2017/01/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城地下牢獄」にクルエルさんが現れました。
クルエル >  
ぴちょーん…

「?」

さて、此処は何処なんだろう
確か人間の村の近くで気を失って……

角と尻尾が出ているということは、意識を失ってハイドが解けたらしい

なるほど、つまり魔族の姿で見つかって、此処に連れてこられた

「うーむ、どこなのだ」

がちゃがちゃ、腕を動かすと鎖が鳴る
がちゃがちゃ、脚も同じくであった

クルエル >  
チャチな鎖である

魔王を捕らえる為のものとしては細く頼りない
もしかしたら知名度の低さ故に魔王と気づかれていないのかもしれないがそれはまぁいい

「んっ…こんなもの」

がちゃがちゃ
なるほど腕力では無理だ

ならばと鎖に屍魂を憑依させて断ち切れば良いのだ




───まぁ、それをやろうとしても何も怒らなかったのだが

クルエル >  
「つまりここは人間の国の何処かで…ええと」

あの村の付近でやった実験の通り、こちら側では力がうまく使えない
それでも多少は扱えたあたり、此処は更に結界か何かがあるのだということがわかる

魔王クルエルは聡明ではないが考えることくらいはできる
よって程なくしてその答えに到達した

まぁつまり

「人間に捕まったということかな」

これはいけない、沽券に関わる気がする

クルエル >  
腕をあげた姿勢で拘束されているものだからだんだん疲れてきた

力を抜くとそれはそれで食い込んで痛い
なるほど、この時点でなかなかの拷問である

「(しかし暇だな)」

拷問なり処刑なりされるのだろうと思っていたが、ただただ時が過ぎていく
特に食事が運ばれてくる様子もない

人間達からの、魔族の扱いというものがよくわかる

ご案内:「王都マグメール 王城地下牢獄」にカリギラさんが現れました。
カリギラ > コツ…コツ…
薄暗い廊下に足音が響く
音の主は真っ直ぐに牢の一つ
領内のとある村の近くに寝ていた魔族の元へ

「…目覚めてるみたいですね?」

持ってきたトレーを足元へ置き牢の扉を開く
どうやら意識は既に覚醒しているらしい魔族の少女
見た目はどう見ても子供…これからの事を考えると気分が滅入ってしまう

「どうもこんばんは魔族さん?
貴方の話し相手を務めるカルマさんです。
よろしくしなくていいので正直に話してくださいね」

クルエル > 足音と、灯りにそちらに目を向けて
 
「兵士…には見えないな。
 人間の食事など口にしないぞ」

「話し相手…尋問か何かかな」

じーっとカルマの姿を眺める
上から下からじーっと睨めつけるように眺めた

尋問官にも、あんまり見えない

カリギラ > 「おや、そうですか?勿体ないですね…」

ちらりとトレーを見る
スープとパンを持ってきたが無駄になってしまった
まぁ仕方ない、意図はしっかり伝わっている様なので話が早い

「尋問で間違いありません。
ではまず、何故あの村の近くに倒れていたのか教えて頂いても?」

尋問官に見えないのは当然の事
何せ尋問なんて副業の様な物なのだから
彼女の内包する魔力を測定して彼等が怯えなければこんな事にはならなかったのに…
私だって死にたくないんですけど?

