2019/05/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にゼロさんが現れました。
ゼロ > 今現在、王城では公主が来ていて、日夜パーティが行われている。
 それは、所謂婚活パーティというやつであり、公主と、ここの貴族が結ばれていくためのパーティということである。
 それは、政治的に言えば、この国と、北のシェンヤンが仲良くなるためのものなのだろう。
 兵士である少年は、そんな政治的なことなどは、よく分からぬし興味もない。
 ただ、今宵も城の中を歩き回り、魔族が侵入していないのかどうかを調べるだけなのだ。

 それが、第七師団、対魔族の師団の役割と認識しているから。
 魔族を見つければ、少年はそれが貴族の皮を被っていようとも、排除にかかる。
 その問答無用の様子はそれこそ、狂犬というべきレベルであるのだ。

 だからこそ、砦に遠ざけられていたのだが、とある状況変化のためにここに戻ってきた。
 それは――――。

 セレネルの海に幽霊船が出た、という情報のためだ。
 もし、それが本当であれば第七師団の役割である、もしやすれば、師団長が戻ってきて編成を組むかもしれない。
 そうでなくても、ここの兵士に知るところを聞いて、少年は単身でも向かうつもりであった。

 国際問題の引き金になりそうな爆弾は、今現在、城の中を歩いていた。
 情報収集と。
 魔族を見つけ出す、二つの目的のために。

ゼロ > 少年はひとり静かに廊下を進む、その顔には、物を見るための穴が無い無貌の仮面がはめられていて、全身は白銀の鎧に覆われている。
 少年の腰には、一対の魔法のかかったなナイフが鞘に収められている。
 物々しいだけではなく、個人を特定することができないその装備、しかし、少年を咎める者がいないまま、進んでいく。
 少年の腕には、第七師団の師団証があるから、なのであろう。
 王城の中、大理石の石床を踏みしめる少年の足取りは、一定間隔で、乱れがない。
 右を、左を、周囲を確認するように見回して進んでいく。
 見えているのかどうかは―――少年がどこにもぶつかったりしないのがその証拠と言えるだろう。

「――――。」

 無言、一人でつぶやくこともなく少年は、静かに、金属の音とともに、廊下を進んでいくのだ。