2019/11/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城/バルコニー」にクロニアさんが現れました。
クロニア > 「………此処で落ちるけるのも久しぶりだな。」

言葉の締め括りは何度此処で吐き出したかわからない程に吐いた溜息である。

あれから丸々1ヶ月とちょっとが過ぎ、身辺が落ち着いて王都に戻ってきたわけだが、
相変わらず王都も王城も賑やか過ぎて頭が痛くなる。

それに皆が糸で括り操られた人形か影絵遊びのように、戻ってくる前と同じ事をくり返している。
どろりとした悪意を腹に溜め込んで表面上は笑顔で握手すら交わし、金とコネを貪りあう、
反吐が出るほどに面白くないことを延々の今も是からも未来も続けるのだろうか。

――頭が痛くなるし胃もいたくなる。

まあまあ新鮮な空気を肺一杯に収めてから、先程の溜息よりも大きく深く息を吐き出す。
と、同時に何時ものようにバルコニーの手摺に背中を預けて、「あーーーあーー」とゾンビが如く
唸り声を上げると、顎を首をぐぃと仰け反らせる事でエメラルドとも翡翠とも言われた眼を夜空へ
と向けて少しは綺麗なものをと視界一杯に夜空を収める。

自分も腹黒い自覚は有るがそれでもどす黒いものばかり見ていると眼が腐る。
普通なら屋敷の地下で飼っている人形を着せ替えて眼の保養をするか、
出資している教会に顔を出してシスターや原石たちを眺めるか、
するのだが今は時間がなくてそれすらも出来ていない。
もう心が先に枯れそうで、故に吐き出す言葉は唸り声だけだ。

今だけ誰も居ない今だけは素の顔で過ごしたいのだ。
笑顔なんて掻き消して、浮べる表情は眉間に皺を寄せ眼を釣りあがらせて、
全身で不機嫌さを余す所なく体現し腹に溜まりに溜まった黒いものを吐く

クロニア > 暫く久方ぶりの高い世界から見下ろす城下の光景を堪能すると、
掌で口元を隠して欠伸を零す。

こんな人間でも我が家は愛しく馴染んだ光景も懐かしいと感じるものなのだな……とか思いながら、
踵を返してバルコニーを出て行く。

愛も変らず賑やかな王城、濁った熱気を余所に何度か欠伸を零しながら帰路へとつくのであった。

ご案内:「王都マグメール 王城/バルコニー」からクロニアさんが去りました。