2020/03/17 のログ
■ゼロ > すごく嬉しそうな彼女、唇が、三日月のように笑みを作り上げている、そんなに訓練をしたかったのだろうかと思うのだ。
此方は此方で、それで良いと思うからこそ、首肯してみせるのだった。
彼女のあれは訓練ではない模様、自分の返答から彼女は跳躍し、反転する。立ち上がる姿を眺めるのは、彼女が準備運動をしているから、で。
自分も軽くした方が良いか、と腕と足を軽く回して解すようにプラプラ揺らした。
「了解、では、実戦形式という事で、殺傷クラスは無し。」
そういいながらも彼女の服装、シェンヤン風の服装で確か包だったか、それともチャイナドレスだったか。
防具を着ているようには見えないが、いいのだろうか。
良いのだろう、あんなに自信満々なのだから。
「はは、何のための兵士か。武器とは手段。」
少年にとって、武器とはそういう物である、殴る蹴る、それも手段。
彼女の持つヌンチャクを見ながらも、少年は鉄の槍をぎゅるる、と風車のように回転させてからぱしり、と掴んで留める。
やや下方面、彼女の太もも周囲を指し示すように構えて。
「では、胸を借ります。」
一言。
先ずは踏み込み、地面を踏みしめる震脚で勢いを増しながらの、中段突き、狙いは彼女の下腹部の辺り。
槍のリーチギリギリ、遠距離からの様子見で、矢のように突き込んだ。
■ホアジャオ > 風切って回される槍を見て、あはは、と声に出て笑いが漏れる。
こちらもヒュンと上下左右脇下から背中へと獲物を通して見せて、ぱし!と鎖を背中側に通して両手に構えた。
「負けた方が、今度ごはんおごりね…――――ッとっ!」
踏み込みと共に繰り出される突き。
その突き出しの動作と女が跳ねるのは同時だったろう。
高くでもなく低くも無いそれは丁度突き出された槍と同じくらいの高さ
―――だからこそ
床を蹴った女が次に踏み台にしたのは、槍の柄。
がくん、と少年は引っ張られるような感覚を覚えたろう
「でァっ!」
その次の踏み出した爪先は
少年の頭上を飛び越すついで、顎を蹴りあげてやろうと狙う!
槍を手放して逃げるのならば、手にしたヌンチャクで以て追撃しかけてやるつもり――――
■ゼロ > 「二つの鎖でつながっている武器……鞭のように使う物……か。」
見たことの無い武器、彼女が振り回している様子を眺め、少年は呟く。今まで見たことの無い武器だ、そういう物と戦う機会はとても貴重であると認識。
にぃ、と仮面の下、隠された顔の唇が吊り上がってしまう。個人トレーニングのつもりで来たのに予想以上に、いい経験が出来ると。
「了解」
負けたほうが奢るという言葉に少年は、同意の一言。
突きに対しての反応は、流石と言える、身軽な動きから、自分の槍を回避しつつその上に乗るのだ。先程のボールの上での動きからも、とても体幹がしっかりしているのだろう、バランス感覚も又並々ならぬものと。
彼女は、知らぬだろう、少年の肉体を。そして、ふみ台にしたときに知るだろう。
―――踏み台にした槍は、地面と同じように彼女の跳躍をしっかり受け止めたのだ。人の体重を、蹴って飛ぶその力を受け止めきる剛力を持っているのだ。
伊達に全身鎧を身に纏って居ないという所でもある。
「――っち!」
とは言え、鋼鉄の槍の柄が踏み台にされたことは理解できて、彼女の爪先の狙いに気が付く。
顎を揺らされれば、一瞬でも意識が飛んでしまう、それは今回の条件では敗北と同義。
成れば少年の選択肢は。
「ふん!」
そのまま、彼女の足に向けて、頭を下げる。顎ではなく仮面で、額で受ける動きと言うか……単純に頭突き。
打点をずらし、意識を刈り取られるのを避けつつの反撃。
■ホアジャオ > 思いのほか床の次に蹴りつけた柄の踏込みはしっかりしていた。
少年の膂力に感心するとともに、それは自分の蹴りの勢いも増すということにもなるわけだ
が―――――
「!!ゎ…」
相手との距離的にも支点的にも蹴りあげた爪先へのコントロールを制御し直す間はない。
引かれた顎とは対象に突き出された額によって、爪先は痛烈に弾かれる。
女は一瞬、顔をゆがめるが嫌な音まではしなかった。
そのまま少年の頭上を跳び越し――――その刹那に
「こ、―――――ンなろッ!」
構えたままだったヌンチャクを一閃、右腕で背中目掛けて振り下ろす!
