2020/09/28 のログ
グレモリー > やはり、彼もまたこちらの存在について認識はしている様子。
最も…彼が招かれた客か、招かねざる客かどうか判断しかねたが。
なんとかこの場をやり過ごそう…と言った振舞いや様相では無いあたり、問題のある人物ではないという判断。

「まぁ、こんな遅くまでお勤めなさるとは…見習いたいものですわ」

彼が役者めいた身振り手振りでこの場にいる理由を説明すれば、女はそれを素直なまでに受け取る。
そこになんの卑屈さも、疑心もない純真たる称賛。
両手を合わせて微笑む女の言葉は、心地よく。

「私の今宵の務めは一応の一段落を…しかし、お客様がお手すきとなっているのであれば、ご案内などお付き合い致します」

彼の疑問に丁寧に応え、そして求めがあれば彼の暇つぶしに付き合うともとれる言葉。
忠義に厚い様子のそれは、とても軍属とは思えぬほど懇切丁寧で。
話の通じる…むしろ通じすぎる相手として認識できよう。

「それに、わたくしにご興味が御有りではないかと…」

ふふと笑みを浮かべた女は小さな声でそんな言葉を。
その実彼に興味を持っているのはこの女も等しいのだが。

ルヴィエラ > 「ふふ、そう言って貰えると、脚を伸ばした甲斐が在ったと言う物だ。
だが、君も遅くまで足を運んで居るのだろう?」

(よく働く事だ、と、労いには労いを。
其処に裏が在るのか無いのか、推し量って仕舞うのは己の癖でも在る訳だが
其れを言葉にまで乗せる様な事はするまい。

案内を女が申し出て来るのであれば、ならば、と頷こう
軍属と言うよりは寧ろ、教育の行き届いた秘書官の如き振る舞いは
一層、女の存在其の物への不思議さを際立たせるモノ
――なれば、其の申し出を無碍に断る理由なぞ無く。)

「――――――では、宜しければ案内を頼めるかな?
一人で歩き回って、妙な所へ踏み入って仕舞うより安心だ
それに、そう――君の事も、良く知りたい物だね。」

(其れが――お互い様、である事は己もまた良く分かって居る
行先は女へと任せよう、行きたい場所、説明を受けたい場所
そんな物は生憎乍ら、御世辞にも在るとは言えぬし、然程知らぬ
例え案内された場所が、何も無い只の一室であったとて、きっと文句は言わぬだろう)。

グレモリー > 「はい、それ故に今宵の出会いも、お互いの利となることを期待しております」

この出会いを、色気もへったくれもない言葉で表せば、だいたいこんな感じだろうか。
深い意味がありそうで、本当に話だけで終わってしまいそうな、絶妙な立ち位置。

差し伸べた案内という安直な誘いに乗ってくれた相手は、さて天使か悪魔か。
期待と愉しみを隠した穏やかな笑みの女は、「それではこちらへ」と片手を添えて彼を目的地無く案内し始める。

静かな城の廊下に響く二人の靴音は、やがて一つの扉の前で止まる。
包み隠さず互いの事を話すためには、静かで何もない部屋が必要だ。
女の案内したのはそういう部屋、人目に付きにくく、監視の目も術も無い都合の良い部屋。
幸いにも今宵は使用中ではないその部屋の扉を開けて、己から先に入るのは罠ではないという意思表示。

「さて、ここなら気兼ねなくお話ができます。
まずは自己紹介から…私、グレモリーと申します。
王国軍第十三師団に属する、一文官にございます。」

案内した部屋は城内にありふれた客室のひとつ。
その部屋に彼を誘い、くつろぐよう促せば、まずは己の自己紹介から。

ルヴィエラ > 「―――ええ、私もそう願っているよ。」

(――あくまで、この場では。
周囲に対して、ある程度は当たり障りのない言葉を交わす
飽く迄己が案内されて居ると言う体を崩さぬ様に、女が導く儘
時折、あの部屋は、あの場所は、なぞと問いつつに、後を付いて行くだろう
無論、其処に詳細な説明を求めて居ないのは明白だ
飽く迄上辺だけの質問、とは言え、純粋な興味と知識欲で耳は傾けるが
何れにしても、目的地は最終的に、何の変哲も無い部屋の前
其の扉に至っては、寧ろ、説明なぞ欠片も必要が無い程の。)

「―――――……お気遣い感謝するよ、御嬢さん。
私はルヴィエラ…元はハイブラゼールに居を構える娼館主だ。
此方では、余り耳慣れぬ名前だろうがね。」

(部屋の中へと、然程気にも留めずに足を踏み入れる。
後ろ手に扉が閉ざされれば、促される儘に椅子の一つへと腰を降ろし
――そして、応える様に己が名も、相手へと告げるだろう。
偽った所で、何の意味も無い。 調べれば直ぐに判明するだろう。
或いは――相手の知識が、この王都だけでなく周辺地域にも向けられて居るなら
ハイブラゼールの高級娼館、其の、神出鬼没な主の名を
耳に入れている可能性も、無くはない、が。)

「――――先ずは、純粋に。
……こんなにも堂々と、軍属として活動して居る同胞が居るとは、思わなくてね。
思わず不躾な視線を向けて仕舞った事を、謝らせておくれ。」

グレモリー > 他者の目もない安全な部屋。
そんな場所でも女の振舞いは変わらず、懇切丁寧なまま。
くつろぐ彼の傍らに佇むのみ。
せいぜい変化は、口数が増したことくらいだろう。

