2018/06/20 のログ
ヴェルム > 「僕もさっき言ったとおり出身が違うし、王国の宗教観ってのがあんまりよくわかってないからね、そうとやかく言えないかな。
三人か…多いのか少ないのか微妙なとこだね…」

王国で暮らすようになってもあまり暮らしぶりはかわらなかった。
あんまり宗教宗教言う人がいないというのもあるかもしれない。
ただまぁ、デリケートな問題だからというのもあるか。
こういった話は誰に聞かれてるかわかったものではないため、この辺りで切り上げておこう。
彼女曰く、これと似たようなやり取りはすでに二回あったらしいが、多いのか少ないのかなんともいえない感じだ。
多種族の共存と言えば聞こえはいいが、やはり青臭い。
共存という考え方の正解は一つではない、それがどうなるかはそう遠くない未来にわかるだろうか。

「香油か、なんか洒落てるかなと思ってそういうのは手元に置いてないけど、疲労に効果があるならやってみようかな」

心臓を魔導機械と挿げ替えたのだ、不具合がありましたじゃ今頃とっくにくたばっている。
幸いにもとある魔術の専門家からお墨付きもいただいていることで、安心して活動できるというもの。
香油、つまりアロマオイルを使ってみると良いとのこと。
いい香りがするくらいしにしか思っていなかったが、それ以外にも効果があるなら興味も沸いてくる。

彼女に魔力を供給され、少しずつ元気が戻ってくればそんあ余裕のある考えも浮かんでこよう。
そんな中、ふと彼女の表情を眺めてみると何故か頬が赤い。
他のことを考えていたからかそういう考えに頭が至らず、きょとんとした真っ直ぐな視線を彼女に向けてしまったかも。
彼女の内心が修羅場だなんて、夢にも思っていない様子。

「発散…ああ、ストレスの…ってそっちか。
…なるほど、あー…なるほど…そういうのも見えるのか。
まぁ、そういうのは後ですっきりさせてもらうよ。
と、そんなことより、治癒のお礼に一杯どうかな?」

彼女のセリフを聞いて、ようやっと彼女の見えているものが理解できた。
というかそういうものまで見えるのかと…どんな感じで見えたのか非常に興味深いところではあるが、それじゃあこっちがセクハラになってしまう。
こちらを見上げてくる彼女は、恥ずかしがりながらも癒師としてのしっかりとした言葉らしい。
それならばこちらとしても、いただいたものはきちんと返さねばなるまい。
性の話は別にして、お礼にお酒でもどうかと誘ってみた。

紅月 > 「あぁ、そっか…ええと、私がこの国に来たのはまだ今年の、数ヵ月前の話なんですよ。
さっきの妖精さんの…あの感じで、遺跡のド真ん中に放られまして。
そこからは手作り魔道具を売り捌いて元手を作ったり、ですかねー?」

測る期間が変われば、他者との接点的な問題から比率も変わる訳で。
彼は故郷の話をしてくれたし、私も来歴くらい明かそうか。
とは言え…出会いが出会いでなければ、頭の中身を疑われそうな話だ。

「ふふっ、是非に!
肩の力の抜け具合とか、眠りの質だとか…簡単な事で存外変わりますからね。
これから暑くなりますし…ペパーミントとシトロネラ、ゼラニウムなんかで涼しげな蚊除けも出来ますよ」

人間も動物の一種、であれば嗅覚は大切な五根の一つ。
また、人間ほど発達した脳を持っていれば暗示や呪術にも香りは良く効く…とはさすがに物騒な話にもなりそうだから言わないが。
結果的に疲労を軽減しやすくなるのだから大差ない、はず。

それにしても気まずい、私の脳内が一番気まずい。
今一番に自己暗示が必要なのは間違いなく自分自身である。

「う、うぅ…ハイ……見えちゃってます、うん。
……うん? …っわああ素敵!
是非御一緒させて頂きますっ!」

そりゃあもう、氣が強ければ強い程に力強く光って見えるのだから、つまりは…いや、何がとは言わないが、何がとは。
そう心で呟いた後、パチンと手を叩きキラキラ輝いた目を向ける。
お菓子を貰った子供よろしくキラキラと。

ヴェルム > 「この国に来たのもそんな感じなんだ…。
遺跡の中っていうと、結構物騒なんじゃないかな…コウゲツは結構戦えるタイプ?
魔道具を作れるってのも、なかなかすごいスキルなんじゃないかな」

目の前で妖精によって人が落とされるのを見ているので、彼女が王国へ連れてこられたと説明されても、なんか哀れむように笑っていた。
ただ王国領内にはいくつか遺跡が存在し、モンスターひしめく危険な遺跡も数多い。
そんな場所に放り出されて生還し、尚且つ手製の魔道具をこしらえる技量を持つのであれば、彼女は癒師以上に能力の高い人物なのではないかと。

「あんまり気にしてないなぁそういうの。
でも蚊除けってのは今の時期よさそうだね、ちょっと師団の畑で栽培してみようかな」

無意識にやっていることを変えようとするのはなかなか難しい、筋肉や眠りのことなら尚更だ。
まぁでもいろいろ試してみようかな。
彼女が述べた植物はどれも爽やかな香りを漂わせるもの。
そういうのを置いてもいいが、せっかくなら師団の宿舎用にもたくさん用意する必要がありそうだ。

「あはは…気にしないでね、別に煩悩の塊なつもりはないから。
そんなに喜んで貰えるならこっちも嬉しいね。
高い店じゃあないけど、いろいろ美味しいお酒が飲めるとこ知ってるから、そこに行ってみようか」

そう言えば最近、ミレーのテロとか試作兵器とかで忙しくしていたために、発散する機会がなかったなと。
あとで娼館にでも行ってみるかくらいに考えていた。
それとは別に、彼女をお酒に誘ってみるとまるで子供のように目を輝かせての承諾。
お酒が相当好きなんだろうなぁと、微笑ましい気持ちになりつつ、二人は王城を抜けて下町へ繰り出していくだろう。

ご案内:「王都マグメール 王城2」からヴェルムさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城2」から紅月さんが去りました。