2022/10/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にマーシュさんが現れました。
マーシュ > 夜の勤めを終えた女が、静かな回廊を歩む。
不夜城のように明るい外廷も、居館も、修道女にとってはあまり意味のない場所だ。

王城にあっても外れのこの場所は、歩哨の兵士や、使用人は利用するだろうが、王城で表立った人物はあまり通ることはないだろう。

靴音が、耳に残るほどの静けさ。

庭園を通り過ぎる夜風が頬を撫でるのが心地よく、少し歩を寄せて回廊から夜の庭園、あるいは己のお仕着せのように藍色に沈んだ夜の空を見上げた。

うねる雲間、すでに月も沈みゆこうかという時間。

夜と朝の狭間に佇んでいた。

────あとは、もう宿舎で休むだけの時間しかないのだが。
それゆえに僅かの余暇ともいえた。

マーシュ > 渡る風が梢を揺らす音に親しんで。
回廊の柱に僅かに身を寄せる。

僅かに甘く香るのは月下香だろうか。
昼と夜とで装いを変える、嫋やかな花の香り。


探し出そうと、足を踏み出さないのは、そんな淡い香りだけの邂逅を慈しんでいるからでもある。

姿は見えずとも、そこにある。それを不必要に暴く必要もない。


そんな秋の夜の楽しみ方があってもいいだろう。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にファビオさんが現れました。
ファビオ > カツン―――と、静寂の佇む夜の闇を割って響いたのは先客のものとは異なる靴の音。
その宵闇の中からまるで溶け出るかのように、灰髪に痩躯の男が一人その姿を現わそうか。

「――おや……。」

ふと、その歩みを止めて見せたのは、鼻腔を擽る微かな香りの所為か、或いは其処に佇む先客の姿を認めてか。
相手が此方の存在を気に留めぬなら、それも良し。存在に気付き視線を投げ掛けられたならば、ゆっくりとした所作で恭しく一礼をして見せるだろうか。

マーシュ > 短い余暇の時間を堪能し、歩を踏み出そうとしたときに響いた靴音。
ふ、と視線を向けた先の姿は、まるで宵闇から抜け出したような姿だったのかもしれない。

それを認め、静かに首を垂れるものの修道女自らは彼に歩みを寄せることはなく。
真逆の方向へと歩き出す。

小さな靴音は、より静かな場所へと向かっていったようだ。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からマーシュさんが去りました。
ファビオ > 此方の存在を認め、静かに首を垂れたものの其の侭真逆の方向へと歩み去って行く姿をその場に留まった侭見送って。
その姿が宵闇の中へと消えて行ったのを認めてから、一度止めたその歩みを再開し―――誰も居なくなった夜の中、嫋やかな花の香りだけが唯其処に在った。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からファビオさんが去りました。