2017/04/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2」にゼノビアさんが現れました。
ゼノビア > 王城の長い廊下を歩く、歩く、只管歩く……。
今宵は社交界デビューなどと言う洒落たものではなく、何を考えたのか働いている安酒場のメニューを注文した貴族が居り、その貴族に「……オマエだったら恥かいてもいいだろ?」と言う鶴の一言で料理を届けに来たのだった。
勿論料理は貴族やメイドの笑いのネタにされた挙句、ペットである魔獣に食べさせていた気がしたが、あまり気持ちよいものではなかったので忘れよう。

「………王城は広いと聞いていたけども、けども、此処はどこでしょうかね?」

今はそれよりも王城の出口への道を忘れた事が致命的であった。
いや忘れたのではなくて同じような作りの廊下が幾つもあり、素直に出口に通じる廊下に繋がる廊下もなく、階段を上がり、時には下りでなるべく重要そうな場所を避けて歩いた結果が今に至る。

――人気が全く無い、似たような扉が幾つも並ぶ廊下。
窓の外を見れば中庭のような物が見え、こんな状況下で無ければ中庭の方も散策してみたいのだが、今はとにかく出口を探そう。

歩けば判るほどにふかふかとした高価な絨毯、立ち並ぶ似たような扉はいくつかは半開きになり、其処からは光が漏れて、決して暗くはない、が決して明るいとも言えない廊下。

燕尾服のジャケットを酒場においてきており、執事の七つ道具がない上に自衛の道具も全部ジャケットの中にしまいこんでいる為に無防備で、その明るくない廊下に加え身を守る物が少ない状況、決して不安に陥ってパニックにはならないが、頬を思い切り引き攣らせた微妙な表情でただ一人歩き続けている。

ご案内:「王都マグメール 王城2」にチェチリアさんが現れました。
チェチリア > (修道院を代表して寄付を募る目的でやってきたのだが元貴族の娘であるチェチリアの醜聞はここでは知れ渡っており)……はあ、なんだって私がお上品なお貴族サマに頭を下げなきゃならないのよ! 私だって貴族の娘なんだから!(自身の淫乱が過ぎて修道院に入れられたことに反省もせず、周囲を睨み付けるように王城から出ようと足を速める
ご案内:「王都マグメール 王城2」からチェチリアさんが去りました。
ゼノビア > 耳を劈くほどの甲高い声ではないが、行き成り荒っぽい声が廊下に響けば身体は反射的に大きくビクリと震え弾んでしまう。
……まずは一呼吸をつく為に左手の掌の方を胸元に添えて、一度深呼吸した後にこの状況を打破せんが為、視線を声のするほうへと向けると、少し遠くに聊か色々とご立腹の女性の姿が見える。

も、女性は何事も無いように歩き去っていくではないか……
胸元に手を添えたまま行うのは深呼吸とは全く違う安堵の吐息である。
深く……ほっ……と一息短く吐き出せば、再び人気のない廊下を歩き始める。

「……ほんと、此処はどこなのでしょうか。寝室、客室、案内板の一つでもつけて頂くとか、ヘルプコールの呼び鈴をおくとか……。」

短い吐息の後に零れるのは愚痴の言葉。
しかし本当にその言葉の通り、片や中庭をのぞく窓、片や立ち並ぶ同じようなデザインの扉と……目印になりそうな物もなく、かといって部屋の扉をあけるようなマナー違反をする心算もなく、できるのは歩き続け出口を見つけることのみ。

ゼノビア > 行けども行けども扉扉扉……時々壁と階段。
何度か廊下を曲がり、階段を上り、下り、曲がって曲がって真っ直ぐと進むとやっと見覚えのある廊下へとたどり着く。
――ほっ…とこんなにも安堵した事は数分前以外なかった。
見覚えのある廊下であれば後は記憶を頼りに歩き続ければ出口に出ると、廊下を歩く速度も次第に足早となって……

無事王城より出る事が出来た。
が次は雇い主の愚痴と叱咤が待っている。
代金は受け取っている、が貴族の名刺を受け取り忘れた。
今から戻るのもまた迷子になるだけと、怒られる事を覚悟に店のほうへと歩いていくのだった……。

ご案内:「王都マグメール 王城2」からゼノビアさんが去りました。