あわよくば、少年の手元。槍の柄がはみ出ているならば、絡め取ってやらん、と―――
当たらずとも叶わずとも、己が着地して体勢を整えるまでの距離と、時間は稼げるはずだ。
■ゼロ > 流石に、頭突きではダメージは与えきれなかった模様、それもそのはず、彼女は中空に浮いて居る状態なのだ、それで足に対しての攻撃は、カウンターとしては良くても、当たった場所から回転してダメージの大半は抜けてしまうものになる。
自分へのダメージが減ったという事に少年は効果を見ることにした。
「……む。」
そのまま、彼女は勢いのままに自分を飛び越える。槍を突きこんでいたが故に、更に、無理な体勢での頭突きでその動きに反応することが出来なかった。
彼女のヌンチャクは自分に振られて、そして、槍が絡め捕られて仕舞う。長いから仕方のない事だろう、それに固執する少年でもなく、直ぐに手を離す。
穂先も、柄も、すべて鉄でできている槍を手放しながら、少年は前転して向き直ることにする。
そして、腰に装着していたナイフを……ナイフと言うには大柄なそれを両手に握る。
現代風にいえば、ククリナイフとか、グルカナイフと呼ばれるそれは、断ち割りを意識した凶悪なナイフだ。
それを両手に構え、空いた距離を詰めるように少年は跳ぶ。
床を踏みしめ、一歩、二歩。
まるで弾丸のように鎧を着ているとは思えない速度で、間合いを詰める。少年の本当の武器は。
ナイフと体術による超接近戦。全身鎧は拘束具ではなく、一撃の重量を高めるための重りだ。
■ホアジャオ > 「太好了(よっしゃ)!」
槍の柄が絡め取れれば、宙返りしながらぐいと引く。
体重をかけて引くつもりが――――思いのほか思い切りよく、少年が手放した槍はすぽんとこちらに引き寄せられる。
違和感。
がらん!
と大きな硬質の音を立てて床に投げ出される槍と共に、着地からごろんと転がって体勢を整える。
そうして、正に『突進』してくる少年を捉えて妙に納得する。
(アッチが本尊なわけね)
硬くて重い攻撃は、軽くて鋭い自分のものとは正反対といっていいもの。
避けるのは正直、簡単だけども――――
「――――それじゃ、つまんないモンね、ッ!」
だん、と床を蹴り、こちらからもぶつかる様に奔っていく。
武器の射程の距離はきっと、こちらが先。その瞬間に
「せァっ!」
びゅん!音立てて下から顎を狙う一撃
当たるのは期待していない。それが一瞬でも少年の視線を逸らすならば
すかさずその足元に滑り込むような蹴りを放ってやろうと―――
さもなくば
相手の刃は残ったヌンチャクの柄で受け止められるか、どうか
■ゼロ > 彼女は、何かを叫んだのが聞こえたが、然し、理解できない言語だった。シェンヤンの言語だろうか。
同時に彼女の武器により、自分の武器が奪われる、やはり鞭のような武器なのだろうと思うのだ、鞭と違うのは持ち手がそのまま殴打部となるところか。
とても複雑な武器なのだな、という印象を見るのだ。
「そう、か。」
戦いに愉悦を感じるタイプの彼女らしい、少年は逆に冷める機械のように淡々と作業とする。
戦闘装置と化す少年は如何に勝利を狙うかに、思考を高速回転させるのだ、冷静に、平静に。
彼女もまた、此方へと向かい奔る。
