2019/11/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城/バルコニー」にクロニアさんが現れました。
クロニア > ――骨身に沁みる程の寒さは今はとても心地良い。
何故なら今宵もまた腹黒い貴族達の真っ黒な腹の探りあいに巻き込まれたのだ父親に顔を売っておけと引き摺りこまれたのだ。

ダンス、料理、会話、軽い口説きに柔らかな触れ合い、思い出すだけで反吐が出るが、それらひとつひとつを丁寧にこなしてかわしてやっと抜け出してお気に入りのバルコニーへとやってきた。

腹黒いだけではない、腹黒さを差し引いても魅力的な女性もいたのだろうが、そのパーティー会場の熱気にあてられ、それどころではなくて逃げるしかなくて、今に至るのだ。

ハァ…………と息を吐き出せば吐息はまるで竜のブレス。
真っ白に変わり揺らいで夜の闇へと消え、寒いわけだと一言愚痴るとバルコニーの手摺に背中を預けるのではなく、今日は両肘をついて頬つえをつきながらまだ賑やかな城下を眺めることにした。

口には手品の如く何時の間にかアレを咥えていて、その先端からは独特の少し甘い香りと共に紫色の煙が静かに立ち上り、煙の元は更に濃い紫色の火がともっている。

知っているモノが嗅げば欲しくなる。
或いは取り上げるか回収するか吸ってる主を捕縛したくなる例のアレ。

――誰もいない、いても金で黙らせるメイドか衛兵くらいしかいなそうなバルコニーだしと遠慮なく吸い始めているのであった。

クロニア > 一本吸い終われば次を口に咥える事無く、吸殻を手で握りつぶして粒子の残った甘ったるい息を吐き出すと「休憩は終りだ。」と小さく呟き歩き出す。

向う先は生暖かな地獄。
父親の顔に泥を塗らないように最低限だけ笑顔を作り、今宵も不愉快なる一夜を過ごすのであった。

ご案内:「王都マグメール 王城/バルコニー」からクロニアさんが去りました。