2019/04/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」から此花姫さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城内研究施設」にミリーディアさんが現れました。
ミリーディア > 変化して行く王城内の環境を余所に、相も変らぬ場所で在ろう魔導研究施設。
其の室長室で矢張り変わらぬ生活を送っている少女は柔らかな椅子に身を沈め寛いでいた。

シェンヤンの公主達が送り込まれた王城内。
其の国でも道術や錬金術師の第一人者『美麗』としての別名で通っていた為、少しばかりの懸念材料と成っていた。
尤も今や其れを知るのは皇帝のみで在り、以外の者には知らされておらぬ事。
別口であっても歴史を深く迄掘り返さねば知る事も無いだろうから実際の処はそうは心配する必要も無いのではあろうが。

「まあ、互いに他言無用とすべき内情の多い立場と云うのは便利な様で不便ではあるな」

椅子から身を起こし、デスクに散らばった資料に目を通し乍に呟く。
今日、此のデスクの上に散乱しているのは殆どが研究員達の研究記録。
ほぼ全てが確認済みとしてあるものだ。
つまり、今現在はやる事も無くなり暇潰しを如何し様か考え様としていた処であった、と云う訳である。

ミリーディア > 其れ以上に警戒すべき二点も既に連絡は入れてある。
九尾狐に関しても、吸血鬼に関しても、王都内で騒ぎは起こさないであろうと思いたい。
次に対処すべきなのは王都内の他の魔族。
後は先に思考に浮かべていた公主達と、其の関係者達の動向だろう。

更に別件で九頭龍山脈に一人、王都に二人、魔族の国に一人、空に浮かぶ自身の研究施設に一人。
魔王としての自分に従っている騎士団員は今、全員が別行動で動いている。

こうして今は寛いでいるのだが、考えておかねばならない案件は今だ数多い。
こんな時だからこそ…

「……あったあった、これだ」

デスクの棚の一つを開き、其処に在った箱に詰められたクッキーを数枚摘んだ。
カリカリと端から栗鼠の様に少しずつ味わう様にして齧る。
大口なら一口で、普通に食べれば数口で食べ切れる程度の大きさのクッキー。
だが、残りの枚数が少ない為に一気に食べては勿体無いとそんな食べ方をしていた。

買いに行けば良いのだろうが、如何も動こうとの気分に為らない。
だから都合良くやってくる来訪者の手土産を期待しているのだ。
事が上手く流れなかったら仕方無しに買出しに行くのだろうが。

ミリーディア > 「……何にしても、城内での悪戯に対しては少々手出しするとしよう。
まったく、城の外でやってくれれば一番良いものなんだがね」

人間として悪戯に接する為らば問題は無いし、魔族として接し様とも後始末を確りしてくれれば良い。
だが、問題なのは魔族として接した上に後始末もしない連中だ。
下手な問題が城内で発覚して広まれば王族連中が騒ぎ出す。
そうなってしまうと討伐云々の話が嫌でも挙がってしまう。
其の結果に到るのが城内警戒の強化。
先にも挙げたが、自分としては出来れば動きたくない。
其の辺りを弁えて行動する連中が楽しめなくなる可能性も出てくるから。

人間にしても、魔族にしても、他の種族達にしても。
今自分達が居るのがどの様な場所であるかをもっと考えるべきだ。
クッキーを食べ終えれば再び椅子へと身を沈める少女。
其の侭、ゆっくりと目を閉じて。

ご案内:「王都マグメール 王城内研究施設」からミリーディアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城/地下牢」にアルフレーダさんが現れました。
アルフレーダ > 赫々たる地上の世界と隔離された地下の牢櫃。
高慢で有名な王女は護衛を先導させ、そこへ通じる階段を下りていた。
こんな場所を訪れるのにも彼女は艶麗なドレスだ。
手足などの露出はほとんどないものの、胸元は強調するように押し上げたデザインで、売れば民が数年暮らせるティアラを頭に。
王女は地下牢に閉じ込められた者が見えてくるなり扇子を取り出すと、口元に添え。

「ごきげんよう、ティーサノヤ公。お噂を耳にして来てみたのだけど。」

ティーサノヤ公と呼ばれた男は檻の中で横になり、大した反応もない。
おそらくは高価な衣だったのだろう布の残骸しか身に付けておらず、萎えた局部は痛々しい赤みがある。
嗜虐嗜好の者が弄んだとは聞いていたが。

「薬を打ち過ぎたのではなくて?私が翫賞する前に廃人にするつもり?退屈させないで。」

『申し訳ありません。今夜は休ませます。回復したらまた御報告しますので……。』

牢の担当をギロッと睨むと、彼はなるべく視線を合わさぬよう心掛けながら頭を垂れた。
せっかく玩具があると思ってやって来た王女の機嫌は悪くなり、遠巻きに見ていた護衛はとばっちりを避けて空気に徹している。

アルフレーダ > 「後日なんて意味がないわ。私はいま退屈だからここに来たのに。」

ピシャッと閉じた扇子の音が、やけに響く地下。
王女は考えるように話をしているが、ここにいる誰もが結論は決まりきっていることに気付いている。

「……そうね。ではお前が代わりに退屈しのぎになりなさい。」

滅相もありませんとさらに深々と頭を垂れようとした男を、王女の連れて来た護衛が捕拿に走る。
明確な指示があったわけではない。こういったことは日常茶飯事なのだ。
哀れ、性悪で無能な王女の玩具に指名された男がどうなったのか、知る者は限られる。
少なくともこの日以降、彼を城内部で見た者はいない。

ご案内:「王都マグメール 王城/地下牢」からアルフレーダさんが去りました。