2021/12/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にエリカさんが現れました。
エリカ > 魔導機械の開発を行うために必要とされている、ある施設へ続く通路。
ところどころに小さな灯火がぶら下がるばかりの、暗く、じめじめとした石造りの通路を、
質素な木綿のワンピースだけを纏い、素足で辿る小娘の姿があった。

ただし、娘が目指しているのは、施設ではない、その逆である。
表へ、叶うならばお城の外へ――――不自然に顔を赤らめ、ぜえぜえと肩で息をし、
縺れた乱れ髪と言い、その格好と言い、令嬢らしからぬ風体で、
壁に手をつき、震える足を必死に前へ押し出して、施設から逃げようとしているのだった。

「も、ぉ、や、ですの……エリカ、もぉ、帰り、ますの………」

なんの誤解か、それとも誰かの陰謀だったのか。
娘には知る由もないけれど、とにかく、娘は囚われていた。
令嬢としてではなく、名も無い、忌むべき生まれの混血児として。
淫魔の血を引く娘ならば、さぞかし上質な魔力を産み出すだろうと、
――――――何時間、それとも、何日。
機械に繋がれて犯され、得体の知れない生き物に嬲られ、兵士と思しき男たちに玩ばれて、
もう、とても耐えられなかった。
小娘と侮って拘束を緩めた、スタッフと思しき老齢の男を突き飛ばし、
縺れる足を懸命に動かし、あちらへ、こちらへ、ぶつかりながら通路を駆ける。
追っ手は差し向けられているだろう、けれどもきっと、逃げおおせてやるつもりだったが――――――果たして。

エリカ > あちらでぶつかり、こちらで転び、そちらで迷い、引き返し。

逃避行は遅々として進まず、体力ばかりが消耗する。
追っ手に見つかるのは時間の問題か、それとも、奇跡が起きるか。
それが明らかになるのは、少しばかり先の話――――――。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からエリカさんが去りました。