2017/08/14 のログ
ご案内:「王城 地下牢」にナミさんが現れました。
■ナミ > 天井近く、鉄格子の填まった小窓から、朝の光が僅かに差し込んでくる。
冷たい石床の上へ淡い光の帯を描いた其れだけが、四角い部屋を照らす全て。
四方を分厚い石壁に覆われ、同様に石造りの天井からは、咎人を吊るす為の鎖が、
ゆらゆらと小窓からの微風に揺れている。
外の通路への出入り口は、頑丈に施錠された鉄扉ひとつ。
扉には此れも格子の填まった覗き窓があり、扉を開けずとも中が確認出来る造り。
扉から向かって右手の壁につけて置かれた簡素な寝台に、暢気な虜囚の姿は在った。
しどけなくキモノの裾を乱し、胸元へ抱え込んだ分身たるカタナに四肢を絡ませ、
穏やかな寝息を立てていたのだが―――鞘に収められた儘のカタナとは言え、
其の切っ先をキモノの裾から、半ば以上も露わになった腿の間へ挟み込む姿は、
少なくとも、御世辞にも上品な寝姿とは言えなかろう。
時折、もぞりと腰が蠢いて、唇を薄く開けば、零れる吐息は仄かに甘く―――
「ん………ふ、…ぅ、…ん……ん………」
閉じた瞼の奥に展開されているのは、いつぞやの淫らな責めの記憶か。
或いは己自身認識出来ぬ儘の、遠い何処かの記憶の再現か。
何れにせよ、微睡みは次第に、淫靡なひとり遊びの色を滲ませてゆく。
■ナミ > 「ぁ―――――、………」
微睡みながらの拙い、ささやかな極みへ上り詰めた瞬間、
唇が確かに、喘ぎ声以外の何かを紡ぎ出したのだが―――
残念なことに己自身も含め、誰ひとり、其れを聞き咎める者は無い。
誰にも、何者にも気づかれぬうち、淡い淫戯の時間は終わりを告げて。
室内には再び、静かな、深い寝息が満ち始め―――。
ご案内:「王城 地下牢」からナミさんが去りました。