2019/08/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にエリカさんが現れました。
エリカ > 夜ごと行われている饗宴の喧騒は遠く、ぬるく湿った夜風も、
四阿の中ではいくらか涼やかに感じられる。
少女らしい淡い薔薇色のドレスに身を包み、ふらふらと漂い歩いて辿り着いた四阿で、
娘は石のベンチにちょこんと座り、ぼんやり夜風に吹かれていた。

「……やっぱり、人がいっぱいいるところは苦手、です……。
 あと、……お城で出されるジュースは、甘すぎて喉、かわいてくる、です」

宴の席で、ジュースだか酒だか薬だか、とにかく分からないものを飲まされ、
ぼうと火照る身体を扱いかねて逃げ出してきたのだった。
相変わらず鈍感な娘は、誰かの企みに容易く引っかかるくせ、
紙一重のところで逃げ出せる、奇妙な幸運の持ち主らしかった。

騙されて一服盛られたかも知れない、というのに、何処までも暢気に。
ここなら少し涼しいから、ちょっとだけ眠っちゃおうかな、とまで考えている。

エリカ > 放っておけば本当に、こんなところで眠りかねない令嬢を、
さすがにメイドが慌てて探しに来たのは、娘が四阿の中で、
うとうとと舟を漕ぎ始めた頃。
赤ん坊の頃から世話をしてくれている彼女に手を引かれ、
寝ぼけまなこを擦りながら向かうのは、父が仕立ててくれた馬車のもと。
屋敷へ戻るまでの僅かな間に、馬車の中で熟睡してしまった娘は結局、
今夜もメイドたちの手を思うさま煩わせたことだろう、と――――。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からエリカさんが去りました。