2023/07/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にガルガントさんが現れました。
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 王城 応接間 午後の天候は雨

 ザァザァと熱を感じさせていた天候は昨日だったか
 包帯男が見る窓辺は今は雨一色 強い雨が降っていた。
 灰色の曇り空 水雨が濡らす窓 湿気た日だ、と当人は王城の応接間
 其処の綿がたっぷりと詰まったソファでどっかりと腰を下ろしている。

 大きく開いた股と右肩をはだけた鱗模様の着流し姿
 最も異質なのは、その全身を耐火呪符を織り込んだ白灰色の包帯で巻かれていることか。
 包帯と言っても、厚さは濃く見えており透かしたあの一枚ではない
 王族の住まう城の中で全身包帯と鱗の着流し姿という外見は、不審者感を大いに引き立てる。
 真っ当な者ではなく、カタギとは呼べぬ 裏稼業に身を費やしていそうな風貌と取れた。
 左肩に抱き寄せるようにされた大振りな打ち刀も一層濃くさせているだろう。

 そんな包帯男の目の前には、ソファに合わせた低いテーブルと敷かれた絨毯は色褪せない。
 なるべく透明に作られた彫刻入りのギヤマンの杯に注がれた貴腐ワインを片手
 向かい合う相手は王族の一人 言わば 広く見れば親族となる。


   「―――ハァ。
    好いもん飲んでるな お前が酒のセンスが良い。」


 グラスを傾け、喉を潤す
 やや紫が濃く見える貴腐ワインを片手に、飲んだ感想は素直な誉め言葉。
 全身火傷を引きずるような、ハスキーな声色 威圧感を含みそうなそれ
 機嫌が良さそうな笑みは三白眼と合わさると悪を名乗れる風貌のせいか
 向かい合う王族の一人はやや苦みのある笑みを浮かべた。


   「で、暴走している王族が居るって噂はもう其処も此処も知っている事だろう。
    優位に立って王族の継承に近づく それがどんな手段であれ正当なはずだ。」


 互いに血は繋がった者であれ、行き過ぎた王族の一人 いや二人か三人とされている
 これらの話を出されながらも、土産の貴腐ワイン片手に動く口は、止めるつもりはないというもの。


   「王ってのは強くてなんぼだろ。
    てめぇの力で勝ち取れねぇ奴が、國を勝ち取れるはずがねぇ。」


 あまりにも正当な、王への弱肉強食論
 ヤクザ染みた話し方でも、王に対する話は王族 いや 全民が理解できることだった。
 やりすぎた一部に対する動きへの相談に来ながら、もやもやとした部分を搔き消されかかる、対談者。
 

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 貴腐ワインを一度空にすると、土産としての受け取りはそれで済ます様子。
 次を欲さず、右手は腰から抜いた煙管 金無垢の髑髏が伺える火口に刻みを込めた。
 カチッカチッと二度火打ちをすると、ぼんやり燃える一部に火を近づけ、フゥっと独特な香りの紫煙。


   「王にはなれても、続くかは別だがな。
    惹きつけるもんが無ぇなら、そん時はいらねぇ。
    殺してやるのも吝かじゃねぇさ。

    これで満足だろ 腰抜け 失せな。」


 ツ、ツ、と手で掃う仕草
 ワイン片手にそそくさと出ていく様子を見ながら、一口煙を転がし。


   「先王も面倒なことをしやがる。」


 カンッ、と灰入れに叩きつけた煙管
 髑髏の盃のようなそれを腰に戻すのなら、自身も愛刀を手に場所を移すだろう。
 後に残るのは、包帯男がいた印となる残り香のみ。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からガルガントさんが去りました。