よく歩いたのでひと休憩なのです。
・・・「よく歩いた」というのも主観の感想で、普通なら「ちょっと歩いただけ」程度なのですけれど。

ご案内:「王都マグメール 王城回廊」にユウヤさんが現れました。
ユウヤ > 平和そうに見える王城の回廊に、軽い足音が響く
外套で身体と顔を隠した小柄な人物が、小さな庭の方向へと歩いている。

辺りを少し見回して、木陰になっているマリアージュが座っているベンチを見つけると、そちらの方へと近づいていく。

マリアージュ >  
軽く目を瞑りまして、風の音に耳を傾けます。
ゆるりと流れる風は、長い銀の髪や服の裾を軽やかに揺らして楽しそうで。
木々の葉がこすれる音が、歌うように聞こえるのです。
少しくすぐったく、柔らかい笑みが口元に浮かびまして。
風に請われるまま、小さくハミングで歌を零します。

「・・・ルー、ルルー、ルー・・・♪」

目を瞑りながら小さく歌いますと、ちちちっ、と。
小鳥が木陰を作る木の枝に止まりだすのです。
そこが、日の光とともに、清浄な柔らかい場所を作っているような雰囲気なのです。

ユウヤ > 死角で気づいていなかったようだ。ベンチに人が居ることに歌声で気づき、歩みを止める。
ベンチから10歩ほど離れたところで、どうしようかといった風に立ち止まって何かを考えている様子

マリアージュ >  
小鳥が、近づく人がいるよ、と。
枝から飛び立ち、肩に乗りますと。
その銀糸のような髪をついばみながら伝えてくるのです。
片手をあげますと、その手に乗ります小鳥。
ゆっくりと瞼を開けますと、長い睫毛の下に澄んだ菫色の瞳を覗かせるのです。
ゆっくりと、きょろ、きょろとしますと、ユウヤ様を見つけまして。
ふわりと柔らかい笑顔を浮かべましてから。

「こんにちはですわ・・・」

軽く首を傾げさせるようにしてお声をかけるのでした。

ユウヤ > 相手が瞼を開けた瞬間、思わず半歩後ろに下がる。
あまり人に会う気は無かったようで、このまま立ち去ろうかと考えていて、
しかし相手が声を掛けてきたので、諦めるように一つため息をついて

「…こんにちは」

少しだけ高めの声で、そう返事をする。

マリアージュ >  
手を軽く上下させますと、小鳥がまた肩の上に乗り換えます。
手が空きましたので、両腕で座ったまま、ん~っ、と伸び。
薄地の服はまだ小ぶりな胸が動くのを薄く見せるのです。

「――あなたもご休憩ですの?
 ここ、凄く気持ちがよろしいのよ?」

と伸びをした後は無邪気に、ほっそりとした二の腕をみせながら、
ベンチのクッションをぺんぺん、と叩くのです。

ユウヤ >  
警戒する様子もなく、むしろ無防備ともいえる相手の様子をみて、思わず困惑した表情を浮かべる。…フードで相手には見えないだろうが。
辺りを見回し、特に他に誰もいないことを確かめると、ゆっくりとした動作で、両手で自分のフードを外し、自分の顔を見せる。
黒髪で黒い瞳の少年。王城では確実に見たことのない顔の人物は、ゆっくりとベンチへと歩いていき、

「…どうも」

小さな声でそう言って、彼女が叩いたベンチに少し浅めに腰掛ける。

マリアージュ >  
好奇心一杯に菫色の瞳を輝かせるようにしまして、見上げます。
華奢で小柄な身体は、市井の労働など無縁のように頼りないですけれど。
ぽんぽん、ぽんぽんっ、とクッションを軽く叩いて誘うのです。

「・・・?」

周囲を見渡す様子に少し首を傾げさせますが、
お隣にお座りになられますと、ベンチに手を付けまして、
少し見上げるようにして身体を寄せるのです。

「わたくし、マリア・・・ケイン・コンラートと申しますのっ」

小鳥の様な軽やかな鈴音の声で自己紹介。
今は騎士モードだと思い、男性名で自分を紹介しまして。
そして首を少し傾げさせ上目遣い気味で、あなたのお名前は?、
と問うような視線を向けるのでした。

ユウヤ >  
身体を寄せられ、思わず身を引く。
貴族らしき少女が名を名乗り、上目遣いで見つめられれば、こちらが名乗らないということはあり得ない。
目は合わせず、少し俯き気味に顔を伏せる。

「…ユウヤ。旅人。」

素っ気なく自己紹介。
相手の名前が男性名であるという違和感にも気づかず。
ただ静かに隣で座っている。

マリアージュ >  
ふわりと少し漂うのは、花の蜜とミルクを混ぜたような香り。
目を合わせられませんと、ますます身体を近付け。
目を合わせようとしますので、長い髪が垂れまして、ユウヤ様の太ももにさらりと触れるのです。