「正直に話していただければ五体満足、ついでにお腹いっぱいで外に出られますよ?」

笑顔を浮かべてそう提案してみた

クルエル >  
本当は腹が減っているが人間の施しなど受けられない!
…t…頼むから今は鳴るなよ自分の腹、といって心中である

そして、ああやはりあそこは人間の村で間違いなかった

つまり色々と仮説が確定に至ってゆく
人間の国の付近では、自分の力は満足に使えなくなる
一つ、収穫である

しかしまぁ、尋問と言われてもなのだが…

「人間に話すことなど何もないな。
 死にたくなければこの鎖を解くのだ、我を魔王クルエルと知ってのろーぜきか」

ふふん、驚け。といわんばかりに睨みつけた
……拘束されたまま言うのも格好悪い気はするが

カリギラ > 「……本当に要らないんですか?」

一瞬、食事の乗ったトレーを見た瞳が物欲しげなように見えたので再確認
まさかなぁ…とは思うけれど一応

「死にたくなければ…ですか、では一つハッキリさせておきましょう」

裾から取り出すは
鋸、鉈、釘、槌、針、糸、薬瓶…etc
足元に様々な道具が落ちていく

「聞いているのは私です。力の使えない魔王様に恐れ戦く程青くもないんですよ」

可愛らしい見た目をしていても相手は魔王
仕事は仕事、きちんと割り切っている

「四肢のない置物魔王、そんな風に呼ばれるのは嫌でしょう?」

クルエル >  
「いらんといってるじゃないか───」

言葉を向けた先
足元に置かれる様々な道具に一瞬怯んだような表情を見せる
尋問官には見えないわけである
ようするに、拷問ができる人間らしい

そして───

次の言葉には少々驚きを見せた
…人間達は、魔王達がこちらで力を使えないことを知っている…?

