2017/08/30 のログ
ご案内:「王城 地下牢」にナミさんが現れました。
ナミ > 天井近く、鉄格子の填まった小窓から、差し込むのは銀色の月明かり。
冷たい石床の上へ淡い光の帯を描いた其れだけが、四角い部屋を照らす全て。
四方を分厚い石壁に覆われ、同様に石造りの天井からは、咎人を吊るす為の鎖が下がっている。
外の通路への出入り口は、頑丈に施錠された鉄扉ひとつ。
扉には此れも格子の填まった覗き窓があり、扉を開けずとも中が確認出来る造り。

扉から向かって右手の壁につけて置かれた簡素な寝台に、今宵も暢気な虜囚の姿。
人々が寝静まり、或いは他人には言えぬ娯楽に興じているであろう時刻、
普段であれば己もまた、ぐっすりと夢の中に居るところだが。

何故か今宵は、睡魔の迎えが少しばかり遠い。
懐へ抱き込んだ「薄氷」へ片頬を擦り寄せ、寝台の片隅へ座して緩く瞼を伏せ、
今暫くは、微睡とも覚醒ともつかぬ、茫洋たる時間を楽しもう、という心算。

ナミ > そうして、半時ほどを月明かりの許で過ごした後。
ふっと意識を手放して寝台へ倒れ伏せば、懐から霧の如く消え失せる白銀の刀。
一人と一振りは何時ものように、タイミングを同じくして睡魔の誘いを受けることとなり―――――。

ご案内:「王城 地下牢」からナミさんが去りました。