「ユウヤ様ですの・・・」

と、肩に止まったままの小鳥がちちちっ、と銀の髪をついばみながら、
マリアージュの耳元で鳴きますと。
マリアージュはこくり、と小さく頷きます。

「旅人さん・・・旅人さんはマカロン隊に入ったりいただけませんですかしら?」

瞬きをしながら、心地の良い小鳥のような声で、そんなことを言いだすのでした。

ユウヤ >  
マリアージュから漂う甘い香り、
さらに近づけられる身体、
自分が離れようとすると近づいてくるということを理解したようで、一つため息をついて目をマリアージュの方へと向ける。

「…マカロン隊?」

そして、彼女の聞きなれない単語に、首をかしげる。

マリアージュ >  
目を向けられますと、にこにこと無邪気な笑顔。
春の暖かさの様な優しい目で、身体を起こします。
ベンチに腕をついたままで、身体を寄せたままですけれど。

「はい。マカロン隊ですの。
 わたくしがたいちょーさんですのよ?」

はずむような声で、嬉しそうに、そしてちょっとはにかみながら言うのでした。

ユウヤ >  
「…近い」

自分より明らかに上の身分であると理解したうえで、どうしても耐えられなかったようで素直にそう言う。
そして、彼女の説明を聞き、少し考えた後に、口を開く。

「…親衛隊?それとも騎士団か何か?」

マリアージュ >  
「あ、申し訳ございませんの・・・」

と、ベンチに付いた手を、華奢な手1個分だけ後ろに。
ほんのちょっとだけ顔を離しますが、
澄んだ瞳はまだまっすぐにユウヤ様の目を見ているのです。

「マカロン隊は騎士団ですわ?
 ダイナーから鶏さんと猫さんを守ります隊ですの」

ふんす、と真面目に、ちょっと頬を膨らませながら伝えるのですけれど。
どう見ても剣や鎧など無縁に思える華奢な身体付き。
おままごとの騎士団遊び、程度にしか聞こえないかもしれません。

ユウヤ > 少しだけ後ろに下がったのを見て、心の中で胸をなでおろす。
マリアージュの目をたまに見ようとするが、慣れていない様子で、すぐに視線をずらす、といったことを続けている。

「騎士団…?ダイナーとかはよくわからないけど…僕は入ることはできない。
 戦えないわけじゃないけど、僕はどこかに身を置くつもりはないから」

相手が真面目だろうとお遊びだろうと、どちらにしても自分は関われないこと。
自分なりに丁寧な言葉遣いで、申し出を断る。

マリアージュ >  
距離感が近い、無邪気な人懐っこい雰囲気。
視線を反らされますと、無意識に目を見ようと顔を近付けるのです。
目が合うと少し離れてくれるのですけれど。

「戦うのですの?
 守るためのよーさいを作るのをお手伝いして頂きたいのですけれど・・・」

たいちょーさん、しょんぼりとするのです。
それだけで目が少し潤んでしまうのですけれど。
顔を少し伏せさせましてから。
「だめ?」と尋ねますように上目遣いでユウヤ様を見るのでした。

ユウヤ >  
感覚的な距離感は遠い、冷たい雰囲気。
恥ずかしがり屋とも取れるだろう。単に人に慣れてないだけなのだが。

「要塞を…作る?
…報酬はいくらぐらい出るの?報酬が出るなら手伝いぐらいはするよ」

自分は旅人、どこに所属する気も、加担する気もないが、お金は必要だ。
貴族らしき少女ならば、それなりに報酬も期待できるかと思いながら尋ねる。

マリアージュ >  
しょぼんと上目遣いですけれど。
お手伝いぐらい、と言われますと。
すぐに花が咲くような笑顔に変わり顔をあげ、
少し伸び上るように顔を近付けます。

「そうですの、よーさいを作りますの!。
 報酬・・・?」

と首を傾げさせるのですけれど。
ちちちっと、また小鳥がマリアージュの耳元で鳴くのです。

「報酬、お手伝いのお礼の事ですのね!
 それでしたら、キャベツとかお野菜沢山ございますの!。
 あとあと、動物さんをもふもふすることもできますわ!。
 ・・・え? そういうのと違いますの?」

と、髪をついばみ引っ張る小鳥の方に顔を向けるのです。
なんか、鳥に尋ねているような仕草なのです。

ユウヤ >  
世間知らずなのだろうか?
報酬で的外れなことを口にしたのを聞いて、期待するのは間違いだっただろうかと、自分の判断に早くも後悔している。
そして、先ほどから相手の耳元で囁いている小鳥が気になるのか、ちらりとそちらに視線を一瞬だけ向ける。

