2017/08/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城某所」にグリセルダさんが現れました。
グリセルダ > 馬鹿な事をした、馬鹿な事をした、馬鹿な事をした。

所々にか細い灯火が揺れるばかりの暗い廊下を、己は靴音も高く駆け抜けていた。
此処がどの辺りなのかは判然としない、然し確実に、己が此の深夜に居て良い場所では無い。
喩え――――そう喩え、夫が何処かの部屋で、酒色に耽っているとしても。

結い上げてあった髪は打ち乱れ、ドレスも着崩れて、イヤリングの片方が見つからない。
其れでも兎に角、今は一刻も早く此処を離れねばならなかった。
もう少しで乳房の先端が零れ出てしまう位置までずり落ちたドレスの胸元を、
ぎこちない手つきで直そうとしながら――――何処までも同じ形状の扉が並ぶ、
迷路じみた周囲の様子を見回しては、更にと足を速める。
縺れて、踏み外して、転んでしまったら、恐ろしい何かが捕まえに来る、様な。
其れは結局のところ、夫に対する罪悪感に起因する、錯覚なのかも知れないけれど。

ご案内:「王都マグメール 王城某所」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > こんな夜更けに、決して優雅ではない靴音が響く。
音を巡ればこちらに近付いてくるようだ。そっと柱の陰に身体を預けて影に身を潜めた。
近付いてくる人影は何かを恐れるように、前を見ずに走るような有様で。

脚を引っかけて、その身体を掬い上げるように抱きとめるのは造作もなかった。

「そんな恰好で。どこへ行かれるのかな、マダム」

優しげな声。だが彼女が顔を上げてみた男の顔は影がさして。
歪んだ口元だけが映っているだろう。
乱れた衣服はささえた男の所為もあってすでに露わになってしまっていた。
そこを男の手が弄っている。