2020/04/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にナインさんが現れました。
■ナイン > (――端から見たなら。それは単なる世間話だ。
廊下の一角、とある金満貴族の前に立ち。小首を傾げてみせ乍ら、少女は語る。)
えぇ、えぇ存じておりますとも。
私も先だってのオークションに赴いていたもので。…貴殿のお姿を会場で拝見しておりました。
…あれは確か。帝国に伝わる…五本爪の竜が有していた鱗、とやらでしたか。
先方では三本爪ではなく五本爪ならば、それは皇帝の証とされる――とか。
(今現在も続いている、ハイブラゼールでの一大オークション。
己は親友と共に買い物を愉しんだ…という程度だが。中にはこうして、大枚をはたく者も居る。
…鷹揚な相手の頷きに目を細め。)
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にヴェルムさんが現れました。
■ナイン > (あわよくば、己が頂点に立つ。
僅かなりとて王家の血が流れているのなら。些末に等しい傍流であれ、一度は抱く野望である…筈。
その貴族も亦同様に違い無く――だが、縁起担ぎの様な品に現を抜かしている段階で。己にとっては見下げた存在。
さりとて、「金を持っている」という事だけは。紛れもない事実なのだ。
放っておけば幾らでも続くのではないか。そんな風にすら思わされる、競り落とした品々についての言葉を。
一度、片手を上げて押し留め。)
折角です。その御威光、民草にも見える形で知らしめられては――
えぇそう。件の砦、アスピダですよ。
…傭兵であれ何であれ、動かすには金が要るという事。良く良くご存じでしょう?
貴殿のお力添えが兵を支え、城塞都市を開放に導いたのだと。存分に喧伝させていただきますとも。
(その地名を聞かされて。途端、目の前の貴族は顔を顰める。
……嗚呼、と。思い当たるのは。屹度此の男も亦――嘗て騎士団を疎み、敗戦を強いた者の一人なのだろう…と。
己は残念乍ら。彼の御仁が現役であった二年前には、此処に立って居なかった。
清廉を疎む者達による噂話を聞かされて――だからこそ良く解る。出過ぎた故に打たれた…討たれた杭であったのだろうと。)
■ヴェルム > 廊下にて談笑に勤しむ目的の人物を見つければ、その師団長はタイミングを見計らい声を掛けよう。
話の腰を折るにはちょうど良い頃合いだったかもしれない。
最も彼の話し相手が己の良く知る女性であったのは予想していなかったが。
「こちらにおいででしたか、間もなく宴のお時間ですので」
このような伝令のお使いまがいの仕事、本来は師団長クラスの者がやるべきものではないが…結局のところ十三師団だから、で済まされるのが現状だ。
声を掛けられた貴族の男も、宴の言葉を聞いて色めき立ったろう。
どういう宴かは傍らの少女もよく存じ上げているところのはずだ。
まぁ、話の腰を折られた彼女にしてみれば、ご不満かもしれないが。
■ナイン > (今現在。ちょくちょくこうやって、各々の貴族に粉を掛けている。
どうせ金が有り余っているというのなら。此の国の為、適度に吐き出させる為だ。
無論即座に肯く者は多くない。中にはあからさまに若輩者扱いで罵倒する者も居る。
寧ろ其れなら余程マシであり。手痛い目に遭い掛けた事も、一度や二度ではなかったやもしれず。
もしかすれば今回も。相手の出方次第では、そういう危険性が有ったかもしれない。
だから不意に掛かったその声は。己と、相手と。どちらにとっても「助かった」と言える物だったかもしれず。)
―――― …もう少し待ってくれても良かったんだぞ?師団長殿。
あの御仁にはもう少しばかり…脅しを掛けても良かったのだから。
(だが、勝つも負けるも戦の常。勝負を投げ出したくない少女にとっては。
鬨の声を放った彼へと、不満気な顔を向けてしまうのも。仕方がないという所。
何より相手が――時間を告げられた貴族が、何とも上機嫌な色惚け顔で、足音も軽く立ち去っていくのが。
……有り体に言って。腹が立つ。)
■ヴェルム > 国を取り巻く諸問題が山積し、力を持つ者たちが全力で取り組まねばならない事態になっている現状。
ああやって宴にいそしみ、国難を顧みず己の欲望に忠実な日和見は腐るほどいる。
