2019/04/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】 舞踏会場」にホアジャオさんが現れました。
ホアジャオ > 春真っ盛りにも拘らず、空気の冷え込んだ王都の夜半。
澄んだ空気の真っ黒な天に星々が瞬いて、半分よりも欠けた月も冴え冴えとした光を落としている。
そんな勿体ない位の夜、その王都の中心部とも言える場所、王城では、ここ最近の例に漏れず今宵も舞踏会が開かれている―――

会場内は着飾った紳士淑女、と言ってもその『淑女』の大半はシェンヤン風、『紳士』も大半が王都風の、いかにもといった衣装。

(………そろそろ、見飽きても良いンじゃァないの…)

一方の壁際、バルコニーへほど近い場所にある分厚いカーテンへ背中を預けている、ロングチャイナ姿の女はそう思ったりする。
鼻息を漏らしてから細い目で会場を見渡す。
いつもの通り、立食を兼ねた舞踏会。
真ん中が舞踏場、その一方の側に楽隊、取り囲むように席があって、机の上に軽食。
合間を忙しく給仕がくるくると歩き回っている。
………たまに、足を引っかけたくなる。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】 舞踏会場」に此花姫さんが現れました。
此花姫 > 「……そろそろ見飽きたのぉ」

会場の隅、それこそ『淑女』に含まれるはずである公主・此花姫はぼそっとつぶやく。

正直いつも舞踏会や、淫靡な宴しか行われなくて、非常に厭いているのだった。

「帝国はもう少しバリエーションが……あまりなかったの」

どこでも飽き飽きなのは一緒だった。
暇つぶしに会場を見渡すと、近くにいたのは帝国風の女性。
話し相手ぐらいはしてくれないかなと思いながら、酒をもって声をかける。

「ぬし、少し付き合わんか?」

お酒を差し出しながら。

ホアジャオ > (好闲啊(ひまだ)……)

あまりの退屈さ加減に、どの給仕の足を引っかけたら一番派手な騒ぎになるかを考え始めていた所。
思わぬ方向から――割と下の方から、少女の声を掛けられて数度瞬き。
一回横を向いて、下を見た。

「……アタシ、一応仕事中なンだ……ケド」
まあいいか、とくるりと目を回すと紅い唇でにいっと笑う。
「ありがと、頂いておくよ」

受け取る手を差し出しながら、少女を観察する。
……猫耳に視線が張り付く。

「………ソレ、本物?」

此花姫 > 「まったく、不熱心な護衛じゃのぉ」

といいながら自分も同じ酒を手酌で飲み干す。

「本物じゃよ? 神獣族じゃからの。みたことないのか?」

耳をぴこんぴこんと器用に動かす。
神獣族は帝国でも少数であったし、王国の王宮ではまず見かけないのは確かだ。

「触ってみるかの。安くはないが」

ホアジャオ > 少女の返答に、受け取った杯に唇を付けながらけらっと笑う。

「見たことあるし触らせてもらったこともあるよ。
中々良かったから触らせてもらおうと思ったンだケド」

高いなら止しとくよ、と言って杯を呷る。
半ばまで飲み干して
「……流石、良い酒出してンね」
残り半分を呷って、唇の端を指で拭った。

「まあ、今日の護衛対象はもうどっかシケこんじゃったからさー
晩御飯でもつまんでやろうと思って来たンだけど、結構遠くて難儀してたトコ」

言いながら食事のテーブルの方を見て、また少女へ視線を下ろす。
和服を見慣れないらしく、かくんと首を傾げた。

「えェっと……アンタは?どこの人?」

此花姫 > 「公主の此花姫じゃ。ぬし……どこかで会ったことないかえ?」

はっきりした顔立ちの美人。見たことのあるような気がするが、なかなか思い出せない。
後宮ではない。あそこの后連中ならむかつくやつばかりだから忘れるわけがない。後宮でもやっていけるぐらいの美人ではあるが……

「んー、おもいだせんの。ぬし、どこのだれじゃ?」

面倒になったので聞くことにした。

ホアジャオ > 公主、と言われるとヘーエと目を瞬いた。こんな衣装、向こうにあったかしらん……?

