2018/01/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2」にアナトリアさんが現れました。
■アナトリア > 小さな声が反響して暫くしてから。
かつん、かつん、かつん、と石畳を踏みしめる音が響き。
やがて暗がりから姿を現したのは、ヤギの角を頭から生やした銀髪の少女で。
「…………」
何かを発見した。何か。それとは。
あなたである。
■サナ > 借金か、脱出か、究極の二択の状態に心の天秤が乱気流のように上下する、中。
初めて聞こえた足音にぱっと顔を上げる。
とにかくほっとして足音の持ち主が現れるのを待つ。
視線が合った。
我に返りました。
「……………」
迷子、不審者、牢屋の中手錠に繋がれてる、うっかりと。
どう、説明するか、思わず目許近くまで被ったフードの下で苦悶する。
「………か、
………火事じゃありません。助けて下さい……」
本当に小さな、聞き取れるか如何かと言う声で。白状した。
■アナトリア > 「……いや、火事ってなんスか……」
白状した声に対して思わず返した突っ込み。
別に火事だーに反応したわけではない。だって声小さいもの。仕方ないね。
「…………ぁーえーと……」
困った。困った少女は考えた。
がしがし、と短い銀色を片手でかきむしり。
「……見なかった事に」
くるり、と踵を返そうとした。
■サナ > 「……………!?」
声に反応してやって来た、のではなく。通りすがりだったらしい。
助けを呼んでも来てくれそうにないから火事って叫びました、って、その説明自体が酷い。
ふわふわ揺れてる銀糸の髪に少し視線を奪われる。
己の他余り見ないものだった、から。
「…………ま、」
待って、と。叫ぶより先に、左手が動いていた。
少女の左足の辺、ちょろりと水が波打って幻のように消える。
足止め、実力行使
「鍵、持っていない?………手枷の、鍵。」
■アナトリア > 「……っ!?」
思わずぎょ、と左足を止めて。
その後、数瞬、はぁ、とため息をついて。
「……カギはないッス。つっても」
向き直り、近づいては視線を合わせて。
「それなりの技術はあるつもりッスから助けられはするッスけど」
じー、と紫紺の瞳がジト目気味に返しつつ。
「……報酬は?」
がめつかった。
■サナ > 足止め成功にほっと唇を緩める。
「技術…?……枷を壊さないで出来るなら、お願い、」
ジト目に弱るように視線が泳ぐ。
布の下から、青灰の双眸が見上げ、ては、視線が泳ぎそうになるのを我慢。
「………えっ」
報酬、報酬、報酬…。
考え込むほどの選択肢がある訳でも無く。いわくつきに分類しつつある依頼品は一応除外し、
「ろ、労働力……? 御守り位の、輝石が幾つか。お金は余り…持っていない」
■アナトリア > 「……まぁ、ただの手枷ッスから余裕ッスけど。」
ふぅ、とため息をつけば歩み寄り。
手枷を検分しつつ、なんでこんなもんに引っかかってるんスか、とか呟きつつ。
「……」
一瞬答えを戸惑ったのに、取り出していた道具を出すのを止め。
「…………アナトリアッス。お嬢さんのお名前と顔を見せて欲しいッスね」
ごそごそ、とベルトポーチを漁り続けながら。
■サナ > 「鍵もなく、壊さずに出来るって、すごいと思う。
…………頼まれごとをして迷い込んで、出口を探していたら、牢屋の中に日差しが見えたから、入って行って、触っちゃった」
一部始終。
改めて状況を話すと、火事のこと抜いても酷い。
名乗り、と。その直前の僅かな沈黙に、瞬きを数度。
「…あ、ごめんなさい。サナ、です。……顔、も、失礼だったね、」
自由な方の手がフードの端に触れる。
するりと後ろに引いて脱ぎ落とす。
目の前の少女の色によく似た、其れよりも鈍色の銀糸の髪が拡がる。
青灰の双眸は、探られているポーチの方へ視線が落ち。
「………その中にあるもので解くの、」
■アナトリア > 「バカッスか」
一部始終を聞いた感想。酷かった。
そして取り出したるは何か変な形をした不定形のモノ。
「……ま、色々あるんスよ女の子には」
鍵穴に押し当てるとぎちぎちぎちぎち、と言う音がして、ガキン、と言う音と共に手枷が外れ。
「…………」
じー、と見やれば、上から下を眺めて、うん。と頷き。
何の意味する態度なのかと思いきや。
「報酬決めたッス」
■サナ > 「酷いよ!?」
否定したいけど否定出来なかったから感情面で訴えた。
ドライバーのようなものを想定してみていたら、出て来た謎の物体に動きが止まった。
「女の子関係あるのかな……?…わ」
音がスゴイ。枷壊れそう。謎の物体は何をしてるんだろう。一寸びくびくしながら眺めていたら、
綺麗に手枷が外れる。支えを失った腕がかくんと力入らずに落ちて。膝の上。