「力が使えないなどと…なぜ言い切れる?
 いやはや趣味の悪い人間もいたものだ、魔族でももう少し上品な尋問をするぞ」

ふふん、と笑って余裕を見せる
実際に余裕があるかどうかは別として

カリギラ > 「そうですか、では仕方ないです」

拷問も尋問も仕事で使うから覚えただけ
それを専門にしている人達に比べればそこまで技術が有る訳でもない
しかし器用貧乏は色々と重宝される

「何故言い切れるか貴女に説明する理由は無いでしょう?
重要なのは私がそれを知っているという事ですよ」

でしょう?と尋ね足元の道具を漁る
久しぶりに使うなぁと思いながら引き上げるのは厳つい鋏
分厚い刃は圧し切る為に改造された特製品

「趣味は確かに良くないですが結局これが一番なんですよ。人間も魔族も痛いのは一緒ですからね
それで…なぜあそこに居たんですか?」

クルエルの細い指に鋏の刃をかけ、尋ねる。笑顔を浮かべて

クルエル >  
持ち出されたのは、鋏
何をする道具かなどは当然知っている、問題は何処に使うか、だったが───

「…ふん」

その握る鋏に霊魂を憑依させ操ってやろうと、クルエルの左目が光る

───が、何も怒らない
謎の力を抑える現象に加えてやはり結界でも敷かれているようだ
…となれば、どこか重要施設の地下なのか

「さあな?
 我が知っているのは、魔族だからといって人間が、
 少女相手にも遠慮を知らないということだけだな」

まぁ、それは魔族側からしても同じこと

カリギラ > 「ね?何も起こらないでしょ。」

鋏を見つめる目が光るが何も起こらない
きっと今ので彼女にも分かってもらえただろう
が、求める答えは帰って来なかった

やはり最初に立場を示しておくべきか
肉と骨を押し潰す感覚が手に伝わる
千切れ落ちた指がポトリと地面に落ちていく

「少女はないでしょ?見た目をそのまま信用なんてできませんよ」

そう、あくまで見た目が子供なだけ
心が乱れそうになれば彼女の角や尻尾を見る
彼女は魔王、魔族の王種なのだ

「小指の次はその隣、何度でも尋ねますから答えてくださいね?
あそこで何をしていましたか?」

次の指に刃をかけ、尋ねる

「あぁそれと一つ訂正、私は相手が魔族とか人間とか関係ないですよ。」

笑顔でそう言い切る

クルエル >  
「ッグ───!!?」

灼けるような痛みを指の根元に感じる、と同時に自身の一部が床へと転がるのを眼にする

まず、最初に少女に訪れた感情は、憎悪
人間風情に魔王の肉体を傷つけられるとは

「き、貴様ぁ…!!」

震える声を向けながら睨めつける

人間でも魔族でも関係ない──そういう立場の人間ということだろうか

「我にこんなことをして、ただで済むとは思わないことだ」

質問には答えない
弱けれど、誇りと意地というものがあった

そんな少女の内には、苦痛とは別の感覚が既に湧き始めている
それを、抑えていた

カリギラ > 「はい、何ですか?」

怒りに染まった瞳
どうにもやりにくい…まるで恐怖を感じていない
面倒だ、こういう手合いはとても面倒

「なら私を殺してみてはどうですか?」

そのまま2本目の指を落とし尋ねる
3本目に刃をかけ…今度は聞かずに切り落とし

「最初に行ったでしょう?
素直に離してくれれば五体満足とついでに食事もさせて差し上げると。
我儘ばかり言わないでください?」

そう言って4本目の指が落ちていく
血の匂いが漂い始めてあまり心地いい空間とは言えない

「さぁクルエル様、早く答えてくれないと本当に貴女を人形にしないといけなくなるんですよ。
あぁ、それか壊して犯される方がお好みですか?」

彼女を見て既に貴族連中は自分が引き取ると声をあげる者が出てきている
それも徹底的に心を折った後でだが…

意気地なしめ

「おっと…」

上がる口角を手で抑える
雇い主の悪口はよろしくない、何事も仕事は誠実に

クルエル >  
「あぎッ───ひぃッ」

指を落とされる度に悲痛な短い悲鳴が漏れる

睨めつける眼の縁には丸い水滴の粒が浮かび上がり、
表情は屈辱に眉を顰め続けるようにも、何かを我慢しているようにも見えるが

「し、知らんと言ってる
 貴様と話す舌などもたない」


僅かに震える下半身を踏ん張って、目線を上げる

"ぱたっ"