迅という文字を連想するような速度が彼女にはある。
彼女の攻撃は、再度の顎狙い、今度は、先程の様な動きはできない、此方も加速し、走っているから、無為な動きは速度が落ちる上に、無防備を晒すことになる。
致命的な隙と言う物になるのだ、ならば。
「シッ――。」
鋭く呼気を出しながら、下から襲い来る打点に対し、左手のナイフでの迎撃を選択する。片方でも五キロと、並みの剣と同じぐらいの重さのそれ。
上から叩きつければ、切り裂くことはできずともそれなりの勢いで跳ね返せる。
ガキィン!と金属と金属のぶつかる音が響き、少年はヌンチャクを迎撃する。そして、そのまま踏み込んでいく。
まだ、右の牙であるナイフと。
加速したままの少年の、全身鎧込みの体当たりの二つがあるがゆえに。
■ホアジャオ > 顎を狙った一撃は、隙を作ることも打撃を与えることもなく弾かれる。
正直舌打ちをしたかったが、それよりも――――
ぐい、と弾かれた片方を引き寄せ、ぱし、と受け取る。
少年はほぼ目の前
紅い口は微笑う。
ほぼ地面すれすれ、少年との間へ滑り込むように踏み込んで――――
二つ揃えた柄を、両手で以てナイフの腹目掛けて打ち込む
同時、片足が風切って
赤いスカーフ目掛けて蹴りあげ
ナイフの勢いに押されてしまえば、蹴りの勢いも弱まる算段、だけれども 先ず
少年の片腕対女の両腕
果たして、押し負けるのは――――
■ゼロ > 「―――!?」
彼女の行動は、効果的であった。少年の動きに躊躇が初めて発生する。
彼女のヌンチャクではなく、滑り込む事でもなく。
彼女の狙った首の、紅いスカーフ。
戦場であれば、実戦であれば、諦めていただろう、然して、今は訓練であった。
彼女は知らなかっただろう、少年にとっては、このスカーフは、とても、とても大事な物。
故の躊躇。少年は――――。
がきぃと、音が響く。
攻撃の手を辞め、地面を強く強く踏み込みながら少年は動きを制動し、蹴りの方を避けようとして。
そして、首のスカーフを守ろうと体を逸らした、彼女の爪先は、少年の顎を捉えるのだ。
仮面が外れて宙を舞い、そのままの勢いで、少年は後ろに倒れ込んでいく。
「参りました。」
頭を揺らされてしまえば、動くことはできなくなる。
仰向けに大の字で倒れながら、少年は降参を言うのだ。黒の瞳は、天井を見ているのだが、頭が揺らされているからか、視界がぼやけているな、と呟く。
■ホアジャオ > 妙な間。
少年が、攻撃を避けようというのとはまた別の動きをして
刃と鋼がかみ合う音と同時だったか。爪先は顎を捉えることになる。
耳を貫く金属音の音の後に、少年が床へと倒れ込む音。
少年の、降参を伝える声。
女は蹴りあげた脚をそのまま、片方の眉を少し、跳ね上げる。
そうしてからすとん、と脚を下ろして、少年の仮面へと先ず歩み寄って拾い上げ
くるり、振り返って今度は少年へと近寄って、覗き込むようにしゃがみこんだ。
「―――ハイ、仮面。こンなの付けてるから見えにくかったンじゃァないの?」
言いながらかなり適当に少年の顔の上に置く。
そのまま今度は傍らに胡坐をかいて、ぽりぽりと後頭部を掻いてからにまあーと笑った。
「ありがと!公主の用心棒やってンのにとんと喧嘩にありつけなくってさ、参ってたトコ。楽しかったよ!
