2021/09/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からエリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にアルヴィスさんが現れました。
■アルヴィス > ──王城内の広い庭園。
規則正しく煌々とした篝火が置かれた、手入れの行き届いた庭園を、小柄で華奢な少年──と見える影が一人、歩を進めていた。
こつこつと規則正しく並ぶ石畳を鳴らす靴音が響く。
供も伴わず、金色の髪を揺らしながら誰もいない庭園を彷徨う姿は、やや無防備にも見えるかもしれない。
時折、衛兵が通るとしても、開放的な王城にはどのような輩が来訪しているか知れたものではない。
「────……ぁ…。 月が、綺麗だ」
ふと足を止めて、ぽつりと零す言葉。
少年にしては、声が細く澄んでいたかもしれない。
荘厳な佇まいの城の尖塔越しに、大きく青白い月が輝いている。
整えられた緑の刈り込みの隅に設えられたベンチへと歩み寄ると、何気なく腰を下ろす。
規則正しく弧を描く噴水の音を耳にしながら、華奢な姿はどこか安堵したように細い吐息を漏らした。
「……やっぱり、城の中より……外のほうが、息がつける」
そう呟いて、まだまだ慣れぬ登城に緊張する己に苦笑する。
慣れたはずの締め付ける胸元が、いつも以上に苦しい──錯覚かもしれないが。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にアルドヘルム・バーグソンさんが現れました。
■アルドヘルム・バーグソン > 本来ならば見回りなどあまり必要としなハズの王城。
しかし実際は開放的なここは気をつけなければどのような輩が侵入をするか分からない場所であり。
その為に各所には騎士や衛兵が見回りに出され、その場所は広い庭園にもおよび。
そんな静かな庭園内を腰に帯剣した剣の音を小さく鳴らして歩く。
よく王城内には正体不明な侵入者は多いが、目立たないとはいえこの場にも来ないとも限らない。
今もテラスから見えた人影の確認という意味合いも込めて足を運び、聞こえた微かな声に向けて石畳の上を歩き。
「失礼、こんな時間に一人とはどうしましたか?」
石畳を進み、整えられた緑の刈り込みの隅にあるベンチに人影を見つければ声をかけていく。
一見すればどこかのご子息かもしれないが、そういう姿の侵入者も居ない訳ではなく。
何処の誰なのかを確認するために声をかけ、その顔を伺おうとして。
■アルヴィス > 吹き抜ける涼気を交えた風に心地よさそうに目を細めた。
ふと。耳に届く、微かな剣帯の音。
自然と視線はそちらへと流れることになる。
目に入るのは、騎士姿──巡回だろうかとわずかに首を傾げた。
近づく姿に、声をかけられるとは思っていなかったのだろう。
淡い驚きと、小さな狼狽を垣間見せるのは、王城に対する物慣れなさゆえ。
彼の責務であろうと、口唇を淡く笑むように綻ばせ、小さな労いの会釈を。
「少し、散歩を。……少し寝苦しくてね。 ──ええ、と。巡回かな、ご苦労さま」
ベンチに腰を掛けたまま、とくに顔を隠す様子はない。
白く、小づくりに整った繊細そうな顔立ちに、金色の髪。
ほっそりとした体つきは、きっちりと締め付けているだけに、男性としてもやや華奢に見えるか。
■アルドヘルム・バーグソン > よく見なければ分からないが淡い驚きと小さな狼狽をした様子に眉が動き。
王城になれていないのか、又は招かれざる客なのかの区分けはつかないが興味を引くには十分すぎる反応。
小さく会釈をする姿は様になっているのでそれなりな家柄か教育は受けているだろうと取り。
「こんな時間に散歩をですか。この最近は寝苦しいのは分かります。
えぇ、そうなりますね。失礼ですがどちらの家の方か伺ってもよろしいですか?」
隠されることもない顔を見れば繊細そうで整った顔立ち。
その華奢な身体つきから城仕えのメイド達が喜びそうな美少年に見え。
しかし何かが引っ掛かりどこの家の物かと問いかけ、隠すようならば別の場所で話を伺う事も考えて。
■アルヴィス > 誰何ととれる言葉に、僅かに首を傾げる。
二度ほど瞬きをして、己よりははるかに背の高い騎士を見上げつつ。
「別に、名乗るのは吝かではないよ。
でも、一応末席とはいえ王族の一端に名を連ねているものに対しては、
自身の名と身分を名乗ってから誰何するのが基本だと城の礼儀作法の授業に習ったけれど、
それは、キミの礼儀とは別のものなのかな」
咎めるというわけではなく、ただ疑問。
上流の礼儀作法というものは色々と面倒くさい儀礼にまみれているものだし、それは単に一方的なものかもしれない。
騎士ではまた別なのだろうか──そうぼんやりと考えながら
「アルヴィス・フォール・セーデルグレーン。 まだ、登城して間もない者だ。 よろしく騎士殿 」
出来るだけ、声は低く取り繕いながらも、少女めいた高さを隠せない。
そのマイナーな名を噂でも聞いているかどうかは神のみぞ知るではあるが、そっと胸元に手を当てて己が名を告げた。
■アルドヘルム・バーグソン > 「これは王族の方でしたか。
あいにく王城は開かれていますので見た目こそ貴族という姿でも実際は違うという方が訪れる事もあります。
王城の関係者、貴族の方ならばそうですが、そうでない可能性もありましたので、失礼」
告げられた疑問に王城とはいえ見た目だけではあてにならないと告げ。
その疑問に相手は間違いなく貴族、しかも王族に名を連ねると聞けば膝をつき頭を下げ。
「私は」バーグソン家の長男のアルドヘルムと申します。
アルヴァス様、セーデルグレーン家のですか…」
低く取り繕われた声の中にまるで少女のような高さを聞き取り。
何よりその聞いた名は付き合いで顔を出した社交界で聞いた事があり、嘘か本当かという噂まで。
そして胸元に手を当てる姿を見れば口元に笑みが浮かび。
「確かに聞いた事がありますね。ですが念のために本人か確認をさせていただいてもよろしいですか?
名を語っているという恐れもありますので」
そう告げる言葉には何かを知っているというような色を滲ませ、着いた膝を浮かして立ち上がれば相手を見ろして。
■アルヴィス > 「──かまわない。
王族の一端にかろうじて連なる、名ばかりの地位だからね。
そんな木っ端王族すらこうして王城に上げてもらえるのだから、
様々な者が訪れることは想像に難くないよ」
ゆるく首を左右に振れば、後ろで束ねた金色の髪が、尾のようにゆらゆらと揺れた。
寝所を抜け出して、こうして散策に出ることも、誰にも咎められなかったのだ、入ってくるのも同じかもしれない。
自身の名乗りに、騎士の表情が微かに変化したような、妙な色合いを帯びたような……奇妙な感覚。
「確認。
……それはよいのだけれど。
どうやって? 僕の部屋に、案内して誰かに首実検してもらえばいいのかな?
バーグソン卿… 」
邪気なく、問い返して──わずかに、戸惑いを帯びた。
彼の言葉に別の含みがあるような気がして、心の隅に淡い翳りが滲む。