ほっとして貌を上げると、相手と視線がすれ違って行った。
「有難う、アナトリア。……うん?うん、何にした?」
■アナトリア > 「いや、どうしてこんなところに迷い込めるんスか、こんなところにいる私が言うのもなんなんッスけど」
謎の物質はその後、でろん、と溶けてしまい。
それをつまめばぷらーんぷらーん、と数度揺らして、ため息をつき。
ポーチにしまいなおしながら。
「女の子はひみつがいっぱいあるんスよ。で、大丈夫ッスか。見せてみるッスよ」
膝の上に落ちた手の手首を掴もうと手を伸ばして。
「うん、決めたッスよ」
■サナ > 「依頼されたの、届け物をして欲しい、と。……どうして貴方はここにいたの」
火事で飛んできた訳でもなく。
溶けてしまった物体は、使い切りなのか。
「大丈夫、なの。貴重な物だったり、一回しか使えなかったりするの。その…… へんなの」
解放して貰ったのに、言葉を探した割に表現が。
「それは、分かるけれど。……うん、変に暴れたりしていないから、大丈夫…」
応える途中、手首を容易に持っていかれる。周辺を囲むように朱い痕があるが、痣にはなっていない様子。
答えでなく繰り返す様子に首を傾げる。
「……アナトリア?」
■アナトリア > 「そりゃあ言えないッス。依頼ッスから」
人差し指を口元にやり、しぃ、とジェスチャーをしてから。
「使い捨てッス。まぁ割と高いものッス。つまり相応のものを報酬としてもらうッス」
変なの。否定しない。だって実際変だもの。
赤い痕があるだけ程度ならいいか、と手を握れば。
「報酬はサナをもらうッス」
なんか言った。
■サナ > 「………気になる。知りたい」
好奇心、だ。
「えええ、高いってどれくらい……?」
一寸怯んだ。罰金が怖いという理由で甘んじて枷に捕まったままでいた位だったから。
握られた手を見下ろす。少し痺れたようになっている膝を床に立て、
「………―――、……んっ?」
反芻。
「…………え? …どういうこと、 どんな意味で、」
■アナトリア > 「依頼には守秘義務って言うものがあるんスよ。
サナだってここにいる理由は言えても何届けてるかは言えないッスよね?」
内緒だ、と好奇心を一蹴しつつ。
手を握りこんで見つめあったまま。
「高級宿一週間分ぐらい」
具体的な数値を出しながらじー、と見つめ続けて。
「え? そりゃあもうあれッスよ。私女の子大好きなんで。
ベッドイン的な意味で。」
酷い報酬要求もあったものである。
■サナ > 「…うん、言えない。秘密があると覗きたくなるのが人間というもので」
其処までの深追いはしないが、猫をも殺す好奇心と言うモノについては言ってみる。
目を丸く見開いて、ぴしっと固まった。
「えっ………………………。」
ポーチの方を思わず勢いよく見遣る。一週間、それだけで気が遠くなりそうな。
注がれる視線に弱いのか、一寸横に逸れる。その後、
じい、と注ぐのは、彼女の胸元、だった。
ぺたり、と。空いた手が其処に触れようと、
「女の子だ?……―――………うん、そ、それで良い…なら。…どうやってするの?」
真顔だった、
■アナトリア > 「なので教えないッス」
猫をも殺す好奇心は猫を殺さずに今回はおいておく。
ぴしっと固まった様を見れば満足そうに頷き。
「高いッス」
そんなものを惜しみもなく使ったこいつ。
何故ですか。そこで困っていたから。それ以上の理由はなかった。
そして、ぺたり、と触れられる胸。そこは豊満であった。レボリューションであった。
「女の子ッスけど生えてもいるんスよね。
つまり、性的にサナをむしゃむしゃしてしまいたいッス。」
性的にむしゃむしゃしてしまいたい。
欲望の発露が直球ストレートであった。
■サナ > 「そこをなんとか」
置かれた猫は立ち向かうのだった。
「へんなの高いよ…!?」
本当に高かったから繰り返してしまった。
触れた胸は豊満だった。多分自分よりどう見積もってもだいぶ。
難しい顔をしてふにふにしていた。
「生え!?………食べてみて、にがーい、ってなっても、知らないよ?」
対照的に遠回しだった。
「それでよければ…。でも、今日は少し眠い、かも。明日や、どこか予定が合う日は、」
■アナトリア > 「ほら、猫は子を千尋の谷に突き落とすと言うッスから」
それは獅子でありネコ科ではあるが別物。
立ち向かう猫は置かれ続けるのが定め。
「便利だから高いんスかねぇ……」
自分でもなんであんなに高いのかは分からない。
豊満なそれを揉まれながら首をかしげる。
「大丈夫ッス。サナさん可愛いッスから美味しいッス。
おっけーおっけー。」
一度くらいついたら離さない。すっぽんか。
頷いて銀髪を揺らして笑い。
「じゃあさっさとここを出るッスかねー。明日あたりどうッスか?