太ももから、一筋の雫が床へと垂れる

カリギラ > 「舌は持たない…ですか?」

どうしようか、舌を切り落とせば話ができない
痛みに耐えて涙を浮かべる姿は少々可哀想だとは思う
見た目が子供なのがどうにも…魔王ならそれらしい姿で居て欲し…

「ん?」

何か音がした
その方向を見れば彼女の腿に垂れる…尿?
少し顔を近づけてみれば匂いがない
まさかこの女…

「うわ、指切り落とされて興奮してるんですか?」

秘部を隠す布を剥ぎ中の具合を指で確認
前戯でもしたかの様に濡れている膣内に思わず引いてしまう
さっきの表情もまさか悶えていただけだなんて…

「…いっそ優しくすれば嫌がる、なんて事ないですかね?」

物は試しと頭を撫でてみる

クルエル >  
「な、何を莫迦なことを」

同族相手なら兎も角、人間相手にはこの上ない隙。
認めて見せるわけにはいかない気がした

「あっ、やめろ」

小さく声をあげる前もなく布を剥ぎ取られ、指を挿れられる
そのこと自体にはまるで反応を示さなかったものの、内部は熱く指に吸い付き、涎を垂らしている

「うぐ…バカにしているのか!」

ギリッとこんとは殺意を向けて睨みつける
撫で撫では舐められているように感じたらしい

カリギラ > 「…成程ね。痛みには快楽を感じてこういった行為には反応なしと」

膣肉を多少弄っても反応は無し
詰まる所…あれだ、超被虐趣味の変態だ

「馬鹿だとは思っていませんが相当特殊な性癖を持った変態だとは思っています。
近所に住んでいたら子供は近付かない様に言い聞かせるぐらいに」

と、こうなると色々話は変わってくる
指を切り落として悶える相手にどう拷問しろと?
それにその手の輩は体の再生力が高いかそう言った魔法を備えている訳で…

「詰んだ、と見て間違いないでしょうかね?」

一番向けられる殺意の高いなでなでを続行
いい子でちゅねー、と言葉も付け足す

「このままここに放置しときますかね…」

今後の事を考えそう呟いた

クルエル >  
「へっ……!!」

人間に変態呼ばわりされるとは!
激昂の表情を見せる、こんな様でいてプライドが高いらしい

「ふ、ふん。そうだぞ、人間の拷問などでは口は開かぬ。
 ……そうだぞ、無駄なことだ。すぐに解放しろ」

放置は困る、退屈は神をも殺すというし

ぶんぶんと頭を振って撫で撫でに抗議して

「そうだ、このまま我をここに置いておくと我が配下100万の兵隊が押し寄せるのだぞ、それでもいいのか!」

カリギラ > 「はい、拷問では何も情報は得られずかといって魔法抵抗は流石魔王
対処は不可能、地下への封印を申請しておきます」

道具を袖の中にしまっていく
瞬く間に転がる道具は全て片付けられ…

「あぁその前に、血だけは少し貰っておきますね」

空の小瓶に血を少々
魔王の血液は色々と使い道が多い
最後に抵抗されたけどまたもう一撫で

「配下が押し寄せればその時です
ですが、もしその配下とやらが来なければ…貴女は永遠にここで1人ですね?
痛みも何も感じる事なく世界に忘れられていて下さい」

背を向け牢屋の外に
置いてあったトレーを持ち上げそれではと頭を下げる

クルエル >  
「ふ、封印!?」

死ぬこともできず永遠に閉じ込められろということだろうか
がちゃがちゃと拘束する鎖を鳴らして

「我を解放すれば攻撃はせずにおいてやるぞ
 取引というやつだ、取引」

どうだ?
とチラっとそちらを眺め、背中に声を投げかける

道具を片付ける様子を見る目ががちょっと残念そうだったとかそういうのは置いといて

カリギラ > 「えぇ。誰も近づかない様厳命して強固な封印式をここに敷きます」

何だかいきなり暴れ出したなぁ
しかしそれももう関係ない、貴女はここで朽ちると割り切る

「取引は双方に旨味がないと成立しませんよね?
私は貴女を開放しても得る物が何もないので辞退させてもらいます」

開放しなければそもそも攻撃されないのでは?とは言わないでおく
短い付き合いだったけれど楽しかったですクルエル様と冗談を言って…

「では、忘れられた魔王クルエル様。お元気で」

コツ…コツ…
出口に向かい歩きだす
わざとらしく足音を立てて

ご案内:「王都マグメール 王城地下牢獄」からカリギラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城地下牢獄」にカリギラさんが現れました。
クルエル >  
「わ、わかった。口を割ろう。
 それで取引になるだろう!」

途端に必死の様相を見せるクルエル

不死身不滅の存在にとって、何もない時間を過ごすことこそ死に等しい
その声色にも必死さが伺える

がしゃんがしゃんと鎖が大きな音を立てる

カリギラ > 「取引?
クルエル様が話したいなら聞いてあげても良いですよ?」

心の中で笑みを浮かべ牢の方へ視線を戻す
そう、痛みが通用しない相手には別の手段を講じるしかない
この様に…

「あと…スープとパン、食べますか?」

トレーを差し出してみる
少し冷えてしまったが温めれば美味しくいただけるだろう

クルエル >  
「くっ…し、しかし本当に大した話ではないのだ…」

仕方なく口を割る
結局人間相手に口を割らされる、それだけが我慢ならなかったようだ

タナール砦での事件以降、人間界側で力の減衰を感じ
その証明のために村の近くを訪れていたということ、ただそれだけを

そして喋り終えれば、差し出されたパンとスープにがっつく
腹が減っても死にはしないが腹が減るとものは食べたくなるらしい

た指はと言えば、何事もなかったかのように元に戻っている
切り落とされた床に落ちている指があったはずの場所にはいくつかの土塊が残るだけであった

カリギラ > 「それはこっちで判断しますよ」

と、そこからは全てスムーズに事が進んだ
彼女の目的は力の減衰の証明
嘘をついている様子もないし恐らくそれが事実だろう

「で、何であんな場所に倒れてたんですか?
寝ている間に運ばれたなんて事はないでしょう?」

やはりと言うか何と言うか…
元に戻った指で元気に食事を摂っている
因みに手錠は足枷に変更し外してある
食べさせようかと思ったけれどそれだと食事に手を付けはしないだろうし

「それと今後はどうしましょうか…聞く事は無くなっても貴女を出す訳にはいかないんですよね」

クルエル >  
「うむ…それなんだが記憶がないのだ、誰かと話していたような気もするのだが」

首を傾げる
頭蓋が陥没する勢いで頭をぶっ叩かれて記憶が吹っ飛んでいるのだった
どうやら嘘を言っているそぶりもなく

「なんだと、では最初から口を割っていたらどうするつもりだったのだ!」

口の端にパンのクズをつけながら激昂する
それはそうだ、結局出れないのでは話にならない

カリギラ > 「記憶がない…誰かに襲われたとかですかね?」

そんな通り魔の様な背景は知らないので首傾げ
仮にも魔王を倒すとは…これも要注意事項かも知れない

「正直に話してもらえればそこで私はお仕事終了です。
誠実な尋問なんて本の中だけですよ?」

誇りなんてない人間の下っ端は平気で嘘をつくのですと開き直る
本当に信じていたなんて…意外と純粋な子なのかもしれない
それか見たままの子供なのか?