ねェ、最後動きちょっとヘン―――というかその仮面もヘンだケド―――やっぱ、スカーフとか汚されたらやだったから?」
見た目(?)に依らずおしゃれに気を使ってンだねー
なんて勝手な事を言ってけらっと笑いながらも、かなりあけすけな言葉で問いかける。
黙殺したってたぶん、むっとしたりはしない。
「じゃァ今度、ごはんおごりね!――――堅苦しくない場所で」
正直王城の(見た目だけでも)格式高い雰囲気に飽きてきている。
出来れば兵士らしい(?)、雑多な場所で、とリクエストをしつつ。
■ゼロ > 体が動かない。脳が揺さぶられているからである、流石に強力な治癒能力を持っていても、之ばかりは怪我ではないので直すことは無い。
なので、其のままに少年は倒れっぱなしで、空が動かない儘に、天井を見上げていた所、歩く音が聞こえる。まずは遠ざかり、戻って来るのだ。
彼女の顔が視界に入る楽しそうに笑って居る彼女を見上げる形になるのだ。
そして、仮面が自分の顔の上に置かれる、さかさまに。
「こいつは、闇の中も見えるし、幻術も見破れる、仮面がある方がよく見えるんだ。そういう魔法の装備。あと、命綱。」
楽しそうにニマニマ笑う彼女、この仮面の所為ではないと、少年は軽く言う事にする。その口元は、楽しそうに少し歪んでいて。
別に負けたことは苦ではない、訓練だし、それに先程の動きは、自分の失態だ、負けて当然であると。
「……公主の?という事は、兵士じゃなかったのか。そっか。鍛えなおさないとな。
これは、大事な人に貰った大事な物なんだ、戦場や戦闘ならともかく、訓練程度で破るのは気が引けてね。
だから、これは俺の迂闊で、負けても仕方がない。
良い訓練だった。」
少年は頷いてみるのだ。
手が少しずつ動くようになり、動けるようになってきた、とのそり、と体を起こすことにする。
そして、仮面を手にすれば、また、元のように嵌めなおす。
「ああ、ご飯奢りか……、いいよ。そういう約束だものな。
堅苦しく無いのは良い、後、何かこれが良いというようなのはある?」
肉とか魚、とか野菜、とか。色々な所で食事をするのが唯一の趣味ともいえる少年は、彼女に、勝者に応えるために問いかける。
■ホアジャオ > 兵士じゃないのか、と言われてきょとんとしてから、しまった、と舌を出す。
そういえばそこのところ、誤魔化してたんだっけ……
「命綱?……フーン、色々あンだね」
身に着ける防具の類は、どういう効能がある何であろうと少ない方が良い。
語られる様々な効能には瞬いて唸りはするものの、羨ましさとは無縁の声音で頷きを返す。
さかさまに置いた(わざとではない、置いたらさかさまだったのだ)仮面の下、少年の口元も楽し気に歪んでいるのが見えると、女の笑みも更に深くなる。
「大事なものだったら、家のタンスにでも仕舞っておいたほうが良いンじゃァないの?破らないように過ごすほうが大変そうだケド……
――――ン?そォだなァ……
取り敢えず、シェンヤン料理以外で、ナイフとかフォークと沢山出てこない所なら、どこでもいいや」
頬と細い目の目元を紅くして、ご機嫌に少年へと話しかける。ご機嫌の原因は、勝った、からではない。
楽しく喧嘩が出来たからに他ならない。
だから食事の注文が適当なのも、決して『味はどうでもいいから』というわけでもない。そこそこ満足できないと、ぶーぶー文句を垂れるだろう。
「―――ねェ、今度はスカーフどっかに置いておいて喧嘩してよ!
他の武器も得意なら、こんどはそっちでサ」
食事の約束の挙句に、次の喧嘩の予約まで取ろうとしていたり。
■ゼロ > 誤魔化すように舌を出す彼女は、楽しそうであり、少年はそういう彼女のしぐさに楽しさを感じていた。
そんな彼女に対して少年は、仮面を被る前ににっこりと笑おう。
「後で、少しばかりお仕置き。―――ああ、色々とあるのさ。」
不法侵入であれば、それは兵士として対応しなければなるまい。これはこれ、それはそれと言う思考。融通利かないともいう。
それと、気のない返答には、まあそういう物さ、という軽い返答。
適当に置いたらさかさまだった、まあよくある話もであるから、少年はそれを気にした様子もないのだった。
「まあ、それもそうだけども。それでも……大事な人からのもらい物だから身に付けていたいんだ。仕事や戦争、戦闘で敗れるなら、致し方ないと思ってるさ。
―――大衆酒場とか、そういう所が良いかな。味よりも量?量よりも味?どこでもいいというなら、俺の好みで決めるよ」
ご機嫌な様子、機嫌がいいなら、それを悪くするつもりもない。彼女の軽い言葉にもしっかり返答を返して見せてから。
あ、これ面倒なタイプだと理解する、何でもいいという女性ほど、何でもいいわけでは無いのだ。
とはいえ、今日初めて出会った相手の好みなど判らない、さて、どうしたものか、幾つか思考でピックアップ。
具体例を挙げて様子を見たりする狡い男。
「―――まあ。訓練という名目であればいつでも。」
そういいつつ、首のスカーフを外す。
その首には、首輪のような文様がある、奴隷に付ける様な支配の文様。
「これがあるから、スカーフ無しはありえない。まあ、別のスカーフは用意しよう。」
別に、予約自体に否やは無い。
訓練は歓迎する、と剣かとするか訓練とするかは、個人の考え方だ、やることは、同じだし。
■ホアジャオ > 「エ―――、見逃してよ!今度王城の食堂から高級点心かっぱらっ――――貰ってきて差し入れしたげるからサ」
誤魔化すためなのか何なのか
兎に角けらけらと笑って返して、胡坐をかいたまま揺れたりもする。
「へェ―――、身に着けたい大事なもの、ね。複雑だね。思春期ッてェやつ?
