2017/06/04 のログ
■グラスシエル > 「しかし退屈だな、随分と複雑な区域分類ではあるが、覚えちまえば安全だし…つーか雑魚ぃ奴ばっかだし。 あー、魔族狩りてぇ」
元々戦闘向きの気質である故か、魔族への嫌悪か、そんな剣呑なつぶやきをしながら歩を進める。そもそも視察なんて任務はもっと暇な天使にやらせればよいのだ。安全でぬくぬくとした仕事等自分には合わない―――というか、もったいないだろう。そう、その分
「……戦場に行く天使が増えちまうじゃねえか、あーーーーーーくそがくそがくそがっ!!あのバカガキのせいでクソが!!!」
近くにあったランプの鉄柱にガリガリと蹴りをかます。苛ついた少年の表情はますますきつく鋭くなって
■グラスシエル > もうこうなったら王都の衛兵に喧嘩でも吹っかけてやろうか、とか物騒なことすら頭をよぎる。流石にこの国と喧嘩をする気はないのでそれはヤバイ。というか刺激が足りないのだ。別に戦闘狂ではない。こういう安全な任務というのがどうにもふわふわしてやりにくいのである。
硬そうな軍服を着込んだ天使は凹み始めた鉄柱を蹴るのを辞め、また王城方面へと向かう。
「てか、これじゃ休暇というか旅行とかわらねえじゃねえか、休みならずっとぐーたら寝てたいぞ俺ぁ…」
ポケットから干し肉を取り出してかじる。はてさていつの干し肉だったか。まぁどうでもいい。味もどうせしないも同然なのだから。
むぐむぐと干し肉をかじりながら歩みをすすめる。
ご案内:「王都マグメール 王城2」にグロリアさんが現れました。
■グロリア > あそこに見えるのは、天使?
天使といえば主様の敵と見て間違いない。
しかし天使がこんなところで隠蔽もせず何をしているのか?
任務や使命感よりも、そんな好奇心が勝る。
「やあ何やら不満そうだね、溜まっているのかい、坊や?」
元より魔族の汚染は少ない。
魔族縁の品も今は何も持ち歩いていないので、気配でそう簡単にはばれないだろう。
変に構えたりせず堂々と近づき声をかける。
……近くで見ると割りと好みの美少年だった。
これは、上手くすれば楽しめるかもしれない。
そんな邪な思いも隠しつつ、にこやかに接する。
■グラスシエル > 「あーークソ、やっぱ受けるんじゃなかったか、あのガキ連れ戻すなら別に他のやつでも――――あ?」
剣呑な光を灯した焔色の瞳が、ゆらりと揺れた。 視線の先には随分と背の高い女性。ただの大女でも、太った大柄女でもない、魅力的な体躯をした女性。純粋にそう思った、あと――
「デカイな」
其の呟きは体躯の事か、特定部位を指したのかはわからない。少なくとも下心はないようだ。自分のことを好奇で見る相手はごまんといたが、堂々と声をかけてきた相手は、少なくともこの国ではこの女がはじめてだった――天使である少年にとっては不幸なことに。
野良犬は、いつの間にか干し肉を食い終わり去っている。其れを確認すると立ち上がって、かなりの体格差でも臆することなく正面から向き合って
「あー…溜まってるな、ストレスって奴だハゲそう。って訳で「ああ」なりたくなかったら消えな?」
親指をクイっと、先程凹ませた鉄柱に向ける。にこやかに来る相手だからこそだ。自分と関わりをもってもロクなことはないから
■グロリア > 「おや褒めてくれてるのかな?ボクとしてはもっと情熱を込めて称賛してくれると嬉しいんだけどね」
色々とサイズが大きい事は重々承知している。
デカイの一言でどんな感情が込められているかは定かではなかったが、底抜けにポジティブに受け取るグロリア。
そして少年の指差した方へ視線を向ければ。
「ふぅん、なるほどねえ。ボクを気遣ってくれるなんて優しいんだねキミは」
意図や目的は不明なままだが、正体丸出しな割に人間との関わり合いは避けたいのだろうか?