「…僕が望む報酬はお金。通貨。ゴルド。
 要塞の規模は知らないけど…相応の金額の報酬なら一時的に手伝ってもいい」

マリアージュ >  
小鳥が鳴くのに、うんうん、と頷くマリアージュ。
頃値はユウヤ様の視線を気付きますと、ちちっ、と。
煌びやかな青と白の翼を少し広げまして、挨拶するように視線を向けるのです。

「――お金は持っておりませんけれど・・・。
 光物のがよろしいのでしたら、
 これで、どうですかしら・・・?」

ベンチに付いていた両手を持ち上げますと、小鳥がのる方とは逆側の、
耳に付けた青い宝石の付いたイヤリング。
それを両手で外しますと、両手の上にイヤリングを乗せまして、
はい、と差し出しながら首を傾げさせます。
不純物の入っていない、深い深い池の水を固めたような澄んだ青い宝石を、
銀の飾りでイヤリングにしたものです。
小鳥が、もう片方のイヤリングを嘴でつんつん、と突いているのでした。
鳥だけに、光物が気になるようです。

ユウヤ >  
見るからに貴族の少女、お金を持っていないという返事は想定していなかった。
少し驚いたような表情をして、差し出されたイヤリングを見る。
受け取りはせずにいくらぐらいの価値があるかと頭の中で数字を巡らせる。

「…先に訊きたいんだけど、他にマカロン隊のメンバーって居るの?
 あと、要塞の規模はどのくらいのものなの?」

まさか野菜と動物で労働力は釣れないだろう。そう考えて、若干嫌な予感もしつつ、質問をしてみる。

マリアージュ >  
両手ではい、と差し出しながら。
聞かれました質問に、首を少し傾げさせましてから。
ちょっと上を見上げまして。
満面の笑顔で、質問にお答えするのです。

「はい。鶏さんが32羽、馬さんが7頭、犬さんが8匹、猫さんが16匹。
山羊さんが15頭に、ウサギさんが・・・20羽ぐらいでしたかしら?
リスさんが4家族ですの。
あと、お猿さんとか大きな狼さんとか蛇さんもおられますのよ?。
あっ、小鳥さんとか鴉さん、鷲さんとかもおられて賑やかですのよ?」

と、隊員の紹介をするのです。
ねーっ、と肩の小鳥に確認をするのです。

「よーさいは、えと、敷地の裏庭一杯ですわ!。
 垣根作りとか、わたくしも頑張りましたの!。
 ここの小庭よりももっと大きいのですのよ?」

えっへん、とどこか自慢げな様子です。

「わたくし、たいちょーさんですから。
 隊員さんを集めていいって、師団長さんから言われましたのよ?」

首をこてり、とさせながら。
どうですかしら?と、期待するきらきらするお目めを向けるのでした。

ユウヤ >  
「……………いや、人間は居ないの?それともその動物たちは要塞づくりの手伝いはできるのかな?」

動物園の飼育動物を聞いた覚えはないのだが、と思いつつ、嫌な予感は当たり。
まともな人間ならこんな世間知らずのお嬢様の戯言にしか聞こえないことに協力などしないだろうと思い、
しかし、先ほど差し出してきた宝石のイヤリングを見て、それが貰えるなら、とも考える。

この庭よりも大きな要塞と聞いて、果たして自分が働いて何日で完成するか、なども考えている。

「…師団長さんはどちら様なのかな?」

期待する目を向けられても、情報不足では適切な判断はできない。
少しだけやる気が出たのか、できるだけ目を合わせて質問を重ねる。

マリアージュ >  
「え?
 わたくしが居りますわ?
 動物さんたち、今日もよーさいを作っておられますの。
 わたくしもお手伝いしようとしましたら、たいちょーさんのお仕事を先にと
 そう言われましたので、壺やお部屋を探したり、隊員さんを捕まえるお仕事をしてますの」

うんうん、と頷きますけど。
実は動物たちからは、お庭造りの戦力外通知でしかないのでした。
手伝ってくださる、と思えば。
目尻をうっすらと桜色にしまして、嬉しそうな笑顔です。

「ジューサンのヴェルム様ですわっ!。
 ユウヤ様、旅人さん、わたくしのマカロン隊にようこそですのっ!」

明るい声で顔を近付けます。
鼻があたりそうな距離の近さなのです。

ユウヤ >  
「待って!まだ受けてない!!」

歓迎の言葉を至近距離で受けるが、慌てて立ち上がってそう述べる。

師団長はどうやら人間のようだ…と、そこで一つ見落としに気づいた様子。

「…マカロン隊の隊長がケイン…さんで、師団長が別に居るってことは、マカロン隊はその師団の一部…だよね?
 その師団の名前を教えてくれないかな?」

彼女の名前を口に出して初めて名前に違和感に気づいたものの、今更追及するのも面倒と感じた様子。
そのまま訂正せずにさらに質問を続ける。

マリアージュ >  
受けていない、と言われますと。
きょとん、とした表情を見せましてから。
とたんに、涙が目じりに浮かびまして、揺れる菫色の瞳をみせるのです。

「隊員さんになってくださいませんの・・・?
 えと、王国軍第十三師団、でしたかしら?。
 でも『ジューサン』と言った方が騎士らしいでしょう?」

ちょっと泣きそうな声なのですけれど。
師団のお名前、ちょっと思い出しながら、師団のお名前をお伝えするのです。
両手の平の上に小鳥がぴょこっと乗り。
イヤリングを嘴で咥えますと、その手の平に載ったまま、
ユウヤ様を見上げるのでした。

