2021/03/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にイヴリールさんが現れました。
■イヴリール >
「──………」
薄暗くなった頃
王城の廊下を歩く白い小さな人影
これからお城は夜の宴がはじまる
名前だけの姫である自分は当然、そんな場に赴くこともなく
宴の会場に向かう貴族達の様子を、ただ眺めていた
中には王城の外から連れてきたらしき女性を連れている者もいて
なんのために…ということが、今のイヴリールには理解る
「………」
きっと、淫らなことをされるのだと、理解ってしまう
このお城では夜が更ければそういった宴が、地下などで行われていることも知ってしまった
■イヴリール >
彼女達がなぜ彼らに身を預けているのかはわからない
金銭の為であるのか
身分の為であるのか
それとも何かを握られているのか…
あるいは、自分と似たような理由なのか
思わず足を止めて、そんな彼らが宴の場へと向かう姿を見送った
僅かにそんなことを想像したせいで、ほんのりと頬が赤くなり、俯く──
■イヴリール >
──自身が宴の場に喚ばれることはない
カルネテルの名前は利用できる…それに意味があるらしい
故に臆病なイヴリールは『都合の良い姫』として
一部の大臣、そして王国貴族に占有され、重宝されていた
同時に──性処理用の雌としても
もっとも、その噂は王城に縁のある者なら耳に挟む程には、知れ渡っていたが
こうやって外を歩けば、城の使用人達にすら疎ましゲな視線を向けられる
兵士達にすら、卑しい笑みを向けられる───
けれどそれは自分が受け入れたこと
もう、あの薬なしでは普通に生きることもできないのだと、諦めたことである
宴に連れられていった女性達
彼女達の姿を見て『自分と同じかもしれない』なんて安堵を覚える自分が、卑しく思えた
■イヴリール >
王城の中、鳥籠の中で
いくらかの人と出会い、言葉を交わし…
外を見せたい、と言う人…約束してくれた人
必ず連れ出すと言ってくれた人
力を与えようと囁く人もいた
「(なのに──)」
小さな勇気を貰ったはず
自分で歩む足も備わっているはず
とくん、と胸が跳ねた
「…あ──」
同時に、寒気が遅い、膝が笑う──
毎日のことなのに、慣れない…魔薬が切れた症状
そういえば数日の間…"彼ら"は王城におらず…薬をもらっていなかった
「う…──ぁ、は…っ……」
崩折れる
もらった、小さな勇気や、希望が塗り潰されてゆく
『姫』
背後からかけられた声に、振り返る
『──お薬の時間ですよ』
揺れる視界には…"彼ら"の姿
柔らかな絨毯に膝をついた、少女へと差し伸べられる手
「……──はい…♡」
少女は、その手をとった
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からイヴリールさんが去りました。