「アタシ?
アタシは『ホアジャオ』ッてェの。おんなじシェンヤンの出だよ。
ここンとこあちこちの公主の護衛のアルバイトしてるから、王城ですれ違ってたかもねえ?
アタシの方はアンタのこと小さくって見逃してたかも」

あはは、と笑う。
空になった杯を近くの卓に置きながら、また改めて少女を見て、舞踏会場を見た。

「親の都合だろけど、アンタも大変だねえ、小っこいのに」

好きで出たわけではなかろう…と思ってからまた、少女に視線を戻して

「…それとも好きで来たクチ?」

此花姫 > 「ふむ、なるほどのぉ……」

王宮ですれ違ったことがあるのかもしれない。その程度で納得をする。

「確かに背は小さいがのぉ、わら輪のほうが多分年上じゃと思うぞ」

ふんす、と偉そうに胸を張るその姿はとても年上には見えない。

「後宮が魔窟すぎるのと、皇帝がめんどくさいことしか言わなくなったから、適当な理由で逃げてきただけじゃ。いい男がいるなら結婚してもいいが、王国の男はいまいちじゃの」

尻尾をぶんっ、と振る。若干不機嫌そうである。

ホアジャオ > 年上、とふんぞり返る姿にフーン、と唇を尖らせる。
見た目にそぐわないと何か納得いかない。
態度も見た目通りだし。

「そォ…
ヘーエ、向こうでも王室に居たンだ?ッて公主だから当たり前か…
まあ、王宮の中に居るので、しかもこういう所に出張るやつで良い男ってえのはないンじゃないかと思うケド…」

舞踏会場を首を傾げて見遣って、また少女へ視線を戻す。

「ンで、此花姫の好みッてェのはどんな奴なのさ?」

此花姫 > 「んー、そうじゃな、甲斐性があって、エッチがうまくて、やさしい誠実な奴じゃな。ここにいる連中はどれ一つ当てはまらんが」

ふふん、と鼻を鳴らす此花姫。

「仕方がないので貴族の若いのを現在調教中じゃな。まあ他にいい相手がいれば考えるがのー」

ずいぶん物騒なことしか言わない少女は、酒をまた飲むと、ホアジャオにも勧める。

「イイ男だと思うなら、一人ぐらいひっかけてくればよかろう。ぬしの脚線美で落ちない男はおらんじゃろ」

にやぁ、と少女らしからぬいやらしい笑みをホアジャオに向ける

ホアジャオ > 「……ソレ、結構な確率で他の女の子にも大人気のやつだよねえ……
早めに探しに行かないと、売れちまうンじゃァないの?」

細い目がさらに細まって、人の悪い笑みが紅い唇に浮かぶ。
調教中、と聞くとそりゃいいや、とけらっと笑って勧められた酒を受けた。

「アタシ?
アタシは目下そっちより、喧嘩相手が欲しい所だね…
護衛についてこの方、数えるくらいしか喧嘩できてなくッて」

脳筋まるだし。
杯を呷って空にすると、片足を上げてその爪先に杯を置き、ロングチャイナからにょっきり伸ばしてみせる。

「…ダイラスの港で破落戸をぶちのめしまくってた方が良かったかなァ…」

此花姫 > 「負けたら結婚してやるとかそういうやつかの?
悲惨な生活になるからやめたほうがいいぞ」

頓珍漢な答えをする此花。

「訓練ぐらいなら騎士に混ぜてもらってもいいかと思うがの。
何ならわらわが相手をしてやろうか? 対価次第で考えてやろう」

どう考えても強くなさそうな此花の挑発。腰には確かに短刀が収まっているが……

ホアジャオ > はあーと溜息めいたものを漏らすが、つま先の杯は揺らがない。

「…ううン?ただ単純にぶちのめしたいだけだよ。
騎士、ねえ………」

本来が騎士のように武装しないので、あまり興味がなかったけども…このひどい喧嘩日照りが続くなら、考えてみても良いのかもしれない。
少女の挑発にはぼやんとした視線を投げて

「…アンタが?
…………対価ッて、例えば?」

手持ちの金はないが、仮にも公主が求めるもの。
そんな単純なものでもあるまい…もしかしたら、自分でも都合できるかもしれない。
…細い目が、若干爛々とし始める。

ホアジャオ > そんな、色気のあるような無いような会話をする壁際の2人
豪華絢爛、男女の囁き合い、嘘と噂が行き交う舞踏会の夜は更けてゆく……

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】 舞踏会場」からホアジャオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】 舞踏会場」から此花姫さんが去りました。