2018/04/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2」にヴェルムさんが現れました。
■ヴェルム > 「はぁ~…」
大きなため息をついて、王城内にある回廊の石造りのベンチに腰掛けている一人の男。
どこにでもいそうな顔をした印象の薄い男が着ているのは師団長の制服でこそあるが、なんとも威厳の無い様相。
ましてや通りがかる兵士や女中からは敬意のある目で見られるどころか、ひそひそとされてしまう有様である。
まぁそれが十三師団であることの宿命でもあるのだが。
彼が何故ここにいるのかと言うと、いわゆる春の人事のために呼び出されたのだ。
ベンチに座る彼の手には数枚の書類。そこには十三師団へ編入、移籍する者たちの名前が記されていた。
左遷先として名高い十三師団に配属されるのだから、よっぽどの落ちこぼれか、とんでもない曲者ぞろいなのだろう。
今更慣れっこであるが、そういった連中をこれから指導していくと思うとため息が出てしまうのもしょうがない。
「まぁ、なんとかなるか…」
ぽつりとそんな適当なことを呟いては、またため息を漏らしてちらりと書類を眺め、配属する者たちの来歴をチェックしていく。
こういうのはそれこそ自身の執務室で行うものであるが、そんなもの十三師団には無い。
城内に居場所が無いことも慣れっこであった…。