2017/07/30 のログ
ご案内:「王城 塔の上の一室」にルシルさんが現れました。
ルシル > (窓のないこの部屋からは、花火を見ることもかなわない。
どこかから、ぽん、ぽん、破裂音らしきものは聞こえるけれど、
花火を知らない己の耳には、なんの意味も持たない、ただの音でしかない。

壁と天井は白く、床には淡いクリーム色の絨毯が敷かれた、
この部屋の調度といえば小さなライティングビューロと飾り棚、
そして、天蓋つきの大きなベッド、といった程度のもの。
サイドテーブルに揺れる小さなランプの灯りが、唯一の光源。

乱れたシーツの波に揺蕩うよう、真っ白いお人形がひとつ。
白いローブは大きくたくしあげられて、いちばん隠しておくべき部分さえ露わに。
両手首、両足首に絡まるリボンはまるで、お人形をあやつる糸のよう。
虚空を見つめる双眸は瞬きもせず、半開きのくちびるからは微かな呼吸音のみ。

―――――ただ、静かに。
赤みをにじませた頬へ、ひとすじ、なんの感情も籠らぬ涙が伝い落ちる。

先刻までここに居たのは、前にも何度か来たことのあるひと。
そのたびに己の身体を好きに弄りまわすから、本当はすこし嫌いだ。
でもいまは、そんなことより―――――ただ、とても疲れていた)