2017/11/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城地下」にローズマリーさんが現れました。
ローズマリー > 華やかな夜会の賑わいからも、表向きの荘厳さとも無縁の、暗く湿った地下の空間。
細い通路が迷路のように張り巡らされた、何れかの果てに、其の部屋はあった。

壁も天井も床も石造り、魔術による施錠を施された頑丈な扉ひとつで、外界と隔てられた四角い部屋。
其の中央付近、天井から伸びる太い鎖の先に、己は括りつけられていた。
高手小手縛りというらしい、後ろ手に両腕を纏め上げられ、僧衣の胸の上下に鎖を巡らされて、
胸の膨らみを際立たせる格好、高さは漸く爪先立ちが出来る程度。
普段は被っているヴェールを剥がれ、艶やかな黒髪が打ち乱れて頬に掛かる、
俯き加減に力無く目を伏せた其の姿は、意識を失っている様に見えるだろう。

身体に纏わりつく甘い香りは、拘束される際に使われた薬の残滓か。
意識を摘み取るだけで無く、女の身体を『尋問』し易くする為の小細工を含んでいたものか、
吊るされた身体は不自然な熱を溜め込み、しっとりと奥から濡れ始めていた。

表向きの理由は、王家の転覆をはかる、忌まわしき悪魔憑きの娘への『尋問』。
けれどそんな理由、悪魔憑きの娘を弄ぶ為の方便に過ぎない、という可能性も高く、
此の先に待つものが何なのか、己だって知りはしない。
只、不穏な気配はひとつ―――首から下げたロザリオが、じわりじわりと。
穢れに触れて腐食し、黒い消し炭の様になって―――やがてはぶつりと、千切れてしまいそうな。
其の腐食が己自身に反応したものか、他の要因故のものか、其れすら不明だけれど。

ローズマリー > ―――――鎖が千切れる、崩れる、床に落ちるよりも早く霧散する。

そうして、己の中で新たな変質が始まる。
ちりちりと肌を焼かれる感覚、扉に施された術と、己の中の何かが反発する気配。

―――――其の先に起こる事は全て、闇の中へ、と。

ご案内:「王都マグメール 王城地下」からローズマリーさんが去りました。