「ただまぁ貴女の事は利用価値無しと報告しておきますよ
そうなるとどうせ殺処分か貴族様の玩具の二択ですが…そうなれば幾らでも逃げる手段は有るでしょう?」

不感症とも報告しておくがあの血走った眼をしていた貴族達には関係ないだろう
どう扱っても良い肉人形、とくれば相場は決まっている
今回の仕事は尋問だけ。情報を吐いた後のアフターケアまでする気はない

クルエル >  
「魔王を謀るとは…万死に値するな…。
 まあいい、飯をもらった礼ということにしておいてやろう」

ぎりぎり、やはり人間など一切信用がおけない
とりあえず礼とすることで自分の中での体裁を保つクルエル

「殺したければ殺せばいいが玩具というのは気にいらないな…。
 そうなったらそいつらののいちもつでも噛みちぎってやる」

ふん、と鼻息荒く、封印よりはそれらのほうが遥かに良いらしかった

カリギラ > 「それはどうも。心優しいクルエル様には感謝しています」

スープとパンで許してもらえるなんて
ちょろい…とは口が裂けても言えないだろう

「えぇえぇ、食い千切ってついでにぶち殺…穏便にお願いしますよ。」

思わず本音が漏れそうだったので一度口を閉じる
言葉の通りなら彼女を殺しても生き返るのだろう…ふむ

「もしクルエル様が良ければ私がここから出して差し上げましょうか?」

それも今すぐ
彼女が不死という事を逆手に取った方法を思いついたので提案する
魔王と名乗る魔族に恩を売る…その価値を考えての提案

クルエル >  
「本当か?
 退屈でかなわんからな、出す気があるのだったら最初からそう言うのだ」

嘘といい、意地悪な人間だとむっすり顔

「そうとなればお前の名前を聞いてやらなければならないな。
 もし魔王達が人間の国を攻めることになってもお前だけは見逃すようにしてやるぞ」

あまり付き合いがいいわけではないが、まぁ言ってみれば聞いてくれないこともないかもしれない、たぶん

カリギラ > 「貴女が不死で変態だと知っているからできる提案ですよ。
それに、特に得たい情報もないですしね…」

意地悪をしている訳ではない
ただ利用価値が無い物に新たな価値を見出しただけ
あと、この方法は彼女が相手でなければ使えない

「……カリギラ、それが名前です」

本名を言うのは少し躊躇われるがそこは彼女を信頼しよう
信頼されるには自分から歩み寄らなければ

「で、具体的な方法ですが私が今から貴女を拷問の上殺します
死体として外に運び出した後に貴女は外で蘇生してさようなら…これならつまらない貴族の遊びに付き合う必要はないですね」

