2019/06/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > ヴェールの様な小雨が降り注ぐ中、何時もと変わらぬ貴族達の夜会で王城は賑わっている。
大貴族の嫡男として。一角の商売人として。時に尊大に。時に愛想良く、少年は笑顔を振りまきながら貴族達の間を渡り歩いていた。
「……やれやれ。流石に此の季節では、着こみ過ぎるのも暑苦しくて敵わぬな」
僻地の貴族達にまで丁寧に挨拶した後、侍女からグラスを受け取って一人窓際へと歩み寄る。
何時もは開け放たれているバルコニーへ繋がる窓は、しとしとと降り注ぐ雨によって閉め切られていた。
雨は嫌いじゃないのだが、今回ばかりは恨めしい。
外の空気を吸いたかったのに。と小さく溜息を吐き出した。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > とはいえ、壁の華に徹しようとしていても次から次へと己を尋ねる客足は絶えない。
他の貴族と違って秘書役となる輩を連れていない己は、必然的に全て相手しなければならない羽目になる。
にこやかに笑みを浮かべ、少女の様だと揶揄される己の容姿を存分に活かして貴族達をあしらい続け、一段落つけば幾分深い溜息。
「……バルコニーまで出られれば、人目も避けられるのだがな…。というよりも、些か無用心に過ぎないか、この夜会は…」
王城ともなれば入城の際に厳重な身体検査と身分証明が行われている筈だが、此の会場には警備の兵も少なく、己に群がる貴族達は最早顔と名前が一致しない者もちらほら。
暗殺者やスパイの類でも紛れ込んでいたらどうするつもりなのだろうかと、僅かに苦笑いを浮かべて窓の外に視線を向けた。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > そんな黄昏に浸る暇もない。
再び投げかけられた声に内心深い溜息を吐き出しながら、作り慣れた笑みを浮かべて振り向いた。
「……これはこれはアンスバッハ卿。壮健そうで何より———」
少年の夜は、未だ終わらない。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。