今更そんな貴族のふるまいを見て感情的になることなどありはしないが、傍らの彼女は存外そうでもなかったらしい。
「はっぱを掛けるのはいいけれど、アレの表情からしてアスピダの件は手痛いネタだったみたいだ。
ならば逆に脅し返されるか、それ以上の事があったかもしれませんよ、お嬢さん」
不満げな表情を向ける彼女に対し、貴族を見送った男は忠告めいた言葉を選びつつ、からかうような所作で彼女に笑みを向ける。
こういったことをしていれば心当たりの一つや二つありそうな彼女ならば、それ以上の不満は口にすまい。
「それで、卿は宴には…行かないですよね」
まぁ聞くまでもないことだが、一応確認しておこう。
■ナイン > (…無論、あぁいった輩が全てではないと。
先日執り行われた会議でも、確認する事は出来たのだが。
耳の痛い事も言われた通り…矢張り。褒められた物ではない、そんな者達の方が多いのだろう。
遠離る貴族の背中に。くしゃくしゃと前髪を掻き毟りつつ。
その場に残った彼へと振り返れば、もう。畏まった態度なぞ放り捨てた何時もの貌で。)
…だけ、ではないよ。彼奴がオークションに用いた金の出所だとか。突ける所は色々有るのさ。
ふん、殴り返される位は解っているとも。…どうも……私の近しい者達は。心配ばかりしてくれる。
(いっそ、「いいぞもっとやれ」だの嗾けてくれる者は居ないのか。
そう、憤懣やる方無さ気な悪態一つ。
良い意味だろうが悪い意味だろうが。子供扱いされているような気がすると、どうしても。素直に受け取れなくなりそうだった。
…彼が重ねた問い掛けに。にまりと、さも悪し様に笑んでみせ。)
いっそ乗り込みたい位だけれどな。私にだって色々と発散する権利は有るだろう?
…とはいえあの御仁の顔だの裸だのが目に入るようでは。屹度、色々と萎えるのだろうな…ぁ。
■ヴェルム > 彼女がいろいろと根回しに奔走し、少なからず事態を打開しようとしているのは、遠くにいても耳に入る。
故に、彼女のひたむきな頑張りは、ただ状況を受け入れるばかりのこちらにとっては羨望の意味で歯痒く思えてしまう。
取り繕うことを止めた彼女にくすりと笑えば、男も気楽にして。
「ああ、ナイン殴られてたらアイツ斬り捨ててたかも。
いいじゃない、心配してくれるのがいるってのは今の時代大事だよ。
少なくとも僕にとっては数少ない友人だからね」
笑顔で物騒なことをのたまいつつも、根はやはり心配してのこと。
師団長という立場から仲間は多くいても、気の合う友人というのはその出自故に数少ない。
それにナインのしていることは端から見れば多少スリリングな部分もあってか、心配の意味で子ども扱いされている予想は、あながち間違いではなかったかもしれず。
…それを口に出すわけもなし。
「はは、なら行くところは一つだね」
笑みを見せる彼女の頬に、男はそっと掌を添えて笑う。
どのみちアスピダの件を話し合うため、一度拠点に戻るつもりだった。
その話し合いが一日ずれ込もうが、たいして変わりはしないだろう。
もう少しの談笑を交えた男女は、王城の外へと向かってゆくか。
■ナイン > (徹頭徹尾。現状己が目的としている事は変わらない。
国家の維持。あらゆる国難、外患内憂一切から、此の国を護る事。
その為なら男の拳骨なぞ安い物――それ以上の諸々も。
だが、心配は心配だと返されたようで。結局彼の物言いに、それ以上反論する事は無かったか。
実際――彼と、それ以外と比べて。若いという事は、頑とした事実なのだし。)
っは、ん。そうなったらなったで、面白いんだが――流石に。早々気安く見たいとは言えないか。
…忠告痛み入る、とだけは言っておくよ。 ヴェルム。
(もうこの頃には。先の男だけでない。此の廊下で宴が始まるのを待っていたのだろう、他の貴族達も皆。
指定された広間へ続々と入っていき、その場から居なくなる。
ならば尚更取り繕う必要も無かろうと、彼の事を名前で呼べば――歯を剥くような。貪欲な、笑み。)
……ぁは、そうさな、多少順序が変わろうが大差は無いか。
どのみち貴男達にも色々と、用はあるのだし――
(その用が一つ増えるか。順番を変えるか、それだけの事。
王城の中、後で続けるのは程々に当たり障りのない、近況確認のような会話だけ。
一応。何処に他者の耳目が有るともしれない、そういう場所である為に。
――本来の用向きも、もう一つの欲望も。全ては此処を出た後だ。)