2021/12/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にエリザベートさんが現れました。
エリザベート > 此方で御待ち下さい、と言い置かれ、大人しく頷いてから、はや半時ほどが経った。
目の前のテーブルに置かれた儘、口をつけぬうちに、カップの中の紅茶は冷め切っている。
生まれたのは此の城である筈だが、修道院暮らしが長い所為か、
如何にも身の置き所が無いような感覚は、幾度訪ねても慣れない。
用件が用件だけに、疎まれているのだろうか、とも、朧に感じ始めていた。

だが、其れでも。

夫の身の上を案じ、其の消息について手掛かりを掴もうとすれば、
己には此処以外―――父方の親類を頼る以外、術が無いのも事実。
かくて、週に一度はこうして訪れ、冷たいお茶に軽く口をつけては、
何の収穫も無く城を後にするまでが、お決まりのようになっていた。

エリザベート > 暫くして扉が開き、現れたのは此れも既に顔馴染みの人物。
訪ねた人物ではないが、彼の従者をつとめている男だった。

今日はお時間が取れないようだ、と申し訳無さそうに告げる男の顔には、
此方を気の毒に思う気持ちと同時に、鬱陶しがるような色が、僅かばかり。

「……其れでは、今日は失礼致しますわ。
 お手間を取らせて、御免なさいね、……あの」

お茶を、頂かなくて申し訳無かった、と。
呟くように告げて、何とか微笑むかたちに唇を綻ばせ。
立ち上がって部屋を後にする、項から肩にかけての線が、落胆を露にしていても、
其処まで気にする余裕は、残念ながら無かった――――――。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からエリザベートさんが去りました。