立場上危険が全くないとは言い切れないが、好奇心と欲望に従いもう少し距離をつめてみる。
「でも心配要らないよ、ボクは強いからね。そう簡単に、ああはならないさ」
豊満な胸を張り、不敵に笑うと軽くウインクしてみせた。
■グラスシエル > 「あ?あー…」
情熱をこめて賞賛しろときた。困ったようにバリバリと女と同じ色をした髪をかき混ぜる。んー、こいつは、あれだそうだ
「アンタ、男装とか似合いそうだな。あれだ、男装の麗人ってやつ?」
別に男っぽいと言ってるのではない。その体躯と体つきはむしろそういう格好の方が映えると思っただけだ。特に色気のつもりもない、他愛のない会話である。
気遣ってるつもりは少年にはあまりないのだが、こういうタイプは少し苦手だ、どう接していいか分からない。だからこそ突き放したいのだ。
「アンタが強くても俺ぁ潰すぞ?」
ジリ、と蹴りの予備動作だけ見せる。戦闘経験者でしか分からないレベルの微かな動き。しかして、それは危険なものだと「分かるものには」分かる動き。
だが、相手は動じない。ウインクに、表情が少し緩んで
「で、アンタは俺に何の用なんだ?まさか俺をハゲさせるストレスをかけにきたのか?」
■グロリア > 「ははっ、ありがとう。キミがそう言ってくれるならそれも考えてみようかな」
今の服装や荷物は必要最低限。
特に男っぽさも女っぽさも感じられないものだろう。
機会があれば男装してみるのも悪くはないと、割りと真剣に考えてみる。
とはいえ存在感のありすぎる乳房は隠しようもないだろうが。
「随分心配性みたいだけど、やっぱり優しいんだね?
わざわざ警告までしてくれて、今のは本気で蹴りぬかれていたらちょっと危なかったかもね」
何が気に障ったのか、それとも隠したい事でもあるのか、妙に突き放そうとしてくるが動じない。
今、明らかに警告をされたがまだ警告止まりだ。
本気で攻撃されれば対応を考えるが、それまではどんどん押してみよう。
「とんでもない!むしろ逆だよ逆!不満そうなキミのストレス解消を手伝ってあげたいのさ」
大げさに手を広げ、相変わらずのにこやかな笑顔を向ける。
■グラスシエル > 「アンタの胸なら、男装しても女だって分かるだろうよ」
少年の方も、その胸の大きさは分かってたらしい。思春期らしからぬ反応の薄さだがその魅力は認めてるつもりだ。だからこそ男装を提案したのだが思いの外気に入った様子に苦笑する。
「俺が優しい、ねえ…目が腐ってるか感性がおかしいぞアンタ。」
ムズムズする感覚を隠そうとしながら、そう吐き捨てる。別に本気ではやらない、相手は人間だ。そもそも敵味方の範疇外である、必要のない力はただの暴力である
随分と芝居がかった仕草は、女性っぽさよりは本当に――
「アンタ、本当に男装の麗人にでもなったらどうだ?女にモテるだろきっと」
と少し冗談交じりに言う。にこやかな笑みに、わずかに表情が崩れる。それは年相応、角の取れた顔立ちで
「で、不満の解消つっても、俺の不満の解消って魔族をぶったおすとかそんなんだぞ?魔族の居場所でも教えてくれるのかアンタ」
とはいえ、目的は魔族狩りではないのだが
■グロリア > 「いやいや、そこまで言われると照れてしまうよ。褒め殺しだね」
感性がおかしいと言われても全くめげず、むしろ嬉しそう。
「女の子にモテるのも魅力だけど、今はキミの事がもっと知りたいかな。
魔族の居場所は教えられないけど、どうだい、これからボクと一緒にデートっていうのは?」
危惧していたというか予想していたというか、まあ天使の目的といえばそんなところか。
当然あっさりと居場所を教えるような真似はしないし、予想の範疇の答えにわざわざ動じる事もない。
どちらかといえば諸々のしがらみは関係なく、純粋に好奇心と欲望から少年をデートに誘い出そうとしていた。
■グラスシエル > 「そこまで褒めてねえよ」
嬉しそうに笑う相手に、少し苦笑する。僅かだが無邪気な雰囲気が垣間見えるだろうか。「君のことが知りたい」という直球に、初めてドキっとしたように顔を赤らめる。
「ばっ、馬鹿かお前・・・!俺の事知ってどうすんだよ。しかもデートって…アンタなら其れこそよりどりみどりだろうが、なんで俺なんだよ!?」
初めて見せた動揺、それは、男性に口説かれたことのない女の子みたいな感じで
■グロリア > 随分態度が軟化してきたようだ。
ここは更に押していくべきだろう。
「そのよりどりみどりの中から、キミを選ぶ事がそんなに不思議かな?
