2020/03/08 のログ
シュティレ > 訓練場は、疎らでした。
疎らと言うのは、訓練をしている人という意味です、たまたま訓練している人が居ないのでしょうか?私は、先程の訓練している人を見てしまったゆえに、印象づいてしまったのでしょうか。訓練を疎かにしている、という風に。
決めつけは良くないと思うのですけれど、それでもひどい状況と言えるこの状況、見るべきものが無く、学ぶべきことは反面教育だけとも言えます。
昼間であるというのに、この怠惰は、少しばかり私に不快感を覚えさせます、もし、私の国の者であれば、不覚悟、と鞭で打ち据え教育してしまいましょうと思える位に。

「……いけません、ね。」

大きく私は深呼吸をしましょう、感情的になってはいけません、祖国は祖国、この国はこの国、考え方などは違うのですから。
瞳を閉じて、周囲の景色を一度視界から外して、首を横に振りましょう、気を取り直して私は進んでいくことにします。
まだ、室内訓練所を見ていません、室内訓練所では、熱気あふれる訓練をしているかもしれません、あんなに立派な建物なのですから。
白亜の建物、室内訓練場らしきその場所に私は視線と思いを馳せて、近づきましょう。
素晴らしい騎士の姿が見れるのでしょうか、と。

シュティレ > 「…………。」

私は、期待を胸に歩み進めて、もう少しで室内訓練所の入口に到着しようというときに、一羽の蝙蝠が飛んでまいりました、これは、私の使いの蝙蝠です。
私の元へとやって来て人には聞こえない声で私に伝えてくれるのです、緊急の要件が在るそうです。
その用件を聞く私は、無念を覚えました、せっかくの楽しい時間の終わりを告げる使者となったからです、この、使いの蝙蝠が。
とは言え、役割は役割、役目は果たさなければなりません。

「待っていて、下さいね。」

私の声は、誰に当てた物でしょうか、聴くものが居れば、それに対しての推察や考察は出来るでしょうけれども、今は、私は一人です。
踵を返し、私は元来た道を進み、城から出て行かなければなりません、そして、蝙蝠が教えてくれた存在。
私が罰するべき者―――祖国の貴族、血族を狩りに行くのです。
一歩一歩、進む私は、城の廊下に入り、見えなくなっていくのでした。

ご案内:「王都マグメール 王城」からシュティレさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にユーシアさんが現れました。
ユーシア > 城内でも特に人の出入りが制限された、とある王族の私的領域。
白を基調とした上品な調度で整えられた寝室、天蓋付きのベッドに、
蒼白い顔の少女が一人、薄い白絹のネグリジェ姿で眠っていた。

「――――ん、ん…………」

熱っぽい、怠い、身体が巧く動かない。
それらは全て、昨日密かに『出産』をした所為なのだが、
少女の記憶から、その事実はもう、綺麗に拭い去られている。
ゆえにこれは、単なる体調不良であり――――
静かに眠っていれば、いずれは回復するもの、と、
常の如く言い含められていた。

けれど、熱はどうしても、下腹の辺りに集中している。
上掛け越しに腹へ両手を宛がい、熱く震える呼気を散らすのは、
驚異的な『回復』を果たしているそこが、酷く疼いてしまう所為だった。

ユーシア > 朦朧としていた意識が、終に薄れて、消えた。
後にはただ、少女の立てる寝息が聞こえるのみ――――。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からユーシアさんが去りました。