「ルヴィエラ様…ふふ、そのようなことございません。
ハイブラゼールのファタールの名は、王都においても人々に心地よい夢を見させてくれると、秘かに話題に上がります」

本音か建て前かどうかはさておき、少なくともハイブラゼールの娼館主で、名前がルヴィエラという情報から、ファタールと言う名を引き出したあたり、見分は広そうである。
彼の正体がわかると、女の蒼い瞳が仄かに色めきだったかもしれない。
なにより彼が正体を隠さず話したことに応えるため、女もまた包み隠さず。

「恐縮です、とはいえ…私は流されてこの場にいるようなもの。
扱いの悪さは承知の上ですし慣れております、ルヴィエラ様が謝罪することなどございません。
ですが、お気遣いいただけてうれしいです」

やはり、己の立場からの扱いの悪さは身に染みているのだろうし、それでも慣れているというよりうまく立ち回っているのだろう。
彼の謝罪を謙遜しつつも受け入れる女は、彼の元に膝をついてしゃがみ、彼の顔を覗き込むようにしつつ、柔らかな笑みを浮かべた。

ルヴィエラ > 「ファタールが知られて居るとは、随分と有名になった物だ。
そう、元はハイブラゼールに居たが、最近になって王都にも店を構えてね。
今は、敵を作り過ぎぬ様に、色々と…と言った所だ。」

(本音でも建て前でも構わない。 肝要なのは、相手が其の名を知って居たという事。
見分の広さか、或いは目を付けられて居たかは判らぬが
此処最近になって、娼館側に何らかの問題が起きたと言う報告は聞かぬ故
今は、前者と思って置く事にしよう。

己が客人の立場とは言え、相手は言わば王城を本拠とする役人
そんな相手が、己が前に膝をつく様相を自然、見下ろす形となるなら
おや、と、僅かに首を傾け、そして、其の顔を覗き込む様に上背を前に傾けて。)

「……何れかの理由が在り、承知の上で此処に居るのなら
口出しなど以ての外、ただ、上手く遣れて居るのなら其れが全てだよ
……もし、望まずと言うのなら、其れは其れで考える所もあったがね?」

(ふ、と、戯言めいた言葉と共に向ける微笑
叶うならば右掌を、見上げる女の、其の頬へと伸ばして、目元を撫ぜよう
其れは、先刻までの探り合う様な其れとは異なり――同胞たる娘を、純粋に
労い、そして、愛でる様に)。

グレモリー > 「うふふ、情報収集は私の職務上必要不可欠です。
特に娼館は様々な情報が集まる場所でもありますから。
それでしたらお力添えできるかもしれないですが…今は…」

目をつけていた…というのは事実であろう。
あくまでこちら側が興味を示していたという理由ではあるが。
正直なところ、そのファタールの主が今この場にいることは、女にとって渡りに船かもしれず。
友好的な関係が築ければ…だがそれにはまず互いをよく知る必要がある…どんな形であれ。
だからその言葉の続きは紡がない…ただ相手を見つめるだけで。

「お心遣い感謝します。
ですがご安心を、この場に勤めているのもやりがいあってのこと。
それに…同志は思いのほか多くいるものです」

彼の心配は無用だろう。
女は好きで今の立場を楽しんでもいる。
それにコートの肩に紡がれた13の刺繍を撫でる表情は穏やかなもの…仲間には恵まれているのだろうと想像できる。
と、彼の暖かな掌が頬に触れて、視線は改めて彼の瞳に。
目元を指で撫でられ、向けられる愛のある視線に、女の頬は仄かに赤く。

ルヴィエラ > 「――――地盤を固めるのは、何よりも大切な事だ。
特に王都では、ハイブラゼールとは違って気を遣う事も増えるのでね
そんな折に、もし君が助力してくれるのなら、嬉しい事だがね。」

(娼館が、様々な情報の坩堝である事は、己も良く分かって居る
相手が友好的な、或いは其れが純粋な利害の一致による物だとしても
「協力」して行けるのならば、其れに越した事はあるまい
下手な小貴族達を抱き込み、グラスを交わすよりも余程、意味が在ると言う物だ

ただ――其れにも、段階が有る
名を交わした程度の時間で、全てを繋げるには至らぬ物だ
互いに必要なのは、互いが必要として居る物は。)

「……其れを聴いて安心した。
この中でも、君の様に力強く歩んで居る者が居るのなら
館の娘達にとっても、良い土産話となりそうだ。」

(――環境も立場も、其々異なりはするが
娼館の娘達にも、元は大手を振って歩けぬ類の者が多く居る
目の前の娘の存在は、そう言った者達の力となるやも知れぬね、と
そう呟きながら、緩やかに其の頬を指先が撫ぜて行く

僅か、女の頬に赤みが差すなら、多少揶揄う様に微笑み
指に掠める金色の髪糸を、軽く絡めて持ち上げれば
其処に、柔く唇を触れさせ。)

「――――余り、こう言った事には慣れぬかな?」

グレモリー > 「…意外かもしれないですが慣れません。
こういうところには、強引な方が多いので…」

己の毛先が唇に触れる。
かすかに感じる擽ったさと、シャンプーの良い香り。
女の言う通り、こういった甘い雰囲気というものは、王城の中においてはあまりない。
たいていの場合、肉欲にかまけた強引なものや、搦め手といったものがほとんどだ。
故に、こういった甘い手合いには少々戸惑い。

「その…ルヴィエラ様の手解きのままに、お願いをしたく…」

結局のところ、相手にお任せしますとのことで。
ほんのり視線が泳いで、頬の赤みも増したまま、されるがままになりそうなところ。
一応に彼に手を伸ばしてみるものの、客人たる相手に気安く触れず、彼の膝や腿に両手を添える程度しかできず。

彼がどんな反応を示すかはわからないが、二人はこの個室で暖かなひと時を過ごしたことは間違いなく。
その具体的な内容については、二人だけの秘め事となろう。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からグレモリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からルヴィエラさんが去りました。