味、かなァ?今ンとこ。面白かったら、もっといいケド」
料理に対する注文としては、更にぼやけるリクエストをしつつ
すっく、と先に立ち上がって手を差し出して見せる。
握るなら、意外なほどの力で以て鎧を身に着けた身体が引っ張りあげられるだろう。
「スカーフなら、いくつか公主から貰ったシェンヤンの絹のやつとかあるから、今度あげるよ。
何だか『身だしなみ』とかッてェうるさく言われて押し付けられたンだけど、アタシが持ってたっていつか売り払うのが関の山だし、破れたっていいものならいくつあったっていいでしょ?」
訓練という名前でも、兎も角も次の喧嘩も受け入れられるのなら大変にご機嫌に、女は出口へと向かって弾む足取りを進め始める。
「――そうだ。アタシは用心棒で城に泊まってるかハイブラゼールに出かけることが多いケド
ゼロは宿は城ン中なの?それか、どっかに伝言残しておけるなら
今度喧嘩誘いに行くから、教えておいてよ!」
辿りついた出口で以て彼を振り返りつつ、最後に問いかけを。
■ゼロ > 「ははは、こやつめ、ははは。賄賂、受け取るように、みえるかな?お仕置き、もう少し増やすよ?」
けらけら笑う彼女に対して、少年は、乾いた笑いをして見せる。差し入れするイコール賄賂らしい。胡坐をかいた彼女の返答に、米神に青筋がぴきり。
ダメだ、こいつ話が通じない―――状態だ。
「そんな所なの、かもね。女々しい所なのかもしれないし。
味、か、了解、其れなら、気軽でうまい所を見繕っておくよ、面白さは―――すまん無理だ、そういうの理解できない。」
美味しい所というなら、もう自分の好みでいいやと思う事にする。まあ、それなりの人気店というのはあるし、そういう所にしよう。
今なら、シェンヤン風じゃないところは、比較的に入りやすいし、大衆酒場ならお値段リーズナブルなのだし。
そして、彼女に引き上げられるがままに、立ち上がろう。がしゃがしゃ、と鎧が軽く鳴って。
「―――………。いや、そこまでしてもらうような義理も関係もまだないと思うんだけど。
今回は、訓練に付き合ってくれたという形にするから、次回はちゃんと手続き取ってくれ。」
彼女の厚意、受け取る理由がまだ見つからなくて。まあ、善意なのはわかる、なので、今回だけは見逃すから、訓練所を使うときはちゃんと手続きだけは取ってくれな、と。
不法侵入で捕まえることにさせないでくれと願っておこう。
「第七師団は基本的にタナールに駐留してるけれど、俺は任務でいろいろな所にで歩いてる。
兵舎は、此処とタナール、自宅は、平民地区にある。自宅に手紙を送ってくれれば、大体は対応できる。」
と、自分の自宅の場所を紙に書いて手渡そう。
取りあえず、今回の為に、ついて行く積りで、歩いて彼女の後を追う。
一応後からでも不法侵入ではない形にするために。
それが終わったら、まあ今回の彼女の勝利の祝いとしての食事を奢ることになるだろう。
■ホアジャオ > きっと少年の青筋にも苦言めいた手続きについての願いも聞いていない。
解った解った、と頷いてはいるものの、かなり都合のよい所しか都合良い様にしか受け取っていない。
兎に角も最高の夜を過ごして、少年と共に修練場を後にする。
かたん、と小さな音とともに壁の灯が落ちれば、そこは喧噪が嘘のように月光だけが残って。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】 修練場」からホアジャオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】 修練場」からゼロさんが去りました。