って言うか割と軽く体差し出すッスね?」
■サナ > 「それは這い上がって立派になるのよって言う愛情で…」
置かれ置き換えられ。当初の話を見失ってきた。
「…他にはどんな風に便利なの?」
暫く揉んでいたが貌を上げる。自然に揉まれながら話をしている相手を見遣る。
自分も自然に―――比較対象的に考え事をしながら―――揉んでいたが。
「揉まれてて良いの?」
聞きながらやっと胸から手を離した。
「……力強く軽い…! うん、じゃあ明日。時間はある程度合わせられるよ。
んー、そうだね…、……絶対ダメーって、言われたかった?」
きらきら、鈍い光を吸って光る銀糸をちょいとつつく。ゆるりと立ち上がって
帰り道は相手におまかせの態。―――迷って来たんだもの。
■アナトリア > 「で何の話だったっけ」
当初の話は忘却の彼方に置かれた。こいつは酷かった。
「え? 軟体質だから狭い隙間にぬるりと入ったり……あとえっちなことにも使えたり。」
揉まれ続けられたまま気にせず相手にしていたが。
ごく自然に、気にもしていなかった。
「可愛い女の子と好みの男の子には歓迎ッス」
ジト目じみたまま首を傾げ。
外見と最初の態度からすれば今のフレンドリーさはギャップがあって。
「そうッスねー、じゃあお手紙認めるッス。……もしかしたら後日になる可能性もあるッスけどその時はそう認めるッス。
ダメーって言われたら無理やり襲ってたッス。強姦あまり趣味じゃないッスけど」
どっちにせよ襲う気だった。最低だこいつ。
帰り道はこっちッスよ、と先導を始めながらふと、問いかける。
「……それ、届けなくていいんスか?」
■サナ > 「わすれた」
緩く首を傾げて答えた、
「………扉を開けるのとか便利そうだね。……えっ、それにあの金額を…?
好みの男の子ってどんな子。……――、可愛い……」
するすると聞き流していたけれど、褒められていた。否定しなくていいんだろうか。
否定の応酬になりそうな予感がして、―――良いか、と、一人頷いた。
だって最初は困っていたし、もっともなツッコミがいっぱいあったから。
フレンドリー ――――通常運行だった。
「うん、分かった。連絡先は、ここが仮宿……。お手紙、いつ位に書けそう?見逃さないように目安聞けると嬉しいかな。」
出掛けたり戻ったりもしそうだ。住所を口頭で告げる、と。先導についていき、
「………襲うのがあまり趣味じゃないのに襲うの!?……――…今はなしている分には、こう、低空飛行な気配する、のに。………あ、届けたい」
出来れば、と。指定された場所を告げる。カモにされそうな人間が誘導されるいわくつきの場では、あった、
■アナトリア > 「わすれた」
忘れたのなら仕方ないのなら仕方ない。
忘れたのならどうでもいいことだったに違いないのだ。
「え、うん。出すよ。それ以外にお金の使い所ないッスから?
男の子? うーん、信念がある子ッスね」
さらりと褒めた。好みの女の子なら褒めるのに照れなどいらない。
突っ込み所は多すぎて帰ろうとしたのは秘密である。
「んー……お昼には返せると思うッス」
そう告げながら、住所を覚えながら指定された場所を聞く。
「……よし、帰るッス。それは偽の依頼に違いないッス。
迷ってよかったッスね。それカモにされてるッスよ?」
■サナ > 「三歩以上歩いたから、仕方ない。」
うん、と頷いた。
「どういうこと…!
……芯がある人は色気あるかも。 内面だ、 …女子はそとづら、男子は内面?」
可愛い、と、性格、と。何となし不思議になって聞いてみる。
本気で相手が帰ろうとしたらどうやって引き止めていたか―――実力行使だったかもしれない。
相手の返事に一つ頷いて
「…………運が無いようですごくあった?!………そっかー……、捨てようかな、これ」
でも、一応依頼品、処理の仕方に悩みつつ。
未だ知られざる中身は媚薬――――カモとネギでした。
御蔭で無事に帰路につくことが出来、別れ際におやすみと告げて。
■アナトリア > 「鳥!?」
がびん、と驚愕。
鳥頭とはこちらも予想だにしてなかった。
「え? 違うッスよ。女の子は外面も重要ッスけど。
サナさんは面白いし可愛いし最高ッス」
どういう基準なのかさっぱりわからなかった。
実力行使で止められていたらどうなっていたのか、本気で逃げていたのかは分からない。
「……開けてもいいんじゃないッスか?」
告げてから開けたかどうかは知らないけれど。
無事におうちに返していやーいいことをした、と別れてから。
「……依頼を終えるの忘れてたッス……」
こいつもボケていた。
■サナ > 「ひみつだよ」
法螺だった。
「え。何言ってるの何言ってるの…」
最高に動揺した。べた褒めされた時の反応が、動揺する、の一択な辺り。
「…………見てみる?」
巻き込もうとする挙動。実際は、風が強くなったり人が多い所に出たりで開けられることなく
部屋に戻った途端ベッドに沈んでぱたりと眠った。
何気に強運だった一夜。―――――お世話になった相手の依頼のことを忘れるあたり、――しかも相手には心配してもらったにもかかわらず聞かなかったあたり―――やっぱり鳥かもしれません。
ご案内:「王都マグメール 王城2」からサナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城2」からアナトリアさんが去りました。