殺して運び出して蘇生
自分で言っていても訳が分からない方法だと苦笑する
が、事今回に限って言えば有り得ない方法でもないと思う

クルエル >  
「変態と言うな!! …で、方法とは?」

とりあえず一喝して置いてから話を聞く
その内奥は確かに一聞荒唐無稽な話ではあれど、クルエルには意味がよく理解できる

「なるほどカリギラお前頭がいいな…。
 む、しかしそれだと我は人間に殺されたことになるのか…悩ましい選択だ」

鎖に繋がれたままうーんうーんと頭を悩ませている
お前は信用できないと言っていた直前の姿はどこへやらである

「拷問の末にも誇りを捨てず一切口を開かず息絶えた、ということにしてくれ」

そんな提案が出るほどであった

カリギラ > 「そこは否定されても…」

本性を知れば誰でも思う事
しかしお怒りなのでそれ以上は言わないでおく

「まぁそうですね。あくまで時間の節約、くらいに考えて頂ければ」

死んだ後きちんと外へ運ぶと信頼されていると思うととても可笑しい
さっきまでの文句は何だったのか…
こんな雇い主なら楽しく仕事も出来そうなのだが

「死して尚体面を気にしますか…ですがそうなると相当な痕を付けないとですよ?」

自分も一応雇われ身
拷問で口を割らせられなかったとなるとそれ相応の痕を刻んでおかなければならない
それこそ…

「肉塊になる覚悟が有るのであればそれでも構いませんが」

誰も文句を言えない、口を挟めない壮絶な死に様を演出する必要がある

クルエル >  
「人間どもの玩具になるくらいならば、というやつだな。
 どうせアレだろう…肥え太った、こう、不潔な感じのオヤジどもなんだろう」

ものすごい偏見を吐いている気がするがそのまま話を進める

「指を落とすのは相当の傷ですらないのか…。
 まぁ、これぐらいならものの数分で回復してしまうからな。
 首を落とされた時は流石に数日ぐらいかかった気がするが」

暗に瞬時には再生できないことを漏らしているが本人はまるで気づいていない
そのまま言葉を続けて、じっとカリギラを見上げる

「魔族相手とはいえ平然と肉塊に出来るあたり、
 やはり人間とは相容れないのだということがよくわかる。カリギラが特別なのかもしれないが」

実際に推し量ることはできないが、とにかく思ったことはそのままいう性格なのだろう

カリギラ > 「多分ご想像の通りだと思いますよ」

偏見はえてして真実を射ている事がある
今回がそれ…豚の方が可愛げがある殿方と言っておく

「あんなの挨拶みたいなものですよ
ならすぐに治ったりはしないと…それは良い」

それなら運び出す前に治るなんて笑えない展開も回避できる
と、そこまで考えてこちらを見上げる瞳を見つめ

「言ったでしょう?人も魔族も関係ないと…
例え貴女が人間だろうが私はきちんとやりますよ、これはお仕事ですから」

魔族だからと言われればそれは否
別に魔族を憎いとも思っていないし駆逐したいとも思わない
それにクルエルの様な見た目と中身が子供な相手には手出しもできればしたくない
そう、仕事だから仕方ないのだ

「人間の中には魔族と一緒に歩もうという人も居ますよ
声を大にして言えないだけで…戦争なんて飽き飽きしている人は沢山居るんです」

クルエル >  
「仕事だと思えば割り切れるというのも、我から見れば不思議だな。
 嫌ならやらなければいいのだ。そう仕事仕事と繰り返すということは、
 カリギラは本当はこういうことがしたくないんじゃないのか」

じいっとカリギラの顔を見上げたまま、淡々と言葉を向けるクルエル

「そしてお前が人間も魔族も関係ないと言う上に、
 そういった人間達がいることを我に話すのは、お前もそうだからなんだろう」

ふぅ、と小さな溜息をついて言葉を区切る
そのあとゆっくりそその視線を外して

「トレーを持って下がるといい、パンはパサパサしすぎだがスープは美味かった」

カリギラ > 「やりたくないからやめます、そう言える場所にはもう立てませんから」

仕事をやめてその後は?
人間の街で暮らすのに自分は多くの事を知り過ぎている
優秀な猟犬は言う事を聞かなければ只の獣
獣は殺されるのが世の常だ

「さぁ、どうでしょうね?
まぁ私は戦争は嫌いですね。非生産的で疲れるだけですよ」

続く言葉に首を傾げる
下がれとは…計画に乗る気ではなくなった?

「良いんですか?貴族の遊び相手なんて不快でしかないのに
私に任せてもらえれば痛みは有りますが数日の我慢ですよ?」

クルエル >  
「不味いパンの礼はお前にとって有益ではない我の言葉。
 これはスープの礼だ。お前にやりたくないことはさせない。
 魔王の温情というやつだぞ、ありがたく受け取れ」

むふー、ともう一度深く息を吐く

「我が不快を避けるためにお前に不快なことをさせるなどと、
 そんな器の狭い存在ではないのだ、魔王だからな、偉い者は器が広いのだ」

もう一度その顔を見上げてはっきりとそう告げた

そして、はやく戻らないとそれはそれで怪しまれるのではないか?と

カリギラ > 「温情って…何を言うかと思えば…」

仮にも自分の指を切り落とした相手に何を言っているんだ?
勝手に話を終わらせる魔王のどこが器が広いんだ…
フザケルナ…誰が不快だって?仕事を不快になんて思ってない
思ってないんだ…

「……後悔しても知りませんからね」

心の揺らぎを押し殺し立ち上がる
空になった食器とトレーを持ち、それではと挨拶をして廊下を行く
不安か焦りか、足音は立てず進んでいく

クルエル >  
「向いていない仕事はさっさと向いたものに変えるものだぞ。
 少なくとも魔族はそうする。人間は大変だな」

挨拶をして去りゆく背中にそう声を投げて、天井を仰いだ

薄汚い、汚れた天井だ
たまに水が漏る音も聞こえる

「(しばらく水音でも数えているか)」

はー、と何度目かわからない溜息をつくのだった

ご案内:「王都マグメール 王城地下牢獄」からカリギラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城地下牢獄」からクルエルさんが去りました。