2021/10/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】 薬草園」にジギィさんが現れました。
ジギィ > 王城の敷地は広い。

王族の住処たる城本体の他にも兵士の修練場やいくつもの庭園を抱え、おそらくつぶさに見廻ったら数日は余裕で過ぎるであろう。
―――などと思いながら、女エルフは夕暮れの日差しが注ぐ薬草園を歩いている。

庭園然と整えられたそこは植物たちが入り混じって、ぱっと見はどれが薬草で、どれがその育成を助けるための補助植物か解らない。王族が暮らす場所であるから見目も楽しませるものに、という庭師的な配慮かも知れないし、単にここを管理している者の趣味かも知れなかった。

「良い趣味してるう……」

エルフは鼻歌の合間に呟きを零す。植物の丈は女エルフの背丈にすこし届かないくらいまでの大きさまでにとどまっている。このぐらいが成長しきったものと、新しい株とを共存させるのに光の届き具合が丁度いい。そういう意味も込めての感嘆。

王城に居るお得意さんに勧められて、帰り際に立ち寄らせてもらった所。何か真新しい植物は見当たらないけれども、管理の仕方には目を見張るものがあった。

(面白いなー…)

エルフは凡そ野山に自然に成長しているものを採取するのが定石だけれど、定期的に訪れるような場所には管理の目線も必要になって来る。
勿論同じ条件ではないのでそのまま転用はできないしこの先似たような手を入れるつもりもないが、こうして調和している光景を見るのは一種、人工美を愛でている気分。
エルフはやがて鼻歌にスキップを混ぜて、薬草園をくるくるとめぐる迷路のような小路を行く。