2015/10/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 部屋」に魔王アスタルテさんが現れました。
魔王アスタルテ > (アスタルテ率いる強大な魔王軍の侵攻は何も外部からのみではない。
 アスタルテの配下の中には、王都や神聖都市などに潜り込んでいる者も多くいる。
 王族や貴族などの中には、アスタルテの手の者が大勢いるわけだ。
 魔王軍は内側からも、このマグメールをじわじわと侵食していた。

 魔王による謀略は順調だ。
 着実に、自分の支配圏を広げていっている。
 魔族だけではなく、人間の王族や貴族ですらアスタルテ側に付く者が多くいる程に)

(ここは王城の一室。
 図書館を連想させる本が多い部屋で、魔王アスタルテは椅子に座りながら城下を見おろしていた。
 外には二人の警備兵が待機しており、アスタルテの関係者でなければ少なくともこの警備兵をぶっ倒さないと表からは入れない。
 ちなみにこの魔王、多くの王族を味方につけているので、堂々と花々しき表門から入城できるというわけだ。
 つまりアスタルテは侵入者でもなんでもなく、結界なんてものは何の意味も成さない。
 そもそも、内部に侵入出来ている時点で結界を解除するよう小細工するなど動作もない事である。
 まあ王城に進出している以上、結界解除するよう動いてもメリットが薄いどころか、リスクしかないからやらないけどね。
 王城では外見通り子供らしく、大人しくしておくものだよー)
「こう風景だけを見ると、この王都も随分と平和なものだよねー。
 醜き王族達の継承者争いや、汚き貴族達の駆け引きなんかがいつものように行われているというのにね♪
 あはっ♪ あはは♪」
(まあそういうところも全部、このアスタルテの謀略に利用しちゃうんだけどね♪)

魔王アスタルテ > (アスタルテがいる部屋に三人の王族が入ってくる。
 一人は人に化けた魔王軍所属の魔族。他の二人は人間であるが、アスタルテ側についている者だ)
「王族達の会議は終わったようだねー。
 それで、どうなったの?」
(無邪気ににこりと笑い、窓を見ながら振り向く事なく王族達に問う。
 人間化している魔族は一歩前に出て、主たる魔王に報告した)

『手筈通りに事が進んでおります故、
 他に特に報告する事もございますまい』
「そっかぁ♪
 分かったよー」
(魔王は愉快そうに、笑顔を浮かべた。
 それは全てが順調すぎるという朗報だった。
 順調すぎて、逆に何者かの謀略を疑うぐらいに。

 手筈通り。
 つまり、王国に存在する多くの軍団・多くの師団の予算の大幅カット案が王族達の間で可決されたというわけだ。
 さらに言えば、その中でも対魔族に特化した軍団や師団は優先され、特に予算が減らされる事になるという。
 王族達としてみれば外部の戦いよりも、自分達の王位継承戦のために力を注ぎたい者が多いわけで、魔王はそこに付け込んで配下達に根回しさせたわけである。
 特に最近は対魔族に無駄な予算を注ぎすぎている。その点を配下に指摘させれば、ほらあっさりと陥落)

(最近、王都付近の街を吸血姫ロザリアが襲撃したという事件があったが、
 王城に報告されている内容はあくまで『街がアンデッドに感染したので処分した』という事。
 つまり伝染病として、某対魔族特化の師団は処理したわけである。
 もしこれが、吸血姫によるものだと報告されていれば、多くの王族は魔族に危機感を持ち、こうもうまくはいかなかっただろう)

魔王アスタルテ > (あはっ♪ あはは♪
 邪魔なものは潰すよー。
 対魔族特化の師団が、魔族の村を焼き払ったのだからね。
 さらにその師団により、配下のロザリアが拘束されてしまった。
 その件に対して、魔王が何の手も打たないなんてありえないよー。
 だけど、それは襲撃するなど表立ってのものじゃない。
 一瞬にして、師団を消滅させるわけでもない。
 予算カットや信頼の損失などを計って、内側からじわじわと師団の力を削いでいく。
 悪魔的なまでの容赦なき戦略。魔王だからね♪
 最も、上手くいくかどうかなんて今の所分からないけど。

 先程報告してきた魔族とは別に、人間の王族も一歩前に出て魔王に何やら報告しようとする)
『気になる点がございまして……。
 最近、王城を探る者が増えているようでございます。
 おそらく、王国の軍の者かと……』
「へぇ~♪
 そうなんだねー」
(まあ、勘の良い者なら王城に魔族と通じている者がいると気付けるかもしれないわけで。
 それを探っちゃってるわけだねー。
 まあでも、そこにも仕掛けがあってね。
 ブラフの多さで、調べている方がむしろ混乱するかもね。
 例えばとある王族が魔族となーんにも関わりないのに、調べていくとその王族が魔族と通じているように見えるわけで。
 その手のトリックが何重にも、いくつも用意されている。
 そしてその上で、調べる技術が不足していれば結局なーんにも分からないだろうね。
 あはっ♪ あはは♪)

魔王アスタルテ > 「それじゃあ、あたしはそろそろ行くねー。
 王城にはまた来るけど、しばらく任せるよ」
『『『かしこまりました!』』』
(アスタルテはにこりと笑いながら、部屋を後にする)

ご案内:「王都マグメール 王城 部屋」から魔王アスタルテさんが去りました。