2022/11/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 深夜の王城」にイノンさんが現れました。
イノン > 『っ…ぁぁ…ああぁぁ……』

恍惚とした声をあげる男の声が聞こえる部屋から、ギィィ と高級感あふれる装飾の目立つ扉を開け、黒いロングコート姿の少女が部屋を振り返れば

「このたびはご指名いただき、誠にありがとうございました。大臣様。ご用命の際は、何卒わたくしめをご愛顧賜りますようお願い申し上げます」

丁寧に、その場で深々と礼をすれば、「それでは、おやすみなさいませ」と静かに扉を閉じる。

閉じた扉にもたれかかり

「……このところは資金調達ばかりなのですが。上質な精の持ち主はどこかにいらっしゃらないものでしょうか……。広い王都ともなれば…屈強な軍人の殿方や……将軍閣下……。……お金と時間ばかり持て余した文官の方ばかりご指名いただいている気がしなくもありませんね。これは……」

一応、役目の一つではあるのだが、本人は出来れば強力な者の精を搾取して拠点へ持ち帰りたい。

これでいいのだろうか と自省し始めるのだった。

イノン > 王都ではあまり派手に立ち回る訳にはいかない。
同胞も数多く暗躍しているが、自身がしくじる事で思わぬところに波及し、味方の行動の妨げになってしまう恐れもある。

それだけは、避けなくては―――

「……ふぅ……」

だが、自身の本来の目的から逸れた状態が続いておりフラストレーションは着実に溜まっていく一方であった。

人間の重役を快楽に溺れさせ、機能不全に陥らせる事で目に見えない部分での効果は表れる。
統治者の迷走ぶりに振り回される人間の民を見ていればそれは一目瞭然である。

「淫魔の方は、誰でもよいのかもしれませんが……わたくしはそういう訳にはいかないのです……」

イノン > ないものはねだっても仕方がない。

この時間に、よさそうな獲物は今更見つかりそうもない。

今日のところは、王宮仕えのマッサージ師として仕事を全うした――

それだけで満足しておこう。自らの国へ帰れば、おそらく相応に仕事が溜まっているはずだ。

その場で目を瞑り、小さく呪文を唱えれば足元に魔法陣が展開され、魔法陣より発せられる光に包まれると完全にいなくなった。

ご案内:「王都マグメール 深夜の王城」からイノンさんが去りました。