2019/05/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にゼロさんが現れました。
ゼロ > 夜の伏魔殿、王城を一人歩く兵士。
 第七師団の兵士である、ゼロという存在であり、その奇異な姿も、対魔族用の装備であるといえば、ある一定の納得は得られるだろう。
 どこが奇異か、といえば、見てわかるだろう、無謀の仮面に、全身をミスリル銀製の全身鎧、首元には赤いスカーフ。
 腰には一対の大型ナイフにその手には鋼鉄の槍、そのまま戦場に駆けつけられるような物々しい装備である。
 少なくとも―――降嫁しに来たシェンヤンの人間に見せられるものではなかろう。
 というよりも、彼が第七師団に所属していなければ速攻兵士に捕まって職務質問されてもおかしくはない。
 仮面のせいで、彼が誰なのか、わからないことがほとんどなのだから。
 知らない人間が夜に彼に出逢えば泣く。
 むしろ、泣かれたことも多くあるのだった。

 とはいえ、兵士は兵士、今宵も王城の廊下を警備のために歩くのだった。

ゼロ > 異常は―――どう言えばイイのだろう。
 そこかしこで行われている宴会に、その影で行われる性的な響宴。
 後者は正直異常と言っていいことだが、この国に関して言えばそれは当てはまらない。
 なぜなら、この国は腐敗が進みすぎている、ああいった乱れた場でも、政治的なやりとりが行われているらしい。
 さて、どうしたものなのだろうか。
 少年は考える、これが、政治的なものなのか、犯罪的なものなのか。

 紙一重が過ぎるのだ。
 政治的なものであれば、女の子が助けを求めてもそういうプレイだということになる。
 それは、ひいては第七師団長である将軍の名に傷をつけてしまう。
 逆に言うとそれを見捨てても、将軍の名前に――――。

 面倒くさい状況だと、思う。
 だからこそ、注意深く確認しながら進む。
 しかし、一般の兵士が貴族の思考に追いつけないので、間違えてしまうことも、あるだろう。

ゼロ > 「――――――。」

 少年は、考えるのをやめる。
 思考停止という訳ではなく、考えても仕方がないということに気がついた。
 なぜならば―――。

 後から何とでも言えるのだ。
 陥れようとする存在がいるのであれば、自分がどう動こうともいちゃもんをつけることができる。
 思考すると逆に際限がなくなってしまうのである。
 ならば、自分の正義に従い動くのみである。

 助けを求めるなら、助ける、それでいいじゃないか、と。
 少年は、仮面の下で軽く息を吐き出し、通路を進む。
 怪しい人物がいないか、とさがすように。

ゼロ > ――――カツン、コツン。少年のグリーブの音は時計のように正しく音を刻む。
 喧騒の中ではあるが、硬質な音は響きやすいものなのだろう。
 少年は周囲を見回しながら、警備を続ける。
 第一優先順位としての、敵――――魔族を見つけるために。
 仮面の少年は、無言のままに歩いていく。

 話をするべき存在がいなければ話をする必要がないために。

 そのまま、夜の王城の廊下を進み。
 闇の中に溶け込んでいくのであった――――。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からゼロさんが去りました。