理由がどうしても必要っていうならキミみたいなタイプ、とってもボク好みなんだけどそれじゃあいけない?」
もはや当初の目的は殆ど忘れ、いかに口説くかしか念頭にない。
「それじゃあ逆に聞いてみたいんだけど、キミにはボクとデートできない理由でもあるのかな?
ないんだったら、いいじゃないか。一緒に楽しもうよ」
■グラスシエル > え、あ、ちょっとまてちょっとまて、頭を整理させろと、ぐるぐるした思考が言っている。 目の前の女は背が高いぐらいで他は上玉にあたるだろう。特に体つきは男からしたらかなり魅力的じゃないのだろうか。
そんな女がまさか俺を口説いてる?いやいやまてまて
「そら不思議だろ、俺はこんなガキでアンタは魅力的な女で――ぐっ!?」
まっすぐ、ストレートに自分の心を射抜く言葉に、ココロがときめく。いや少年には初めての感情で、「ときめく」ということすらわからない。ただ、鼓動が早く、身体がやけに熱く感じるのはわかる。
なにかしら断る言い訳を考えてると、矢継ぎ早に、というか逃げ道を塞ぐように言葉が紡がれる…断る理由はない。
「お、俺といても楽しくねーぞ…?ま、まあ俺はこの街を知るのにちょうどいいけどさ――」
要はOKである、根負けした、というより、言葉巧みな口説きに負けたのだ――相手がどんな者かもわからずに
■グロリア > 果敢な突撃戦法は功を奏したようで、美少年ゲット!と内心ガッツポーズ。
立場上敵同士なのだが、こうして恥じらう姿は益々可愛いなあなどと呑気なものだ。
立場よりも自由と欲望を選ぶのが今のグロリアである。
「楽しいかどうかはボクが決める事さ。
それじゃあお許しが出たところで、手をつなぐかい?それとも腕を組む?
ああそういえば自己紹介もまだだったね。ボクはグロリア。そのままグロリアと呼んでくれれば構わないよ」
早速隣に並ぶと豊かな肉付きの体を押し付けながら、今更の自己紹介。
その表情は打算抜きで、素直に嬉しそうであった。
■グラスシエル > 自分がOKした時に見せた笑顔、其れがさらに少年のココロを甘くかき乱す。コホン、と咳払い一つして、表情をわざと、いつもの固く吊り目がちの、剣呑な雰囲気を装って
「ふーん、よろしくなグロリア…リアでいいや。俺はグラスシエル。グラスでもシエルでもエルでもお好きなようにどうぞ。まあ丁度いいや、俺はちとこの国に来たばっかだから、ガイドがいてもいいな――ってくっつくなおい!」
柔らかな感触と、クラリとするほどの、女性特有のいい匂いに慌てる。その姿は年相応というか、もっと幼いかもしれない。
「で、どこいくんだ?」
■グロリア > 「それじゃあ、響きが可愛いし今はエルと呼ぶとしよう。
ああ奇遇だねボクもまだこっちに来て間もないんだ。
まあ一緒に色々と探すのも冒険みたいで楽しいじゃないか!」
一応ある程度下調べや仕事をしながら内情を探ってはいたが、観光的な詳しさは全くといっていいほどない。
ガイドとしては大して役には立たないが、グロリアとしては別にガイドがしたい訳ではなく楽しみたいだけなので特に気にしてはいないのだった。
「ボクとしてはエルと一緒ならどこでもいいんだけど、そうだね折角だからブティックにでも行ってみようか?」
男装がどうとか言っていたし、デートコースとしてはそう悪くないチョイスだろう。
嫌がるグラスシエルに構わず、隙あらば密着しようとしながらブティックを探して歩きだす。
■グラスシエル > 「いやまて、俺は仕事で此処に来てて、別に遊びが目的ではなくてだな…だからひっつくなって、胸当たってるから!」
心から嬉しそうに、楽しそうにするリアがやけに眩しく見える。ああ、こういう女はきっとしあわせなのだろうなと、羨ましく思う。自分は――こういう幸せな天使の平穏を守る為に戦ってるから。
「ブティック!?俺そんなとこ行った事ねえぞ!?まあお前が着たいものあるなら話は別だけど…」