ユウヤ >  
…王国軍第十三師団。経緯は知らないが、傭兵や冒険者も引き入れていると街の噂で聞いた覚えがある。
そこのマカロン隊…となると、恐らく本当に彼女のお遊び、もしくはままごとなのかもしれない。
…が、一時的な所属で、尚且つ報酬は師団長本人と交渉すればいい。
何よりこの勧誘でまともな人が来るとは思えない、必然的に人員は自分だけになる。
もしかしたら、まともな報酬も期待できるかもしれない。

―なんてことを、涙目で見つめられながら考えていた。

「…分かった。要塞ができるまでで良いなら、隊員になってもいい。
 でも、できれば師団長さんともお話がしたいかな…?」

どうせ次の行き先も決まってないのだ。
だったらこういうのも別に構わないだろうと、考えた。

マリアージュ >  
だめ?
隊員さんになってくださいましですの。

と、揺れる濡れた瞳はそう伝えるようなのです。
ちょこんとベンチに座り、立ち上がったユウヤ様を、
その小さな頭を傾けさせ見上げるのです。
でも、その続いた言葉に、ぱぁあっ!、と瞬く間に輝くような、
暖かい満面の笑顔になります。

「はいっ!。
 旅人隊員さん、よろしくお願いしますの!。
 ヴェルヌ様とお話もたくさんできますわ。
 ケーキとココアでいいですかしら!」

と、さっそくお茶会の準備とばかりの言葉なのです。
ぱたぱた、と。
手のひらから飛だった小鳥がユウヤ様の肩に。
咥えたイヤリングがユウヤ様の耳元でちりりん、となるのです。

その様子に、口元を隠しながらコロロと小さく笑いまして。

「まあっ!。もうセンパイさんなのですわね?」

と、小鳥に笑いかけるのでした。

ユウヤ >  
「…いや、今はまだ受け取らない」

そう言って、耳元に来た小鳥を、手で制す。
まだ自分は何もしていないし、報酬を決めるのは師団長と話し合ってからでも遅くないだろう。

「報酬は、全部終わってから。
 今は何もしてないから、受け取れないよ。

 …うん、なんだかお茶会みたいだけど…。師団長さんにお願いできるかな?隊長さん。
 僕はいつでも大丈夫だから。
 …あと、これ、今僕が居るところ」


そう言って、今自分が泊っている宿の場所と、部屋番号の書かれた紙を差し出す。
ここに来てもらうなり、手紙を送ってもらうなりすれば、とりあえずは大丈夫だろう。

「…先輩?」

そして、先輩が何のことか分からずに、首を捻っている。

マリアージュ >  
小鳥の広げた翼が、ユウヤ様の頭をぽすぽすとするのです。
でも制されますと、ぱたぱたっとマリアージュの肩に戻るのです。

「そうですの?
 それでしたら、頑張ってくださいましたら。
 もっときらきらと光物をご用意いたしますわ?」

と、もう隊員さん決定、とばかりに笑顔なのです。

「はい、ヴェルム様にも、隊員さん捕まえたって、
 ご報告いたしますわ!」

と、宿の場所と部屋番号の紙を受け取りますと。
首を傾げさせましてから、胸の間にその紙を収めておくのです。
ゆっくりと立ち上がりますと、さっそく、とばかりに師団長さんにご紹介、と。
おっとりとした足取りですが、本人は急いでいるつもり。

振り返りかけますと転びかけるのですけれど。

「はい。オーキュペテ様・・・あ、小鳥さんが。
 ユウヤ様に『色々と教えてあげます』って。
 頑張ってくださいましですの」

と微笑みながら、そんなことを伝えるのでした。

ユウヤ >  
…本当は、王城の騎士の落とし物らしきものを届けに来た帰りはずだったのに、とんでもないことになったものだ。
そう思いながら、一つため息をつくと、外套のフードを被りなおす。

「…なるほど、よろしくお願いします、先輩」

そう、小鳥に言う。
外套に隠れて見えないが、表情は少し笑っていた。

そして、案内するという彼女についていく。

ご案内:「王都マグメール 王城回廊」からユウヤさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城回廊」からマリアージュさんが去りました。