2021/06/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城内 訓練場」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 王城内 訓練場」にクルサオルさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > その日の訓練場は空気が張り詰めていた
いつもの訓練やじゃれ合い 下手なプライドや手持ちの高級酒を賭けるようなものでもない

団長や教官が剣速を鍛えさせる 剣技を 流派を 与え学ばせて何度も何度も心を折らせ、蘇らせる
あの刃を鍛え上げるかのような訓練とも違う

そう、それは殺し合いの空気にも似ているが、もっと単純に言えば

             獣 と 獣

互いが対峙し合い、終わるまで終わらないという意思が見えるそれ
適当なところで手を引くものも、悟りもない
理性も本能も全てを戦いに傾けてしまったかのような気配を二人に漂わせている

暴獣のような言われを誉め言葉として受け取るメイラ
そのメイラと最近は共闘することが多いせいか、王城内にメイラの供として参じれたクルサオル

混ざり物名前を持つケダモノとケダモノが対峙しあう空間は、見世物ではない
巻き添えも覚悟の内なのか、全員が壁際で離れ見つめる先

訓練場の向かい合うライン引きされただけの舞台の上で、メイラはいつもの黒の一張羅
リボンタイやメッシュを編み込んだロングスカートスタイルと言えども、四肢に黒鉄を身に着けた姿で
大亀甲紋の特大鋼鉄盾を左手に携える。
対するクルサオルは、片面を革眼帯で覆うというデメリットを抱えながらも、まるで引けをとらない
肉厚な幅もあるバスタードソードを携え、対峙する。

『あの二人、筋力つぅか、怪力の具合が似たり寄ったりだってよ……』

『ウェッ、マジか。』

ひそやかな二人を化け物扱いする声の中、二人は気にも留めない。
いずれ、本気でやりあってみたいとどちらかが言った
どちらともそれを承諾し、今日がその日になった
それだけのことだ

「さぁ、始めましょうか。」

ギザ歯 そして口角が三日月を描く化生の笑みを浮かべる黒髪の怪力令嬢が、戦力として認めている
もう一人の化け物へと声をかけた。

そしてそれと同時に クルサオルの返答でも聞こえたのなら、誰かが言うだろう

         『    は じ め っ  ! !  』

クルサオル > 周囲の空気などものともせず、その者は自身の得物を握る。
金色の柄、そして新品のような鋭い刃。両手でも、片手でも振るえる
見た目で言えば、少しだけ高価そうな普通のバスタードソード。
服は旅人としての機能と戦闘する者としての機能を併せ持った動きやすく
同時に肌を無駄に見せない衣類、この国の者達は、見慣れないものだろう。
防具の類は服の下に多少は着ているが、ほとんどサポーターに近いものだった。

―――獣

誰かが、自分と彼女をそう形容したことがあるのを覚えている。
自分は彼女ほどではない……と言い切れないのはわかっているが。
それでも獣と言われるのは少々心外だった。
だが、周りからそう見られるということは、そういう風になっている、ということか。
外面は基本的に戦いにおいては気にしたことはない。
だから少し、気にして見ようかな。と戦い以外の事を一瞬考えつつ。

「……やっと、この日が来たね」

メイラに対して、そう零しつつ。
剣を両手でしっかりと握り、正面へと構える。
殺気がないはず……あくまで、訓練の延長線上のはずだった。
だが、もうそんなことは彼ないし彼女らは考えてはいない。

極上の戦士が、相対したら、やるべきことは一つ。

スタートの合図が出た瞬間……呼吸する間もなく、一気に接敵して。
その両手剣で突く。
振り上げるような予備動作のない、その踏み込んだ速度に合わせた突き。
侮るなかれ、逆に言えば、攻撃の瞬間が見づらいのだ。
同時に、もっとも殺意の詰まった【点】とも言える、が。