と、半ば抱かれるように引っ張られながら、王城とは逆方向、富裕地区の商店街の方向へと向かっていく。段々と二人の姿は小さくなっていって
ご案内:「王都マグメール 王城2」からグラスシエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城2」からグロリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城2」にホウセンさんが現れました。
■ホウセン > 結果として、週の終わりにされることが多くなっている中間報告。
依頼主が執務室を構えている王城へ、小さなシルエットの来訪者が現れる。
夜といっても、まだ中の人間が全て出払うような時間でもなし、術で編んだ先触れを飛ばしているので完全な空振りという事にはなるまい。
「とはいえ、確実に会えるとも限らぬがのぅ。
その場合は書置きで済ませてしまうというのにも慣れたわ。」
王国軍の重鎮である伯爵は、妖仙の想像以上に多忙を極めているらしい。
直接の面会は、依頼を請け負ってからこれまでで、片手の指で数えられてしまうぐらい。
真っ当な用向きがある以上、誰憚ることなく正面から入場する。
応対した衛兵が、如何見ても子供にしか見えない容姿に怪訝そうなツラを晒していたが、間々ある話だと気にも留めない。
ペタペタと雪駄の底を鳴らしながら、王城内の廊下を歩み進む。
目的地は軍関係の部屋が並んだ区画。
■ホウセン > 請け負った依頼の進捗はといえば、色々と細工を施しているけれど、決定打が足りていない。
戦場のあちらこちらに溶け込ませた”煙鬼”に、呪がかかった手応えが無いのだ。
こればかりは、散発的に発生する戦闘の趨勢次第という面もあって、運任せの部分を塗り潰せない。
とはいえ、もう遅かれ早かれ達成できる事は目に見えているから、焦る心地もないのだけれど。
「…然し、魔族の臭いが一向に消えはせぬどころか、減りもせぬのぅ。
儂が言えた義理ではないが、少しばかり危機意識か感知能力のどちらかが不足しておると見ゆる。」
身体つきのせいで、どうしても歩幅は小さく、歩みは決して速くない。
ぼやき声を零しながら言及するのは、この王城に、一国の中枢に、人外の、それも往々にして敵対的なモノが出入りしている事について。
臭いとは言うが、厳密にはその魔力の残滓の気配。
整った眉根に一本の皺を刻んで、不満の意を表明する。
が、そもそもこの妖仙も、真っ当な存在ではない。
警戒が厳重になれば、首根っこを掴まれて、ぽいっと外に放り出されてしまう…では済まない事態に巻き込まれようというのに。
■ホウセン > 一定の間隔で警護にあたる兵士の前を、表面上は不機嫌そうな面構えで通り過ぎる。
こうした方が、外野から声が掛け難くなる事を理解しているが故に。
王城に、市井の子供が紛れ込む余地は無い。
こうして廊下を闊歩しているだけで、一定の地位か、財産かを有する誰かの子と判じられるのが自然だし、だからこそ余計な誰何を投げ掛けて逆鱗に触れたがる者は少ないのだ。
「いっそ、オーギュストなりサロメなりに…」
魔族の気配を纏わり付かせている者を教えてやろうかと呟きかけて、唇の動きを止める。
対魔族を任務としている彼らからすれば垂涎の情報かもしれないが、そこまで肩入れするのも何か引っ掛かる。
端的に言えば、気分が乗らない。
どうにも告げ口だけで邪魔者を排除するのが、妖仙の美的感覚にそぐわないらしい。
己にとって都合の悪い者同士をぶつけ合わせ、双方に消耗を強いる程度の姦計をめぐらせることはあるが、今回の件は趣が異なると。
自分自身でも、今一つ琴線のありどころの分からない気分屋は、口寂しさを紛らわせる為に袂から黒飴を取り出す。
丸々とした黒い塊を口に放り込めば、右側の頬がぷくっと膨れて。
■ホウセン > コロコロと、口の中で甘い飴を転がしながら、小さなシルエットは緊張感なく歩み進み――
ご案内:「王都マグメール 王城2」からホウセンさんが去りました。