2021/01/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城内 訓練場」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ > 昼の王城内部 訓練場の外では、女の怒声と砕ける何かの音が時折響いている。
周囲は訝しむ声のほかに、王城内で真面目に訓練している者か、甚振るサド野郎がいるのだろうとすぐに耳を心でふさいだ。
――――――――――――――――――訓練場内部
「ハァッ……っ!ハァッ……っ!ハァッ……っ!」
そこには黒髪と黒生地ロングスカート意匠が目立つメイラがいた。
汗を額からにじませ、四肢の先に取り付けた装甲以外、生地と革でしかない鎧とも呼べない戦闘衣
瞳は赤く濡れ、獣のように戦意を閉じていない
前髪が張り付きながら、吐く吐息は場内の、この石壁の中ではより冷えて映るだろうか 何度も白く吐き出されている。
ギザ歯は呼吸で開き、その尖った歯列は喉を鳴らせば、 グルルルルッ と音を幻聴しそうだと思わせた
メイラは、両手には何も持っていない。
周囲に転がるのは、甘藍程の大きさの石塊や砕けたもの
愛用の盾は、壁に立てかけられたままだ。
そしてメイラの目の前にいるのは、昼も最中だというのに、土いじりが得意な魔術師に産ませた、ストーンゴーレム
両手には、ちぎり取ったように自身の体の凹凸から掴み上げた、石弾を持ち、投げつけてくる
そして、その体は再び錬金という作用が働き、石を取り戻すのだ。
「ガァッ!」
手首上から指先を覆う、黒鉄色のガントレット
岩を殴りつけて弾き返す拳
裏拳を重ねるようにして逸らすパリィ
まるで小盾術のような行為をガントレットで行うという訓練を、メイラは没頭していた。
■メイラ・ダンタリオ > 自我のないゴーレムは実につまらないと、メイラは舌打ちしていた。
駆け引きもなくただ機械的にこなしてくる。動作は訓練相手には相応しいものの
体の内側で興奮のアドレナリンが湧くよりも、怒りが先んじていた。
砕き、弾き、叩き落とす。
最初こそペースは掴んで、しかし今は何発か貰っている状況である
疲労が重なる中を、耐久性を上げる肥やしにし両脚は崩さない
しかし相手に挑発行為は意味を持たず、ひたすらに耐えきる訓練はメイラを消耗させ続けた。
「こんな石塊如きに、このダンタリオが浴びれられ続けるなどと……っ!」
このゴーレム、学習していくかのように暴れ方を都度変え始めたのだ。
元は鼻についた魔術師の戯言に、訓練に使ってみたいと言ったのが始まりだった
投げつけてくるだけの当初は、大盾で反らしと受け止める行為を続けていた。
中にはシールドで石塊を叩きつけて胴体へぶち込んだ事もある。
これではあまり意味がないと、大盾を外し、シールドパリィの訓練としてガントレットで行っていた
此処から、調子が崩れ始める。
ゴーレムは、石塊に回転をかけるように投げ始め、受け止めるタイミングをずらしてくる。
時には壁にぶつけてから狙う行為すらあった。
「跳だnっ!?」
壁はまだ見れる。
しかし、石塊に石塊を投げつけての弾道を読む行為を消された瞬間、壁にメイラは叩きつけられた。
咄嗟に構えた、両腕を盾に突き出した構え
まるで兜竜にぶつけられたような衝撃
「カ―――ハァ゛……っ!」
ズルリと、壁に叩きつけられ、膝から崩れたところでゴーレムの術式が戻り、物動かさぬ石造へと戻った。
ご案内:「王都マグメール 王城内 訓練場」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。